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まず結論

トランスポートモードとは、IPsecで送信ホストから受信ホストまでの通信内容を保護する方式です。

SG試験では、トランスポートモードトンネルモードを混同させてくることがあります。

判断の中心は、次の1点です。

  • ホスト同士を保護するのか
  • ネットワーク間をVPN装置で保護するのか

トランスポートモードは、基本的に通信する端末同士がIPsecを使う方式と押さえると切り分けやすくなります。

直感的な説明

トランスポートモードは、荷物で例えると、

荷物の中身だけを鍵付きの箱に入れて送るイメージです。

送り主と受け取り先の住所情報は使いながら、 中身が途中で見られたり改ざんされたりしないように守ります。

一方、トンネルモードは、

荷物全体をさらに大きな箱に入れて、拠点間で運ぶイメージです。

そのため、SG試験では次のように考えると判断しやすいです。

見方 トランスポートモード トンネルモード
主な保護対象 ホスト間の通信 拠点間・ネットワーク間の通信
暗号化する場所 送信ホストと受信ホスト VPN装置などのゲートウェイ
イメージ 端末同士で守る 通信経路をトンネルで包む

定義・仕組み

IPsecは、IP通信を保護するための仕組みです。 暗号化や認証によって、通信内容の盗聴や改ざんを防ぐ目的で使われます。

IETFのRFCでは、IPsecの構成や動作の考え方が整理されています。詳しくは RFC 4301 - Security Architecture for the Internet Protocol が参考になります。

トランスポートモードでは、IPパケット全体を新しいIPパケットで包むのではなく、 元のIPヘッダーを基本的に使いながら、通信内容を保護する形になります。

つまり、ざっくり言うと次のような関係です。

  • 元の送信元IPアドレス・宛先IPアドレスはそのまま使う
  • 通信の中身を暗号化・認証で守る
  • 送信ホストと受信ホストがIPsecを処理する

SG試験では、細かいパケット構造よりも、 誰と誰の間で暗号化しているかを見ます。

選択肢で、

ゲートウェイ間の通信だけを暗号化する

のように書かれていたら、トランスポートモードではなく、 トンネルモードの説明ではないかと疑うのがポイントです。

どんな場面で使う?

トランスポートモードは、主にホスト同士が直接安全に通信したい場面で使われます。

たとえば、次のようなイメージです。

  • サーバ同士の通信をIPsecで保護する
  • 特定の端末とサーバの通信を保護する
  • 拠点間VPNではなく、端末間の通信保護を考える

ただし、企業のVPNでよく出てくるのは、 拠点間をVPN装置で接続するような構成です。 この場合は、一般にトンネルモードのイメージが近くなります。

SG試験では、

VPN装置でカプセル化・復号する

と書かれていたら、トランスポートモードではなく、 トンネルモードを考えます。

逆に、

送信ホストと受信ホストがEnd-to-Endで暗号化する

と書かれていたら、 トランスポートモードを考えます。

よくある誤解・混同

トンネルモードとの混同

最も混同しやすいのは、トンネルモードです。

項目 トランスポートモード トンネルモード
通信の単位 ホスト間 ネットワーク間・拠点間
処理する主体 送信ホスト・受信ホスト VPN装置・ゲートウェイ
試験でのキーワード End-to-End カプセル化、VPN装置、拠点間

トランスポートモードは、 端末同士が直接IPsecを使うと考えます。

トンネルモードは、 元のIPパケットを包み込んで、VPN装置間で運ぶと考えます。

SSL/TLSとの混同

SSL/TLSも通信を暗号化する仕組みですが、IPsecとは保護する層が異なります。

  • IPsec:IP層で通信を保護する
  • SSL/TLS:Web通信など、主にアプリケーションに近い層で通信を保護する

SG試験では、

HTTPSでブラウザとWebサーバ間を暗号化する

とあれば、通常はSSL/TLSの話です。

一方、

IP通信そのものを保護する

とあれば、IPsecを考えます。

S/MIMEとの混同

S/MIMEは、電子メールの本文や添付ファイルを保護する仕組みです。

トランスポートモードは、メールそのものを暗号化する仕組みではありません。 通信経路上のIP通信を保護する考え方です。

選択肢では、

メールサーバ内に保存されている間もメール本文が暗号化されたままになる

のような説明は、IPsecではなく、S/MIMEのようなメッセージ自体の暗号化を考えます。

まとめ(試験直前用)

  • トランスポートモードは、ホスト間の通信を保護するIPsecの方式
  • End-to-End送信ホストと受信ホストがキーワード
  • VPN装置間・カプセル化・拠点間ならトンネルモードを疑う
  • SSL/TLSは主にWeb通信、S/MIMEはメール本文の保護として切り分ける
  • SG試験では、細かい構造より誰と誰の間を守るかで判断する

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