最終更新日:2026年7月25日
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まず結論
スループットとは、システムが単位時間あたりに処理できる仕事量です。
基本情報技術者試験では、スループットは システム全体の処理量 と押さえると分かりやすいです。
CPU性能だけで決まるのではなく、入出力装置の速度、待ち時間、OSの制御、オーバーヘッドなどにも影響されます。
スループット = 単位時間あたりの処理量
直感的な説明
スループットは、工場の「1時間あたりに作れる製品数」のようなものです。
どれだけ高性能な作業者がいても、部品の搬入や出荷が遅ければ、工場全体の生産量は伸びにくくなります。
コンピュータでも同じです。
CPUが速い
でもプリンターやディスクが遅い
↓
CPUが待つ時間が増える
↓
全体の処理量が伸びにくい
そのため、スループットを考えるときは、CPUだけでなく システム全体の流れ を見ます。
定義・仕組み
スループットは、単位時間あたりに処理できる仕事量を表す性能指標です。
例えば、次のような見方をします。
| 例 | スループットの見方 |
|---|---|
| バッチ処理 | 1時間に何件処理できるか |
| Webサーバ | 1秒に何件のリクエストを処理できるか |
| 印刷処理 | 1分に何ページ処理できるか |
| 業務システム | 1日に何件の取引を処理できるか |
スループットに影響する要因には、次のようなものがあります。
| 要因 | 影響 |
|---|---|
| CPU性能 | 処理そのものの速さに関係する |
| 入出力速度 | ディスクやプリンター待ちが増えると低下しやすい |
| 多重プログラミング | CPUの遊休時間を減らしやすい |
| スプーリング | 低速な出力装置待ちを減らしやすい |
| オーバーヘッド | 管理処理が増えると低下しやすい |
このテーマは、基本情報技術者試験の「コンピュータシステム」や「OS」と関係する内容です。公式の出題範囲やシラバスは、IPA:基本情報技術者試験 から確認できます。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、スループットの意味や、スループットを向上させる仕組みを選ぶ問題が出やすいです。
判断するときは、次のように見ます。
単位時間あたりの仕事量が増えるか
CPUや装置の待ち時間が減るか
システム全体の遊休時間が減るか
代表的なのが、スプーリングです。
スプーリングとは、プリンターのような低速な装置への出力を、いったん補助記憶装置に保存しておく仕組みです。
CPU・主記憶
↓ 出力データをいったん保存
補助記憶装置
↓ 後で順番に送る
プリンターなどの低速な入出力装置
CPUがプリンターの印刷完了を待たなくてよくなるため、次の処理に進みやすくなります。
結果として、スループットの向上に役立ちます。
スプーリングを選択肢から見抜く
科目Aでは、処理を効率化する複数の仕組みが、よく似た選択肢として並ぶことがあります。
その場合は、何を移動・保存・切り替えているかを確認します。
| 問題文の表現 | 用語 | 判断の中心 |
|---|---|---|
| 低速な入出力装置へのデータを補助記憶装置へ一時保存する | スプーリング | 入出力データをためる |
| 入出力待ちのタスクから別のタスクへCPUを割り当てる | マルチタスク・多重プログラミング | 実行するタスクを切り替える |
| 実行中の処理を一時中断し、制御プログラムへ制御を移す | 割込み | 制御の流れを切り替える |
| ディスクのデータを主記憶上に保持してアクセスを速くする | ディスクキャッシュ | 再利用するデータを主記憶に置く |
特に、スプーリングとディスクキャッシュは、どちらも記憶装置を利用するため混同しやすいです。
出力データを補助記憶装置へためる
→ スプーリング
ディスクから読み出したデータを主記憶へ保持する
→ ディスクキャッシュ
試験中は、次の語を手掛かりにします。
補助記憶装置を介する
低速な入出力装置
プリンター
出力データを一時保存
→ スプーリング
一方で、次の表現は別の仕組みです。
ほかのタスクへCPUを割り当てる
→ マルチタスク・多重プログラミング
実行中の処理を一時中断する
→ 割込み
主記憶上のバッファでディスクアクセスを減らす
→ ディスクキャッシュ
どんな場面で使う?
問題文では、スループットそのものの用語問題よりも、処理の流れを読んで どこで待ち時間が発生しているか を考える場面で役立ちます。
例えば、次のような処理です。
データを処理する
↓
プリンターに出力する
↓
印刷が終わるまで待つ
↓
次の処理へ進む
この場合、プリンター待ちがボトルネックになります。
スプーリングを使うと、出力データをいったん保存し、CPUは次の処理へ進めます。
データを処理する
↓
出力データを保存する
↓
CPUは次の処理へ進む
↓
プリンターは後で順番に印刷する
問題文で読むときは、次の順で整理するとよいです。
1. CPUが待っている時間はあるか
2. 入出力装置が遅くて詰まっていないか
3. 待ち時間を別処理に回せるか
待ち時間を減らして、単位時間あたりの処理量を増やせるなら、スループット向上につながります。
よくある誤解・混同
スループットでよくある誤解は、CPU性能だけを見ればよいと思ってしまうことです。
| 誤解 | 正しい理解 |
|---|---|
| スループットはCPU性能だけで決まる | 入出力速度や待ち時間にも影響される |
| 遊休時間が増えてもスループットに影響しない | 遊休時間が増えると処理量は下がりやすい |
| 多重プログラミングはスループット向上に役立たない | 入出力待ちの間に別処理を進められるため役立つ |
| スプーリングは印刷を速くするだけ | CPUの待ち時間を減らし、全体の処理量向上に役立つ |
| 補助記憶装置を使う仕組みは全てキャッシュ | 出力データを補助記憶装置へためるのはスプーリング |
| スプーリングとディスクキャッシュは同じ | スプーリングは出力待ち、ディスクキャッシュはディスクアクセスを減らす仕組み |
| スループットとターンアラウンドタイムは同じ | スループットは処理量、ターンアラウンドタイムは完了までの時間 |
特に、ターンアラウンドタイムとの違いは試験で迷いやすいです。
スループット
→ 単位時間あたりにどれだけ処理できるか
ターンアラウンドタイム
→ 依頼してから結果が返るまでの時間
また、スプーリングはプリンターそのものを高速化するわけではありません。
CPUを低速な入出力装置待ちから切り離すことで、システム全体の処理量を上げやすくします。
まとめ(試験直前用)
- スループットは、単位時間あたりに処理できる仕事量
- CPU性能だけでなく、入出力速度や待ち時間にも影響される
- スプーリングは、低速な入出力装置へのデータを補助記憶装置へ一時保存する
- タスクを切り替えるのはマルチタスク、制御を中断して移すのは割込み
- ディスクデータを主記憶へ保持するのはディスクキャッシュ
- スプーリングや多重プログラミングは、CPUの待ち時間を減らしてスループット向上に役立つ