最終更新日:2026年6月17日
sg sg-management service_management it_security_operations
まず結論
OLAとは、SLAを達成するために、サービス提供者側の内部部門同士で役割や対応時間を取り決める合意です。
SG試験では、SLAは「利用者との合意」、OLAは「提供側内部の合意」、UCは「外部供給者との契約」と切り分けます。
一番の判断基準は、誰と誰の合意かです。
| 用語 | 誰と誰の合意か | 覚え方 |
|---|---|---|
| SLA | サービス提供者と利用者 | 利用者への約束 |
| OLA | サービス提供者側の内部部門同士 | 約束を守るための内部ルール |
| UC | サービス提供者と外部供給者 | 外部支援の契約 |
選択肢では、「利用者との合意」と書かれているのか、「提供側内部の合意」と書かれているのかを確認すると切り分けやすくなります。
直感的な説明
OLAは、社内のチーム間で行う「裏側の約束」と考えると分かりやすいです。
たとえば、利用者に対して、
問い合わせには2時間以内に一次回答する
というSLAを結んでいたとします。
しかし、サービス提供者側の中では、複数の部門が関わります。
- サービスデスク
- 情報システム部
- ネットワーク担当
- サーバ担当
- アプリ担当
利用者との約束を守るには、これらの内部部門がバラバラに動いていてはいけません。
そこで、たとえば次のような内部ルールを決めます。
- サービスデスクは、問い合わせをすぐ記録する
- ネットワーク担当は、連絡後30分以内に確認する
- サーバ担当は、障害の影響範囲を報告する
- アプリ担当は、原因調査の結果を共有する
このように、利用者との約束を守るために、提供側内部で役割や対応レベルを決める合意がOLAです。
定義・仕組み
OLAは、Operational Level Agreement の略で、日本語では運用レベル合意書と呼ばれます。
サービス提供者が利用者に対して約束したSLAを実現するために、提供者内部の部門間で、運用上の役割や対応内容を合意します。
SG試験では、次の対応関係で整理すると覚えやすいです。
| 用語 | 合意・文書化する相手 | 目的 |
|---|---|---|
| SLA | サービス提供者と利用者 | 利用者に提供するサービス品質を決める |
| OLA | サービス提供者側の内部部門同士 | SLAを守るための内部対応を決める |
| UC | サービス提供者と外部供給者 | 外部から受ける支援やサービスの条件を決める |
| サービス説明書 | サービス提供者から利用者・顧客へ提示 | 提供するサービスの種類や内容を説明する |
SLAでは、利用者から見えるサービス品質を決めます。
たとえば、次のような内容です。
- 稼働率
- 対応時間
- 復旧時間
- 問い合わせ対応時間
- サービス提供時間
一方、OLAでは、そのSLAを実現するために、提供側の内部で何をするかを決めます。
たとえば、次のような内容です。
- どの部門が一次対応するか
- どの部門へエスカレーションするか
- 各部門が何分以内に対応するか
- 障害情報をどのように共有するか
- 復旧作業の役割分担をどうするか
IPAの情報セキュリティマネジメント試験では、業務現場での情報セキュリティ管理やIT運用の判断が問われます。出題範囲の全体像は、IPAの情報セキュリティマネジメント試験 出題内容で確認できます。
OLAは、利用者に直接見せるための約束というより、SLAを裏側で支えるための内部合意として理解するとよいです。
どんな場面で使う?
OLAは、複数の部門が協力してITサービスを提供する場面で使います。
たとえば、社内システムに障害が発生した場合を考えます。
利用者から見ると、「システムが早く復旧するか」が重要です。
しかし、提供側の内部では、次のような連携が必要になります。
- サービスデスクが問い合わせを受け付ける
- 情報システム部が影響範囲を確認する
- ネットワーク担当が通信状況を確認する
- サーバ担当がログや負荷状況を確認する
- アプリ担当がプログラムや設定を確認する
このとき、部門ごとの対応が決まっていないと、対応が遅れたり、責任の所在があいまいになったりします。
OLAを決めておくことで、SLAで約束したサービス品質を守りやすくなります。
SG試験では、OLAが出てきたら、利用者との契約ではなく、提供側内部の運用合意と考えるのがポイントです。
SG試験での判断手順
SG試験で迷ったら、文書名より先に「合意する相手」を見ます。
- 利用者・顧客が相手 → SLA
- 社内の支援部門・運用部門が相手 → OLA
- 外部ベンダ・外部供給者が相手 → UC
- サービス内容を説明している → サービス説明書
この切り分けを先に行うと、選択肢をかなり消しやすくなります。
よくある誤解・混同
OLAで最も混同しやすいのは、SLAです。
SLAとの違い
SLAとOLAは、どちらもサービスレベルに関係する合意ですが、合意する相手が違います。
| 観点 | SLA | OLA |
|---|---|---|
| 日本語 | サービスレベル合意書 | 運用レベル合意書 |
| 合意する相手 | サービス提供者と利用者 | サービス提供者側の内部部門同士 |
| 利用者から見えるか | 見える | 基本的には内部向け |
| 主な目的 | 利用者に提供する品質を約束する | SLAを守るための内部対応を決める |
選択肢で「利用者との間でサービス品質を合意する」とあれば、SLAです。
選択肢で「サービス提供者内部の部署間で対応内容を合意する」とあれば、OLAです。
OLAをSLAの別名だと思わない
OLAは、SLAの別名ではありません。
SLAを守るために、内部で必要な対応を決めるものです。
つまり、関係としては次のように考えると分かりやすいです。
- SLA:利用者への約束
- OLA:その約束を守るための内部ルール
UCとも区別する
OLAは、基本的にサービス提供者内部の部門間の合意です。
外部供給者や外部委託先と、支援内容、納期、責任範囲などを決める契約は、UC(Underpinning Contract:基盤契約)の論点です。
SG試験では、「提供側内部の合意」なのか、「外部供給者との契約」なのかを読むことが大切です。
サービス説明書とも区別する
サービス説明書は、利用者や顧客に対して、提供するサービスの種類、内容、構成などを説明するための文書です。
OLAは、顧客にサービス内容を見せるための文書ではなく、SLAを守るために提供側内部の役割分担や対応レベルを決める合意です。
よくある質問
OLAは誰と誰の合意ですか?
OLAは、サービス提供者側の内部部門同士の合意です。
利用者との合意ではありません。
OLAとSLAの違いは何ですか?
SLAは、利用者に約束するサービス品質を決める合意です。
OLAは、そのSLAを守るために、提供側内部の部門間で役割や対応時間を決める合意です。
OLAとUCの違いは何ですか?
OLAは、提供者内部の部門同士の合意です。
UCは、外部ベンダや外部供給者との契約です。
OLAは利用者に見せる文書ですか?
基本的には、利用者向けではなく提供側内部の運用合意です。
利用者に見えるサービス品質の約束はSLAで整理します。
確認問題(SG試験対策)
OLAの役割として最も適切なものはどれか。
- ア. 外部ベンダとの間で、支援条件や責任分担を契約として定める。
- イ. 利用者に対して、サービス品質の水準を正式に約束する。
- ウ. 提供者側の社内支援チーム間で、SLA達成に必要な対応分担を取り決める。
- エ. 顧客向けに、利用できるサービスの種類や概要を案内する。
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正解:ウ
解説
- ア:UCの説明です。外部供給者との契約は、提供側内部の合意であるOLAとは異なります。
- イ:SLAの説明です。利用者とのサービス品質合意はOLAではありません。
- ウ:適切です。OLAは、SLAを守るために提供側内部で役割や対応内容を決める運用上の合意です。
- エ:サービス説明書やサービスカタログの説明に近いです。顧客向けの案内文書はOLAではありません。
判断ポイントは、合意する相手です。
OLAは「サービス提供者側の内部部門同士」、SLAは「利用者」、UCは「外部供給者」で切り分けます。
まとめ(試験直前用)
OLAは、SLAを守るためにサービス提供側の内部部門同士で結ぶ運用上の合意です。
試験直前は、次の判断基準を思い出してください。
- 利用者との合意なら、SLA
- 提供側内部の合意なら、OLA
- 外部供給者との契約なら、UC
- サービス内容を顧客に示す文書なら、サービス説明書
- SLAは利用者に見えるサービス品質の約束
- OLAはSLAを守るための内部の役割分担
- 「誰と誰の合意か」を見れば切り分けやすい
SG試験では、SLAとOLAを言葉の雰囲気で選ぶのではなく、合意する相手で判断しましょう。