最終更新日:2026年8月30日
gk probability machine_learning cheatsheet
まず結論
G検定の数理・統計は、複雑な計算よりも、用語が何を表しているかを切り分けることが重要です。
まず、問題文を次の5つに分類します。
| 確認したいこと | 主な用語 |
|---|---|
| データの中心はどこか | 平均・中央値・最頻値 |
| どれくらいばらつくか | 分散・標準偏差 |
| 変数同士に関係があるか | 共分散・相関・偏相関・相互情報量 |
| どのような確率で起こるか | 期待値・確率分布 |
| データ同士がどれくらい近いか | 距離・類似度 |
迷ったら、中心・ばらつき・関係・確率・近さのどれを問う問題かを最初に見ます。
直感的な説明
統計は、多くのデータを短い言葉や数値で説明するための道具です。
たとえば、製品の寸法データを確認するときは、次のように考えます。
- 寸法はどの値を中心に集まっているか
- 寸法のばらつきは大きいか
- 温度など、ほかの変数と関係があるか
- 規格外がどのくらいの確率で発生するか
AIや機械学習でも、学習前のデータ確認、特徴量の選択、確率モデル、データ間の類似度などに同じ考え方を使います。
定義・仕組み
代表値とばらつき
代表値はデータの中心を、分散や標準偏差はデータの広がりを表します。
| 用語 | 意味 | G検定の判断キーワード |
|---|---|---|
| 平均 | 合計をデータ数で割った値 | 全体の中心、外れ値の影響を受けやすい |
| 中央値 | 小さい順に並べた中央の値 | 外れ値の影響を受けにくい |
| 最頻値 | 最も多く現れる値 | 出現回数が最大 |
| 分散 | 平均からのずれを2乗して平均したもの | ばらつき、単位が2乗 |
| 標準偏差 | 分散の平方根 | 元のデータと同じ単位 |
| 外れ値 | ほかの値から大きく離れた観測値 | 入力ミスとは限らない |
| 度数分布 | 値を区間に分けて件数を整理したもの | 階級、度数、ヒストグラム |
平均はすべての値を使うため、極端な外れ値に引っ張られます。一方、中央値は並び順で決まるため、外れ値の影響を比較的受けにくい代表値です。
変数間の関係
2つ以上の変数を見るときは、関係の方向、強さ、第三の変数の影響を切り分けます。
| 用語 | 意味 | 判断ポイント |
|---|---|---|
| 共分散 | 2変数が同じ方向に動くかを見る | 正なら同方向、負なら逆方向 |
| 相関係数 | 線形関係の方向と強さを表す | -1から1、尺度の影響を受けにくい |
| 偏相関係数 | ほかの変数の影響を取り除いた相関 | 第三の変数を統制 |
| 疑似相関 | 第三の変数によって関係があるように見える状態 | 相関があっても因果とは限らない |
| 相互情報量 | 一方を知ると他方の情報がどれだけ得られるか | 非線形な依存関係も扱える |
相関係数が0でも、非線形な関係が残ることがあります。また、強い相関があっても、一方が他方の原因であるとは限りません。
相互情報量の詳しい判断基準は、相互情報量(Mutual Information)とは?で確認できます。
確率の基本
| 用語 | 意味 | 判断ポイント |
|---|---|---|
| 確率変数 | 偶然に決まる結果を数値で表したもの | サイコロの目、発生回数など |
| 確率分布 | 確率変数の値と起こりやすさの対応 | 値ごとの確率 |
| 確率密度 | 連続値の起こりやすさを表す関数 | 区間の面積が確率 |
| 条件付き確率 | ある条件が成り立つ下での確率 | Bが起きたときのA |
| 期待値 | 値を確率で重み付けした平均 | 長期的な平均のイメージ |
公平な6面サイコロの期待値は、次のように求められます。
1 × 1/6 + 2 × 1/6 + 3 × 1/6 + 4 × 1/6 + 5 × 1/6 + 6 × 1/6 = 3.5
期待値は、1回の試行で必ず出る値ではありません。サイコロで3.5の目が出なくても、試行を多数繰り返したときの平均は3.5に近づきます。
代表的な確率分布
| 分布 | 何を表すか | 問題文のキーワード |
|---|---|---|
| ベルヌーイ分布 | 1回の成功・失敗 | 1回、0か1 |
| 二項分布 | 固定回数の試行における成功回数 | n回中k回成功 |
| ポアソン分布 | 一定時間・区間での発生回数 | 1時間あたり、一定面積あたり |
| 正規分布 | 平均を中心とする左右対称の連続分布 | 釣鐘型、平均・分散 |
二項分布とポアソン分布はどちらも回数を扱いますが、試行回数が固定されているか、一定区間での発生回数かが違います。
詳しくは、ポアソン分布と二項分布の違いで確認できます。
推定と仮説検定
| 用語 | 意味 | 判断ポイント |
|---|---|---|
| 最尤法 | 観測データが最も起こりやすくなるパラメータを選ぶ | 尤度を最大化 |
| 最小二乗法 | 予測と観測の誤差の2乗和を小さくする | 誤差平方和を最小化 |
| 帰無仮説 | 差や効果がないとする出発点 | 棄却できるかを検討 |
| 対立仮説 | 差や効果があるとする仮説 | 帰無仮説と対になる |
仮説検定では、帰無仮説が正しいことを証明するのではありません。データを根拠に、帰無仮説を棄却できるかを判断します。
距離と類似度
| 用語 | 見ているもの | 判断ポイント |
|---|---|---|
| ユークリッド距離 | 座標間の直線距離 | 普通の距離 |
| マハラノビス距離 | ばらつきと変数間の相関を考慮した距離 | 共分散を考慮 |
| コサイン類似度 | ベクトルの向きの近さ | 大きさより方向 |
文章のベクトル表現などでは、長さより方向を比較したいことがあるため、コサイン類似度が使われます。
時系列で使う移動平均
移動平均は、一定期間の平均を順番にずらしながら求める方法です。
短期的な細かい変動をならし、全体の傾向を見やすくします。ただし、将来予測そのものではなく、まずは平滑化・傾向把握の手法として切り分けます。
いつ使う?(得意・不得意)
データの特徴を短く説明する
平均・中央値・分散・標準偏差を使うと、データの中心とばらつきを要約できます。
ただし、代表値だけでは分布の形や外れ値の存在までは十分に分かりません。
特徴量同士の関係を調べる
相関係数や相互情報量は、特徴量同士や特徴量と目的変数の関係を確認するときに使われます。
ただし、相関だけで因果関係を判断することはできません。
確率的な現象をモデル化する
- 成功・失敗の1回の試行 → ベルヌーイ分布
- 固定回数中の成功回数 → 二項分布
- 一定区間の発生回数 → ポアソン分布
- 左右対称な連続量 → 正規分布
問題文に現れるデータの種類から分布を選びます。
データ同士の近さを測る
- 単純な座標の距離 → ユークリッド距離
- ばらつき・相関も考慮 → マハラノビス距離
- ベクトルの向きを比較 → コサイン類似度
距離と類似度は逆向きの表現です。一般に、距離は小さいほど近く、類似度は大きいほど似ています。
G検定ひっかけポイント
平均と中央値
❌ 外れ値の影響を受けにくいのは平均
⭕ 外れ値の影響を比較的受けにくいのは中央値
分散と標準偏差
❌ 分散と標準偏差の単位は同じ
⭕ 分散は元の単位の2乗、標準偏差は元のデータと同じ単位
共分散と相関係数
❌ 共分散は必ず-1から1の範囲
⭕ -1から1の範囲で表されるのは相関係数
相関と因果
❌ 相関係数が大きければ因果関係がある
⭕ 第三の変数による疑似相関の可能性もある
相関係数0と独立
❌ 相関係数が0なら必ず独立
⭕ 線形相関がないだけで、非線形な関係が残ることがある
二項分布とポアソン分布
- 固定されたn回中の成功回数 → 二項分布
- 一定時間・区間での発生回数 → ポアソン分布
帰無仮説
❌ 帰無仮説を採択すれば、正しいと証明された
⭕ 棄却できなかっただけで、正しいと証明したわけではない
3つの距離・類似度
- 直線距離 → ユークリッド距離
- 共分散を考慮 → マハラノビス距離
- ベクトルの向き → コサイン類似度
まとめ(試験直前用)
- 中心を見る → 平均・中央値・最頻値
- ばらつきを見る → 分散・標準偏差
- 変数の関係を見る → 共分散・相関・偏相関
- 起こりやすさを見る → 期待値・確率分布
- データの近さを見る → 距離・類似度
G検定では、数式を見ただけで慌てず、何を表す量なのか、どの場面で使うのかを先に判断します。