ds linear-algebra math
まず結論
固有値は「その行列が、ある特別な向きのベクトルをどれだけ伸ばす/縮めるか」を表す倍率です。
DS検定では「固有値=何の大きさか?」を、主成分分析や“向きと広がり”の文脈で判断させる問題が出ます。
直感的な説明
行列は「空間をどう変形するか」を表すルールです。
例えば、丸いゴム板を引き伸ばすと、だ円になります。
- いちばん伸びる向きがある
- ほとんど伸びない向きもある
その「向き」が固有ベクトル、
その「伸びる倍率」が固有値です。
つまり固有値は、
変形の強さを表す数です。
定義・仕組み
固有値は、次の状況で出てくる数です。
- 行列をかけても「向きが変わらない」ベクトルがある
- そのとき、大きさだけが倍率で変わる
この倍率が固有値です。
2×2行列での求め方(イメージ用)
次の行列を考えます。
\[A = \begin{pmatrix} a & b \\ c & d \end{pmatrix}\]固有値 λ は次の式から求めます。
\[\det(A - \lambda I) = 0\]ここで I は単位行列です。
実際に式を書くと、
\[(a - \lambda)(d - \lambda) - bc = 0\]展開すると、
\[\lambda^2 - (a+d)\lambda + (ad - bc) = 0\]これは2次方程式です。
つまり固有値は、
- 対角成分の合計(a+d)
- 行列式(ad-bc)
で決まります。
DS検定では、
この式を暗記するよりも、
「固有値は変形の倍率」
「トレースと行列式で決まる」
と理解しているかが重要です。
数値例で直感確認
\[A = \begin{pmatrix} 2 & 0 \\ 0 & 1 \end{pmatrix}\]この行列は、
- x方向を2倍
- y方向を1倍
にします。
固有値は 2 と 1 です。
つまり、
「その方向にどれだけ伸びるか」がそのまま固有値です。
どんな場面で使う?
使う場面
- 主成分分析(PCA)
- 固有ベクトル:主成分の向き
- 固有値:その向きの分散の大きさ
- データのばらつきの方向を理解したいとき
DS検定では
「どの主成分が情報量が大きいか?」と問われることがあります。
その判断基準が固有値です。
注意すべき場面
- 固有値が大きい=常に良い、ではない
目的次第で意味が変わります。 - 計算できるかどうかより、解釈が重要です。
よくある誤解・混同
DS検定ではここを混同させてきます。
固有値と固有ベクトル
- 固有値:倍率
- 固有ベクトル:向き
選択肢で「軸」「方向」と書いてあれば固有ベクトルです。
固有値と特異値
- PCA文脈 → 固有値
- SVD文脈 → 特異値
選択肢では「特異値分解」という言葉が出たら注意です。
固有値は必ず正?
一般の行列では負になることもあります。
ただし、共分散行列の文脈では負にならない前提で出題されます。
まとめ(試験直前用)
固有値は「行列がベクトルを伸ばす倍率」。
固有ベクトルは「向きが変わらない方向」。
PCAでは「固有値=分散の大きさ」。
選択肢で「方向」とあれば固有ベクトル、「どれだけ大きいか」とあれば固有値を疑う。
対応スキル項目(データサイエンス力シート)
- 数学的理解
- 線形代数基礎
- ★ 固有ベクトルおよび固有値の意味を理解している
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