最終更新日:2026年7月18日
sg sg-security-measures access_control asset_management data_leakage
まず結論
HDDパスワードとは、PCの内蔵ストレージ自体へのアクセスにパスワードを要求する対策です。
SG試験では、「どの層を守る対策か」で切り分けます。
| 対策 | 主に守るもの | ストレージ抜き取りへの判断 |
|---|---|---|
| OSログインパスワード | OSへのログイン | OSを迂回される可能性がある |
| ファイル権限 | OS上のファイルアクセス | OS上の制御なので主対策ではない |
| BIOSパスワード | PC本体の起動・設定変更 | HDD単体の保護とは別 |
| HDDパスワード | ストレージ自体へのアクセス | 抜き取られたストレージにも効きやすい |
| フルディスク暗号化 | 保存データの内容 | 読み取られても判読しにくくする |
問題文に「HDDやSSDを抜き取り、別のPCへ接続する」とあれば、OSではなくストレージ自体に効く対策かを確認します。
直感的な説明
OSログインパスワードは、建物の正面玄関にある受付のようなものです。
正面から入る人には有効ですが、金庫だけを建物から持ち出された場合、受付だけでは守れません。
内蔵ストレージを抜き取る攻撃は、この「金庫だけを持ち出す」イメージです。
- OSログインパスワード:建物の入口を守る
- BIOSパスワード:建物を起動・設定変更させない
- HDDパスワード:金庫そのものを開けにくくする
- フルディスク暗号化:金庫の中身を読めなくする
HDDパスワードと暗号化は似ていますが、役割は同じではありません。
定義・仕組み
HDDパスワードは、HDDやSSDなどの内蔵ストレージへアクセスする前にパスワード入力を求める仕組みとして出題されます。
SG試験では、細かい実装方式より、どこでアクセスを止めるかを押さえることが重要です。
| 用語 | 効く場所 | 覚え方 |
|---|---|---|
| OSログインパスワード | OSへのログイン時 | OSを使う人を確認する |
| ファイル権限 | OS上でファイルを開く時 | OSが許可・拒否する |
| BIOSパスワード | PC起動時・設定変更時 | PC本体を守る |
| HDDパスワード | ストレージへアクセスする時 | ストレージ自体を守る |
| フルディスク暗号化 | 保存データを読み取る時 | データ内容を守る |
| セキュアブート | 起動プログラムを読み込む時 | 不正な起動プログラムを防ぐ |
フルディスク暗号化との違い
HDDパスワードは、ストレージへアクセスする段階でパスワードを要求します。
フルディスク暗号化は、ストレージ内のデータを暗号化し、媒体を直接読み取られても内容を判読しにくくします。
実務では、HDDパスワードだけに頼らず、フルディスク暗号化と組み合わせることがあります。
TPMとの関係
TPMは、暗号鍵などを安全に扱うためのセキュリティ機能です。
BitLockerなどのフルディスク暗号化では、TPMを使って起動時の状態を確認し、条件を満たしたときに鍵を利用できるようにする構成があります。
HDDパスワードとTPMは同じものではありません。
- HDDパスワード:ストレージへのアクセス制御
- TPM:暗号鍵や端末状態の保護
どんな場面で使う?
HDDパスワードは、PCの紛失・盗難や、内蔵ストレージの抜き取りによる情報漏えいを考える場面で重要です。
たとえば、次のような問題文では候補になります。
- 内蔵ストレージが暗号化されていない
- 攻撃者がストレージを抜き取る
- 別のPCへ接続してデータを読もうとする
この場面では、OSログインパスワードやファイル権限は、元のOS上では有効でも、ストレージ単体への主対策にはなりにくいです。
一方、実務では次も合わせて管理します。
- フルディスク暗号化
- MDMによる端末管理
- 回復キーの保管
- 紛失時の連絡・停止手順
- 貸与物と記録媒体の台帳管理
- 廃棄・返却時のデータ消去
よくある誤解・混同
OSログインパスワードがあれば、HDDを抜き取られても安全
誤りです。
OSログインパスワードは、元のPCでOSへログインするときの対策です。ストレージを抜き取って別のPCへ接続された場合、OS上の制御を回避される可能性があります。
BIOSパスワードならHDD単体も守れる
誤りです。
BIOSパスワードは、PC本体の起動やBIOS設定の変更を守る対策です。抜き取られたストレージ単体へのアクセス制御とは切り分けます。
HDDパスワードとフルディスク暗号化は同じ
同じではありません。
- HDDパスワード:アクセスさせる前に止める
- フルディスク暗号化:読み取られても内容を守る
SG試験では、問題文が「パスワード要求」なのか「データを暗号化」なのかを見ます。
HDDパスワードを設定すれば、廃棄時の消去は不要
誤りです。
廃棄・返却時は、HDDパスワードの有無だけでなく、組織のルールに従ってデータ消去や物理破壊などを行います。
回復キーは利用者PC内だけに保存すればよい
適切ではありません。
フルディスク暗号化の回復キーを暗号化対象のPC内だけに保存すると、故障や紛失時に回復できないおそれがあります。
組織で安全に保管し、利用権限と利用記録を管理します。
SG試験での判断軸
- 「OSへのログインを止める」→ OSログインパスワード
- 「PC本体の起動や設定変更を止める」→ BIOSパスワード
- 「ストレージ自体へのアクセスを止める」→ HDDパスワード
- 「保存データを読めなくする」→ フルディスク暗号化
- 「廃棄時にデータを残さない」→ 消去・破壊などの廃棄管理
まとめ(試験直前用)
- HDDパスワードは、内蔵ストレージ自体へのアクセスを制限する
- OSログインやファイル権限は、主にOS上で効く
- BIOSパスワードは、PC本体の起動・設定変更を守る
- フルディスク暗号化は、保存データの内容を守る
- TPMは暗号鍵や端末状態の保護に関係する
- 抜き取り問題では、どの層に効く対策かで切る
- 廃棄時は、パスワードではなく消去・破壊を含む管理が必要