最終更新日:2026年7月18日
ds linear-algebra math
まず結論
主成分分析(PCA:Principal Component Analysis)とは、互いに相関する複数の特徴量を、データのばらつき(分散)をできるだけ保つ少数の新しい軸へ変換する次元削減手法です。
DS検定では、次の3点を押さえます。
- 教師なし学習であり、目的変数を使わない
- 元の特徴量を選ぶのではなく、線形結合で新しい軸を作る
- 第1主成分は分散が最大、第2主成分以降は前の主成分と直交する
直感的な説明
身長と体重のように、似た動きをする特徴量を考えます。
身長が高い人ほど体重も重いなら、2つの特徴量には重複した情報があります。
PCAは、この2つを別々に扱う代わりに、
身長と体重をまとめた「体格」という新しい軸を作る
ような考え方です。
データが細長く並んでいる方向へ軸を回転させると、少ない軸でもデータの特徴を表しやすくなります。
定義・仕組み
第1主成分と第2主成分
- 第1主成分:データの分散が最も大きくなる方向
- 第2主成分:第1主成分と直交し、その次に分散が大きい方向
主成分同士は互いに直交するため、重複した情報を持ちにくくなります。
主成分は元の特徴量の線形結合
主成分は、元の特徴量をそのまま残すのではなく、重み付きで組み合わせた新しい特徴量です。
たとえば、
第1主成分 = 0.7 × 身長 + 0.7 × 体重
のようなイメージです。
主成分得点と主成分負荷量
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 主成分得点 | 各データを主成分軸へ写した値 |
| 主成分負荷量 | 元の特徴量が各主成分へどれだけ関係するか |
負荷量を見ると、主成分がどの特徴量の影響を強く受けているかを解釈できます。
寄与率
各主成分が元データの分散をどれだけ説明しているかを表す割合です。
- 寄与率が高い主成分ほど、多くの情報を持つ
- 累積寄与率を見て、何次元まで残すかを決める
標準化が必要になる場面
PCAは分散が大きい特徴量を重視します。
そのため、身長と年収のように単位や尺度が大きく異なる場合、そのままPCAを行うと、数値の大きい特徴量に引っ張られます。
このような場合は、平均0・標準偏差1へそろえる標準化を先に行います。
どんな場面で使う?
特徴量が多すぎるとき
次元の呪いを緩和し、計算量や過学習リスクを減らす目的で使います。
可視化したいとき
高次元データを2次元や3次元へ圧縮して、散布図などで確認します。
ノイズを減らしたいとき
寄与率の低い主成分を除くことで、細かなノイズを減らせる場合があります。
注意点
- 主成分は解釈しにくいことがある
- 次元削減により一部の情報は失われる
- 非線形な構造は表しにくい
- 教師なしなので、目的変数の予測に重要な方向とは限らない
よくある誤解・混同
PCAは特徴量選択である
誤りです。
| 手法 | 内容 |
|---|---|
| 特徴量選択 | 元の特徴量から必要なものを選ぶ |
| PCA | 元の特徴量を組み合わせて新しい特徴量を作る |
PCAは目的変数との関係を最大化する
誤りです。PCAは目的変数を使わず、説明変数側の分散を最大化します。
第1主成分は最も重要な元変数である
誤りです。第1主成分は元変数ではなく、複数の元変数の線形結合です。
次元削減しても情報は失われない
誤りです。情報をできるだけ保つ手法ですが、主成分を削れば一部の情報は失われます。
PCAとSVDは同じもの
完全に同じではありません。
- PCA:分散が大きい方向を求める統計的な次元削減
- SVD:行列を分解する数値計算手法
実装上、中心化したデータ行列へSVDを使ってPCAを求めることがあります。
まとめ(試験直前用)
- PCAは教師なしの次元削減
- 分散が最大になる方向へ新しい軸を作る
- 第2主成分以降は前の主成分と直交
- 元の特徴量を選ぶのではなく、線形結合で新しい特徴量を作る
- 寄与率で残す主成分数を判断する
- 尺度が違う場合は標準化を検討する
- 目的変数は使わない
対応スキル項目(データサイエンス力)
- 数理・統計基礎
- 多変量解析
- ★ 高次元データを少ない軸で表現する考え方を理解できる
🔗 関連記事
- 行列の固有値とは?意味を直感で整理【DS検定】
- 数理・アルゴリズム・データ活用基礎とは?【DS検定学習ガイド】
- eの微分・積分を最短で整理【DS検定リテラシー】
- ユーグリッドノルムとは?(ベクトルの長さの測り方)【DS検定】
- 逆行列とは何か?求め方と意味をやさしく整理【DS検定】