Skip to the content.

最終更新日:2026年7月29日

まず結論

  • SLA(Service Level Agreement)とは、サービス提供者と利用者の間で、サービス内容や品質水準を合意して文書化したものです。
  • SG試験では、委託先との約束をあいまいにせず、サービス品質を管理するための基準として問われることがあります。
  • 選択肢では、「サービス提供者と利用者」「品質水準」「合意」「稼働率」「応答時間」などが出てきたら、SLAを疑います。
  • 顧客との品質の約束はSLA、提供組織内の約束はOLAと切り分けます。

直感的な説明

SLAは、外部サービスを利用するときの「どのレベルでサービスを提供するか」という約束です。

たとえば、システム運用を外部ベンダに委託する場合、ただ「ちゃんと運用してください」だけでは不十分です。

人によって「ちゃんと」の意味が違うからです。

そこで、次のような内容を具体的に決めておきます。

  • サービスを利用できる時間
  • 障害時の受付時間
  • 障害発生時の初動対応時間
  • システムの稼働率
  • 問い合わせへの回答時間
  • バックアップの頻度
  • 報告の方法やタイミング

このように、サービス品質を具体的に合意しておくことで、利用者側と提供者側の認識違いを減らせます。

SG試験では、SLAを「契約そのもの」とだけ覚えるよりも、サービス品質を測るための約束と理解すると判断しやすくなります。

定義・仕組み

SLAは、日本語ではサービスレベル合意書と呼ばれます。

かみ砕くと、次のような文書です。

サービス提供者と利用者が、サービスの内容・品質・対応範囲を合意した文書

SLAで決める内容の例は、次のとおりです。

項目 内容の例
サービス内容 何を提供するか
サービス時間 平日9時〜18時、24時間365日など
稼働率 月間99.9%以上など
応答時間 問い合わせから1時間以内に一次回答など
復旧目標 障害発生から何時間以内に復旧を目指すか
報告方法 月次報告、障害報告書など
役割分担 利用者側と提供者側の責任範囲

IPAのITサービスマネージャ試験シラバスでも、サービスレベル管理の知識として、サービスレベル合意書(SLA)やサービスレベル目標が示されています。参考:IPA ITサービスマネージャ試験 シラバス

SLAで大切なのは、あいまいな期待を、確認できる基準にすることです。

たとえば、「すぐ対応する」ではなく、「障害連絡から30分以内に一次回答する」と決めると、守れているかどうかを確認しやすくなります。

ただし、SLAを作れば終わりではありません。

合意した内容が守られているかを測定し、必要に応じて改善することも重要です。

どんな場面で使う?

SLAは、ITサービスや外部委託の品質を明確にしたい場面で使います。

たとえば、次のような場面です。

  • システム運用を外部ベンダに委託する
  • クラウドサービスを利用する
  • ヘルプデスク業務を外部委託する
  • データセンターを利用する
  • 保守サービスを契約する
  • ネットワークサービスを利用する

これらの場面では、サービスが止まったり、対応が遅れたりすると、業務に影響が出ます。

そのため、事前にサービス品質を合意しておくことが重要です。

SG試験では、次のような判断が大切です。

  • サービス品質を文書で合意するのがSLA
  • 合意した品質を測定・改善する活動はSLM
  • 外部委託では、SLAだけでなく委託先管理も必要
  • 品質水準は、業務の重要度に応じて決める
  • すべてを高い水準にすると、コストが上がることもある

選択肢では、「サービス提供者と利用者が合意した品質水準」という表現があれば、SLAを選びやすくなります。

一方で、「品質を継続的に管理・改善する活動」と書かれている場合は、SLAではなくSLMを考えます。

よくある誤解・混同

SLAは、SLMや委託先管理だけでなく、OLA、サービスカタログ、業務要件とも混同しやすいです。

用語 誰と誰の間か 何を表すか 判断ポイント
SLA サービス提供者と顧客 サービス内容・品質水準の合意 顧客との約束
OLA サービス提供組織内の部門同士 SLA達成を支える内部目標・役割 内部の約束
サービスカタログ サービス提供者から利用者へ提示 提供サービスの一覧、特徴、料金、申請方法など サービスの案内
業務要件 利用者・事業部門から提示 業務で必要な機能や条件 利用者側の要求
SLM サービス提供組織が実施 サービス品質を管理・改善する活動 測定・監視・改善
委託先管理 委託元が委託先を管理 外部委託に伴うリスク管理 契約・監督・確認
契約書 取引当事者間 取引条件全体を定める文書 金額・期間・責任範囲なども含む

SLAとOLAの違い

SLAは、サービス提供者と顧客との間の合意です。

OLAは、SLAを実現するために、サービス提供組織の内部部門同士で交わす合意です。

たとえば、顧客とのSLAで「重大障害には30分以内に一次回答する」と決めた場合、サービスデスクとインフラ担当の間で「連絡後10分以内に調査を開始する」と決めることがあります。この内部の約束がOLAです。

つまり、顧客との品質の約束がSLA、社内で支える約束がOLAです。

SLAとサービスカタログの違い

サービスカタログは、提供しているサービスを一覧にして、特徴、料金、申請方法などを示すものです。

SLAは、そのサービスをどの品質水準で提供するかを顧客と合意するものです。

  • どのようなサービスがあるかを示す → サービスカタログ
  • どの品質で提供するかを合意する → SLA

SLAと業務要件の違い

業務要件は、利用者や事業部門が「業務上、何を必要としているか」を示したものです。

SLAは、その要求を踏まえて、サービス提供者と顧客がサービス内容や品質水準を合意したものです。

  • 利用者が必要な機能・条件を示す → 業務要件
  • 提供するサービスの品質水準を合意する → SLA

SLAとSLMの違い

SLAは、サービス品質について合意した文書です。

SLMは、SLAで合意した品質を守れているかを管理し、改善する活動です。

つまり、SLAは「約束」、SLMは「約束を守るための管理」と考えると分かりやすいです。

SLAと委託先管理の違い

SLAは、委託先やサービス提供者との間で、サービス品質を決める文書です。

委託先管理は、委託先のセキュリティ対策、再委託、事故時の報告、契約終了時のデータ削除なども含めて管理する考え方です。

SLAは委託先管理の一部として使われることがありますが、委託先管理そのものではありません。

SLAと契約書の違い

契約書は、金額、契約期間、責任範囲、支払条件など、取引全体の条件を定めます。

SLAは、その中でも特にサービスの品質水準に注目した合意です。

SG試験では、顧客との合意か、内部の合意か、サービスの一覧か、利用者側の要求かで切り分けると、選択肢を切りやすくなります。

まとめ(試験直前用)

  • SLAは、サービス提供者と利用者がサービス品質を合意した文書
  • 「稼働率」「応答時間」「サービス提供時間」「復旧目標」が出たらSLAを疑う。
  • 顧客との品質の約束はSLA、内部部門同士の約束はOLA。
  • サービスの一覧・特徴・料金はサービスカタログ。
  • 利用者が必要な機能や条件を示すのは業務要件。
  • SLAは「約束」、SLMは「約束を守るための管理・改善」。
  • SG試験では、誰と誰が、何を合意しているかで切り分ける。

確認問題

SLAの説明として、最も適切なものはどれか。

ア. サービス提供者と利用者の間で、サービス内容や品質水準を合意した文書
イ. 提供している全サービスの特徴、料金、申請方法を一覧にした文書
ウ. サービス提供組織の内部部門間で、役割や目標を合意した文書
エ. 利用者がITサービスに求める機能や条件を示したもの

回答と解説を表示 正解は **ア** です。 SLAは、サービス提供者と利用者の間で、サービス内容や品質水準を合意した文書です。稼働率、応答時間、サービス提供時間、復旧目標などを定めることがあります。 イはサービスカタログ、ウはOLA、エは業務要件の説明です。 SG試験では、**顧客との合意はSLA、内部部門間の合意はOLA**と切り分けることが重要です。

© 2024-2026 stemtazoo. All rights reserved.