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最終更新日:2026年6月16日

まず結論

RASISは、システムの品質を 信頼性・可用性・保守性・完全性・安全性 の5つに分けて考えるための整理方法です。

SG試験では、RASISそのものの暗記よりも、選択肢に書かれた内容が「止まりにくさ」「使える状態」「直しやすさ」「データの正しさ」「不正や危険への強さ」のどれを指しているかを判断できるかが問われます。

特に、信頼性と可用性完全性と安全性保守性と可用性 は混同しやすいポイントです。

直感的な説明

RASISは、システムを「ちゃんと使い続けられるか」という視点で見るためのものです。

例えば、社内の勤怠システムを考えると、次のように分けられます。

観点 直感的な意味 勤怠システムの例
信頼性 そもそも故障しにくい 毎日安定して動く
可用性 必要なときに使える 出勤時刻にログインできる
保守性 壊れても直しやすい 障害原因を調べやすく、復旧手順がある
完全性 データが正しい 勤務時間が改ざん・欠落・重複していない
安全性 危険や不正から守られている 権限のない人が勤務記録を見たり変更したりできない

ポイントは、どれも「良いシステム」の条件ですが、見ている角度が違うことです。

SG試験では「障害が少ない」「障害時も使える」「復旧しやすい」「データが正しい」「不正利用を防ぐ」といった表現が、どの文字に対応するかを切り分ける問題として出やすいです。

定義・仕組み

RASISは、次の5つの英単語の頭文字を並べたものです。

文字 英語 日本語 判断のキーワード
R Reliability 信頼性 故障しにくい、安定して動く
A Availability 可用性 必要なときに使える、停止時間が短い
S Serviceability 保守性 修理・復旧・保守がしやすい
I Integrity 完全性 データが正確で、欠落や改ざんがない
S Security 安全性 不正アクセスや悪用から守る

IPAは、情報セキュリティマネジメント試験の出題内容として、機密性・完全性・可用性、ネットワーク、システム構成要素などの関連知識を示しています。RASISはその中でも、システム構成要素や非機能要件の品質を考えるときに役立つ整理です。公式の出題範囲は IPA「情報セキュリティマネジメント試験 出題内容」 で確認できます。

また、システム開発では「何の機能を作るか」だけでなく、「どのくらい止まらないか」「障害時にどれくらい早く復旧するか」などの非機能要求も重要です。IPAの 非機能要求グレード は、ユーザー側と開発側で非機能要求の認識違いを防ぐための資料として公開されています。

SG試験では、細かい指標名の暗記よりも、次の判断基準を押さえることが大切です。

  • 故障そのものを減らす話なら、信頼性
  • 停止しても使える状態を保つ話なら、可用性
  • 障害後に直しやすくする話なら、保守性
  • データの正しさを守る話なら、完全性
  • 不正利用や攻撃から守る話なら、安全性

どんな場面で使う?

RASISは、システムの設計・運用・委託先管理で、品質要求を整理するときに使います。

例えば、新しい販売管理システムを導入するとき、単に「販売登録ができること」だけを決めても不十分です。

業務で本当に必要なのは、次のような条件です。

  • 月末処理中に止まりにくいこと
  • 店舗の営業時間中に使えること
  • 障害が起きたときに復旧手順が明確であること
  • 売上データが欠落・重複・改ざんされないこと
  • 権限のない人が売上情報を閲覧・変更できないこと

このように、RASISは「機能があるか」ではなく、業務で安心して使い続けられる品質かを確認するために使います。

選択肢では「バックアップを取る」「冗長化する」「アクセス権限を設定する」「ログを確認する」など、対策の名前だけで判断させようとする場合があります。

ただし、SG試験では対策名だけで決めるのではなく、その対策で何を守ろうとしているかを見ることが大切です。

例えば、バックアップはデータ消失に備えるので完全性や可用性に関係しますが、「不正アクセスを直接防ぐ対策」として書かれていたら注意です。アクセス権限の設定は安全性に関係しますが、「故障しにくくする対策」として書かれていたらズレています。

よくある誤解・混同

RASISで特に迷いやすいのは、次の切り分けです。

混同しやすい項目 切り分け方
信頼性と可用性 信頼性は「故障しにくい」、可用性は「必要なときに使える」
可用性と保守性 可用性は「使える状態を保つ」、保守性は「直しやすい」
完全性と安全性 完全性は「データが正しい」、安全性は「不正や危険から守る」
RASISの完全性とCIAの完全性 どちらもデータや処理の正しさを見るが、RASISではシステム品質の一部として扱う
RASISの可用性とCIAの可用性 どちらも必要なときに使えることを見るが、RASISではシステム品質全体の中で扱う

SG試験では「稼働率を高めるために、障害発生後の復旧手順を整備する」のように、複数の観点が混ざった選択肢が出ることがあります。

この場合、復旧手順そのものは保守性に関係しますが、結果として停止時間を短くできるため可用性にもつながります。

ただし、選択肢を切るときは、まず 直接の目的 を見ます。

  • 「障害を起こしにくくする」なら信頼性
  • 「停止時間を短くする」なら可用性
  • 「復旧作業をしやすくする」なら保守性
  • 「データの欠落・改ざんを防ぐ」なら完全性
  • 「不正アクセスを防ぐ」なら安全性

実務では1つの対策が複数の品質に関係することがあります。例えば、冗長化は可用性を高めますが、障害時の切替設計や監視のしやすさまで含めると保守性にも関係します。

一方、試験では「最も直接的に当てはまるもの」を選ばせることが多いです。実務では複数に効く、試験では主目的で切る、というズレを意識すると選択肢を選びやすくなります。

まとめ(試験直前用)

RASISは、システム品質を5つの観点で整理する考え方です。

信頼性は故障しにくさ、可用性は使える状態、保守性は直しやすさ と切り分けます。

完全性はデータの正しさ、安全性は不正や危険から守ること と覚えると判断しやすくなります。

選択肢では、対策名ではなく「何を守るための対策か」を見ます。

実務では複数の品質に関係しても、SG試験では最も直接的な目的で切るのがコツです。

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