最終更新日:2026年5月11日
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まず結論
SPF(Sender Policy Framework)は、SMTP接続してきたメールサーバのIPアドレスをもとに、正規のサーバから送られたメールかどうかを確認する仕組みです。
SG試験では、次のように押さえると判断しやすいです。
SPF = 送信元ドメインのDNS情報と、送信してきたサーバのIPアドレスを照合する
つまり、SPFはメール送信者のなりすまし対策です。
選択肢では、次のような表現が正解になりやすいです。
電子メールを受信するサーバが、電子メールの送信元ドメイン情報と、電子メールを送信したサーバのIPアドレスから、ドメインの詐称がないことを確認する。
ここで大事なのは、電子署名ではなく、IPアドレスで確認するという点です。
直感的な説明
SPFは、メール版の「この会社のメールは、この配送センターからだけ出します」リストのようなものです。
たとえば、ある会社が自分のDNSに、
example.com のメールは、このメールサーバから送ります
と登録しておきます。
受信側のメールサーバは、メールを受け取ったときに、
- 実際に接続してきたメールサーバのIPアドレスを見る
- 送信元ドメインのDNSに問い合わせる
- 登録済みのSPFレコードと照合する
という流れで確認します。
一致すれば、そのドメインが許可したメールサーバから送られた可能性が高いと判断できます。
逆に、一致しなければ、なりすましメールの可能性があります。
定義・仕組み
SPFは、送信側ドメインのDNSに公開されたSPFレコードを使って、受信側メールサーバが送信元IPアドレスを照合する技術です。
仕様としては、IETFの RFC 7208 で定義されています。
基本の流れは次のとおりです。
- 送信側は、自分のドメインのDNSにSPFレコードを登録する
- 正当なメールサーバのIPアドレス
- 正当なメールサーバのホスト名
- 送信を許可する範囲
-
送信側から受信側へ、SMTPでメールが送信される
-
受信側メールサーバは、SMTP接続してきたメールサーバのIPアドレスを確認する
-
受信側メールサーバは、送信元ドメインのDNSに問い合わせる
-
DNSからSPFレコードを取得する
-
SPFレコードと、実際に接続してきたIPアドレスを照合する
- 照合に成功すれば、正当なメールサーバから送信されたと判断する
ここで特に重要なのは、SPFを確認するのは受信側メールサーバという点です。
また、SPFで確認する送信元ドメインは、主にSMTPの MAIL FROM コマンドなどに記載されたドメインです。
メールソフトで見える「差出人名」だけを見ているわけではありません。
どんな場面で使う?
使う場面
SPFは、主に次のような場面で使われます。
- 自社ドメインを悪用したなりすましメールを減らしたい
- 受信側で、送信元メールサーバが正規のものか確認したい
- 迷惑メール対策やフィッシング対策の一部として使いたい
- メール認証の仕組みとして、DKIMやDMARCと組み合わせたい
SG試験では、メールのなりすまし対策として出てきたら、SPFを候補にします。
SPFだけでは足りない場面
一方で、SPFだけでメールの安全性をすべて保証できるわけではありません。
- メール本文の改ざん検知はできない
- 添付ファイルの安全性は判断できない
- 表示上の差出人名が正しいかまでは保証しない
- メール転送では、途中の転送サーバのIPアドレスになり、SPFが失敗することがある
SPFの役割は、あくまで送信元メールサーバの確認です。
「本文が安全か」「添付ファイルが安全か」「リンク先が安全か」を確認する仕組みではありません。
よくある誤解・混同
❌ SPFはデジタル署名で確認する?
→ SPFではありません。
SPFでは、デジタル署名を使いません。
SPFが見るのは、送信してきたメールサーバのIPアドレスです。
選択肢に、
電子メールに付与されているデジタル署名を使って確認する
とあれば、SPFではなくDKIMの説明です。
❌ DKIMとの混同
DKIM(DomainKeys Identified Mail)は、メールに電子署名を付けて、送信ドメインや改ざんの有無を確認する仕組みです。
SPFとの違いは、次のように整理できます。
| 用語 | 見るもの | 判断すること |
|---|---|---|
| SPF | 送信元IPアドレス | 正規のメールサーバから送られたか |
| DKIM | 電子署名 | メールが改ざんされていないか、正当なドメインか |
| DMARC | SPFやDKIMの結果 | 認証失敗時にどう扱うか |
SG試験では、IPアドレスならSPF、電子署名ならDKIMと切り分けると判断しやすいです。
❌ メールをすべて保存する仕組み?
→ SPFではありません。
メールの宛先ドメインや送信者のメールアドレスを問わず、すべてのメールを保存する仕組みは、メールアーカイブシステムです。
SPFは、メールを保存する仕組みではありません。
メールを受信したときに、送信元メールサーバが正規かどうかを確認する仕組みです。
❌ 上司の承認が得られるまでメール送信を保留する?
→ SPFではありません。
上長承認機能や第三者承認機能は、メールの誤送信を防ぐための仕組みです。
たとえば、重要なメールを送信する前に上司が確認し、問題がなければ送信する、という使い方です。
SPFは、人の承認を行う仕組みではありません。
DNS情報とIPアドレスを照合して、送信元の正当性を確認する仕組みです。
❌ HTTP通信の中間者攻撃を検知する?
→ SPFではありません。
SPFはメール送信に関する仕組みです。
HTTP通信の途中で盗聴・改ざんする攻撃を検知する仕組みではありません。
選択肢に「HTTP通信」「経路上」「中間者攻撃」と出てきたら、SPFからは外します。
❌ LANへのPCの不正接続を検知する?
→ SPFではありません。
LANに不正なPCが接続されたかを検知する話は、ネットワーク管理や認証、検疫ネットワークなどの文脈です。
SPFは、PCの接続管理ではなく、メールサーバの送信元確認です。
❌ 内部ネットワークへの不正侵入を検知する?
→ SPFではありません。
内部ネットワークへの侵入を検知するなら、IDS、IPS、ログ監視などの話になります。
SPFは侵入検知システムではありません。
試験での切り分けポイント
SPFの選択肢を選ぶときは、次のキーワードに注目します。
SPFを選ぶキーワード
- 送信元ドメイン
- DNS
- SPFレコード
- TXTレコード
- SMTP
- MAIL FROM
- 送信元IPアドレス
- メールサーバの正当性
- ドメインの詐称確認
このあたりが出てきたら、SPFの可能性が高いです。
SPFではないキーワード
| キーワード | 疑う用語 |
|---|---|
| デジタル署名 | DKIM |
| 改ざん検知 | DKIM |
| 認証失敗時の処理方針 | DMARC |
| すべてのメールを保存 | メールアーカイブ |
| 上司の承認 | 上長承認・第三者承認 |
| HTTP通信 | HTTPS、TLS、中間者攻撃対策 |
| 不正侵入の検知 | IDS、IPS |
| LAN接続の管理 | NAC、認証、検疫ネットワーク |
SPFは、メールを送ってきたサーバのIPアドレスを見る仕組みです。
ここから外れる選択肢は、基本的にSPFではありません。
まとめ(試験直前用)
- SPFは、送信元IPアドレスでメールサーバの正当性を確認する仕組み
- 送信側ドメインのDNSに、SPFレコードを登録しておく
- 確認するのは、主に受信側メールサーバ
- 「送信元ドメイン」「DNS」「SMTP」「IPアドレス照合」が出たらSPF
- 「デジタル署名」はDKIM、「メール保存」はメールアーカイブ、「上司の承認」は誤送信対策
SG試験では、SPFをメール本文の安全性を確認する仕組みと考えないことが大切です。
あくまで、正規のメールサーバから送られたかを確認する仕組みとして整理しておきましょう。
参考リンク
SPFやメール認証の仕組みをもう少し確認したい場合は、次の公式・公的な資料が参考になります。
-
RFC 7208 - Sender Policy Framework (SPF)
SPFの仕様を定義しているIETFのRFCです。試験対策では細かい構文まで覚える必要はありませんが、SPFが「送信を許可されたホストをDNSで公開し、受信側が確認する仕組み」であることを確認できます。 -
RFC 6376 - DomainKeys Identified Mail (DKIM) Signatures
DKIMの仕様を定義しているIETFのRFCです。SPFとの違いを確認したいときに役立ちます。SPFはIPアドレス、DKIMは電子署名で切り分けます。 -
RFC 7489 - DMARC
DMARCの仕様を定義しているIETFのRFCです。DMARCは、SPFやDKIMの認証結果を使って、受信側での扱い方を決める仕組みです。 -
IPA:情報セキュリティ安心相談窓口の相談状況[2024年第4四半期]
なりすましメールへの対策として、SPF、DKIM、DMARCの設定に触れられています。実務上の対策イメージを確認するのに向いています。 -
フィッシング対策協議会:なりすまし送信メール対策について
SPF、DKIM、DMARCの違いが整理されています。特に「SPFは正規のサーバー(IPアドレス)から送信されたかを検証する」という点の確認に役立ちます。