最終更新日:2026年7月14日
ds modeling visualization
まず結論
デンドログラムとは、階層クラスタリングでデータやクラスタが結合された過程を木構造で表した図です。
DS検定では、デンドログラムの次の3点を読み取れることが重要です。
| 見る場所 | 意味 | 判断ポイント |
|---|---|---|
| 縦軸 | クラスタが結合されたときの距離・非類似度 | 高い位置で結合するほど、あまり似ていない |
| 横軸 | 個々のデータやクラスタの並び | 時間や数値の大小とは限らない |
| 横線を引く高さ | クラスタを分ける位置 | 高さを変えるとクラスタ数が変わる |
問題文に「木構造」「階層クラスタリング」「横線で切る」が出てきたら、デンドログラムを考えます。
直感的な説明
デンドログラムは、似ているデータから順番にグループへまとまっていく様子を表した図です。
たとえば、顧客データを似ている順にまとめる場面を考えます。
- よく似た顧客同士が小さなグループになる
- そのグループと近い顧客が結合する
- 最後に、大きなグループ同士が結合する
この「くっついていく流れ」を、枝分かれした木のように描いたものがデンドログラムです。
低い位置で結合 → よく似ている
高い位置で結合 → あまり似ていない
デンドログラムでは、枝がどの高さで結合しているかを見ることで、データやクラスタ同士の近さを判断します。
定義・仕組み
デンドログラムは、階層クラスタリングの結果を可視化した樹形図です。
凝集型の階層クラスタリングでは、次の流れで作られます。
- 各データを1つのクラスタとして開始する
- 距離が最も近いクラスタ同士を結合する
- 結合後のクラスタ間距離を計算する
- すべてが1つになるまで結合を繰り返す
- 結合順序と距離を木構造で描く
デンドログラムの基本構造
| 要素 | 意味 |
|---|---|
| 末端の点 | 個々のデータ、サンプル |
| 枝の結合 | データやクラスタがまとまったこと |
| 縦方向の高さ | 結合時の距離、または非類似度 |
| 横方向の並び | データを見やすく配置したもの |
特に大事なのは、縦軸は距離を表すが、横軸は時間や値の大小を表すとは限らないことです。
クラスタ数の決め方
デンドログラムでは、任意の高さで横線を引き、その線と交差する枝の本数からクラスタ数を考えます。
高い位置で切る → 少ないクラスタ
低い位置で切る → 多いクラスタ
たとえば、横線と3本の枝が交差するなら、クラスタ数を3と考えます。
ただし、切る高さが機械的に一つへ決まるわけではありません。結合距離が急に大きくなる位置や、分析目的を参考に決めます。
階層クラスタリングとの関係
デンドログラムは分析手法そのものではなく、階層クラスタリングの結果を見える形にした図です。
| 用語 | 役割 |
|---|---|
| 階層クラスタリング | データを階層的にまとめる分析手法 |
| デンドログラム | 結合過程を木構造で表した図 |
どんな場面で使う?
クラスタ数を検討したいとき
デンドログラムは、クラスタ数を最初から決めにくい場面で使いやすい図です。
- 顧客を購買傾向で分ける
- 商品を特徴で分類する
- アンケート回答者のまとまりを見る
- 遺伝子や文書データの構造を確認する
データのまとまり方を理解したいとき
デンドログラムでは、最終的なクラスタだけでなく、どのデータが先に結合し、どのグループが後からまとまったかを確認できます。
そのため、単にグループ分けするだけでなく、データの階層的な関係を理解したい場面に向いています。
注意が必要な場面
- データが多いと図が読みにくくなる
- 距離の定義によって結果が変わる
- 連結方法によって結合順序が変わる
- 外れ値の影響を受けることがある
- 切る高さは分析目的に応じて判断する
デンドログラムがきれいに見えても、それだけで分類が正しいとは限りません。
G検定版との役割の違い
このDS検定ページでは、縦軸・横軸とクラスタ数の読み方を中心に整理しています。
デンドログラムが次元削減ではないことや、PCA・SVDとの違いを中心に確認したい場合は、デンドログラムとは?次元削減との違い【G検定】を参照してください。
よくある誤解・混同
誤解1:横軸は時間を表す
デンドログラムの横軸は、基本的にデータやクラスタの並びです。時系列グラフのような時間軸とは限りません。
誤解2:縦軸はクラスタ数を表す
縦軸は、データやクラスタが結合されたときの距離や非類似度です。
| 誤解 | 正しい理解 |
|---|---|
| 縦軸はクラスタ数 | 縦軸は結合時の距離 |
| 高い位置で結合するほど似ている | 高い位置で結合するほど似ていない |
| 横軸は時間 | 横軸はデータの並び |
誤解3:高い位置で切るほどクラスタ数が増える
高い位置で切ると、まだ多くのデータが大きなクラスタにまとまっているため、クラスタ数は少なくなります。
低い位置で切ると、細かく分かれた状態になるため、クラスタ数は多くなります。
誤解4:k-meansと同じ方法である
| 観点 | 階層クラスタリング・デンドログラム | k-means |
|---|---|---|
| クラスタ数 | 後から検討しやすい | 最初にkを指定する |
| 結果の見え方 | 木構造で表す | 各点をk個のクラスタへ分ける |
| 代表キーワード | 樹形図、階層、結合距離 | k個、重心、平均 |
「クラスタ数を事前に指定する」とあれば、k-means寄りです。
誤解5:デンドログラムは次元削減手法である
デンドログラムは、階層型クラスタリングの結果を可視化した図です。PCAやSVDのように、特徴量を低次元へ変換する手法ではありません。
選択肢の判断基準
- 「縦軸は結合時の距離」→ 正しい
- 「高い位置で結合するほど似ていない」→ 正しい
- 「横線で切る高さによりクラスタ数が変わる」→ 正しい
- 「横軸は必ず時間」→ 誤り
- 「最初にクラスタ数kを指定する」→ k-means
- 「低次元表現へ変換する」→ PCAやSVD
確認問題(DS検定対策)
デンドログラムの説明として、最も適切なものはどれか。
- ア. データをあらかじめ指定したk個のクラスタに分ける手法である。
- イ. 階層クラスタリングの結合過程を木構造で表し、横線を引く高さによってクラスタ数を判断できる図である。
- ウ. 横軸に時間、縦軸に売上をとって時系列変化を表すグラフである。
- エ. 特徴量を少数の主成分へ変換する次元削減手法である。
▶ クリックして答えと解説を見る(ここを開く)
正解:イ
解説
- ア:k-meansの説明に近いです。k-meansは、最初にクラスタ数kを指定します。
- イ:適切です。デンドログラムは、階層クラスタリングの結合過程を木構造で表します。
- ウ:時系列グラフの説明です。デンドログラムの横軸は時間とは限りません。
- エ:PCAなどの次元削減の説明です。デンドログラムは可視化された図です。
判断ポイントは、木構造・結合距離・横線で切るの3つです。
まとめ(試験直前用)
- デンドログラム=階層クラスタリングの結合過程を表す樹形図
- 縦軸は結合時の距離、横軸はデータの並び
- 高い位置で結合するほど、あまり似ていない
- 高い位置で切ると少ないクラスタ、低い位置で切ると多いクラスタ
- k-meansは最初にkを指定し、PCA・SVDは次元削減なので混同しない
対応スキル項目(データサイエンス力シート)
- データ理解
- データの可視化
- ★ データの特徴や構造を把握するための適切な可視化手法を選択できる
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