最終更新日:2026年9月4日
gk machine_learning probability comparison
まず結論
ポアソン回帰と負の二項回帰(Negative Binomial Regression)は、どちらも件数・回数のようなカウントデータを扱う回帰モデルです。
G検定では、まず次の切り分けを押さえます。
- 平均と分散が同程度 → ポアソン回帰を考える
- 分散が平均よりかなり大きい(過分散) → 負の二項回帰を検討する
つまり、違いを見るポイントは「カウントかどうか」だけでなく、データのばらつき方です。
直感的な説明
たとえば、同じ条件で機械の故障件数を観測したとします。
多くの設備で故障件数が平均の近くに集まっているなら、ポアソン回帰で扱いやすい場合があります。
一方で、
- ほとんど故障しない設備
- 非常に多く故障する設備
が混ざり、件数のばらつきが大きい場合、ポアソン回帰ではばらつきを十分に表せないことがあります。
このような過分散を扱いやすくした代表的な選択肢が、負の二項回帰です。
定義・仕組み
ポアソン回帰
ポアソン回帰は、目的変数をポアソン分布で表す一般化線形モデルです。
基本的なポアソン分布では、
平均 = 分散
という性質があります。
実データで平均と分散が大きく離れていないときは、ポアソン回帰を考えやすくなります。
負の二項回帰
負の二項回帰もカウントデータを扱いますが、ポアソン回帰よりも分散が大きくなることを許すモデルです。
statsmodelsのNegative Binomial(NB2)の定義では、平均を μ、分散を μ + αμ² として表します。
つまり、α が正なら平均より分散が大きくなり、過分散を表現できることが分かります。
重要なのは「過分散」
負の二項回帰は、単に「ポアソン回帰より高度なモデル」という意味ではありません。
ポアソン回帰の仮定に対して、実際のカウントデータのばらつきが大きすぎるときに検討するという関係です。
Penn Stateの統計教材でも、ポアソン回帰で過分散が問題になる場合の代替として、負の二項回帰が紹介されています。
いつ使う?(得意・不得意)
ポアソン回帰を考えやすい場面
- 一定期間の問い合わせ件数
- 一定距離あたりの故障件数
- 一定地域の事故件数
- カウントデータで、平均と分散が大きく離れていない
負の二項回帰を考えやすい場面
- カウントデータのばらつきが非常に大きい
- ポアソン回帰で過分散が見られる
- 個体差など、観測できない違いによって発生率がばらついていると考えられる
注意点
カウントデータだから必ず負の二項回帰というわけではありません。
まずポアソン回帰の前提を確認し、過分散が問題になる場合に負の二項回帰などを検討します。
また、0が極端に多いデータでは、ゼロ過剰モデルなど別の考え方が必要になる場合もあります。
G検定ひっかけポイント
カウントデータならどちら?
❌ カウントデータなら必ずポアソン回帰
⭕ ばらつきも確認する
過分散がある場合
❌ 分散が平均より大きくてもポアソン分布の仮定に問題はない
⭕ 強い過分散では負の二項回帰などを検討する
負の二項回帰の役割
❌ 0/1の確率を予測するモデル
⭕ 過分散のあるカウントデータを扱う代表的な回帰モデル
「負」という名前
❌ 目的変数が負の値を取る回帰
⭕ 目的変数は件数・回数なので0以上
まとめ(試験直前用)
- 両方ともカウントデータの回帰
- Poisson:平均 = 分散が基本
- Negative Binomial:過分散を扱いやすい
- 「カウントならPoisson」で終わらず、分散を見る
- 0/1ならロジスティック回帰を疑う
参考資料(公式・大学教材)
- statsmodels: NegativeBinomial family
- Penn State STAT 504, Poisson Regression
- ポアソン回帰とは?カウントデータを扱う回帰