最終更新日:2026年7月28日
fe fe-technology basic-theory statistics
まず結論
標準偏差とは、データが平均のまわりにどれくらい散らばっているかを表す値です。
基本情報技術者試験では、次の2つを先に覚えると選択肢を切りやすくなります。
全データに同じ値を足す・引く
→ 標準偏差は変わらない
全データをk倍する
→ 標準偏差は|k|倍
つまり、足し算はデータ全体の位置を動かし、掛け算はデータ同士の間隔を広げたり縮めたりすると考えます。
直感的な説明
標準偏差は、データの広がり具合を見るものです。
たとえば、次のデータを考えます。
1, 2, 3
平均は 2 で、平均との差は次のとおりです。
-1, 0, 1
ここで、全てのデータに 10 を加えると、
11, 12, 13
平均も 12 に移動しますが、平均との差は、
-1, 0, 1
のままです。
データ全体が横へ移動しただけなので、散らばりは変わりません。
一方、全てのデータを2倍すると、
2, 4, 6
平均は 4 になり、平均との差は、
-2, 0, 2
になります。
平均との差が2倍になっているため、標準偏差も2倍になります。
定義・仕組み
標準偏差は、データと平均の差をもとに求めます。
大まかな流れは次のとおりです。
- データの平均を求める
- 各データと平均の差を求める
- その差を2乗して平均する
- 最後に平方根をとる
差をそのまま足すと、正の値と負の値が打ち消し合ってしまいます。そのため、いったん2乗してから平均します。
この2乗した差の平均が分散です。
そして、分散の平方根をとったものが標準偏差です。
平均との差を2乗して平均
→ 分散
分散の平方根
→ 標準偏差
標準偏差は元のデータと同じ単位で読めるため、散らばりを直感的に捉えやすい値です。
データを変換したときの変化
データを x とし、全データを kx + a に変換した場合を考えます。
| 操作 | 平均 | 標準偏差 | 分散 |
|---|---|---|---|
全データに a を加える |
aだけ増える |
変わらない | 変わらない |
全データを k 倍する |
k倍 |
|k|倍 |
k²倍 |
標準偏差に絶対値が付くのは、散らばりの大きさが負にならないためです。
たとえば全データを -2 倍しても、並び方が左右反転するだけで、散らばりの大きさは2倍になります。
このテーマは、基本情報技術者試験の「基礎理論」や「データ分析」に関係する内容です。公式の出題範囲やシラバスは、IPA:基本情報技術者試験 から確認できます。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、標準偏差の意味や、データ変換後の標準偏差を問う問題として出題されます。
同じ値を足した場合
次のような表現があれば、標準偏差は変わりません。
- 全てのデータに同じ定数を加える
- 全てのデータから同じ定数を引く
- データ全体を同じだけ平行移動する
1, 2, 3
↓ 全てに10を加える
11, 12, 13
平均は変わりますが、データ同士の間隔は変わりません。
全てをk倍した場合
全てのデータを k 倍すると、標準偏差は |k| 倍になります。
1, 2, 3
↓ 2倍
2, 4, 6
データ同士の間隔が2倍になるため、標準偏差も2倍です。
選択肢を切る判断表
| 問題文の表現 | 判断 |
|---|---|
| 全データに定数を加える | 標準偏差は変わらない |
| 全データを2倍する | 標準偏差は2倍 |
| 全データを3倍する | 標準偏差は3倍 |
| 全データをマイナス2倍する | 標準偏差は2倍 |
| 全データを2倍する | 分散は4倍 |
試験では、標準偏差はk倍、分散はk²倍を混同しないことが重要です。
どんな場面で使う?
標準偏差は、平均だけでは分からないデータのばらつきを確認するときに使います。
たとえば、二つのクラスの平均点が同じでも、点数の散らばりが違うことがあります。
クラスA:平均点付近に点数が集まっている
→ 標準偏差が小さい
クラスB:高得点と低得点に広く分かれている
→ 標準偏差が大きい
平均が同じでも、標準偏差を見ることで、データが安定しているか、ばらつきが大きいかを判断できます。
ただし、標準偏差だけでデータの形を全て理解できるわけではありません。極端な値が含まれている場合や、分布が大きく偏っている場合には、ヒストグラムや中央値などもあわせて確認します。
よくある誤解・混同
誤解1:全データに定数を加えると標準偏差も増える
増えません。
全データに同じ値を加えると、平均も同じだけ移動します。そのため、平均との差は変わりません。
足し算・引き算
→ 位置が変わる
→ 散らばりは変わらない
誤解2:全データを2倍すると標準偏差は4倍になる
4倍になるのは分散です。
標準偏差
→ 2倍
分散
→ 4倍
標準偏差は分散の平方根なので、倍率の扱いが異なります。
誤解3:標準偏差は負になることがある
標準偏差は負になりません。
分散も標準偏差も、散らばりの大きさを表す値です。
誤解4:平均が同じなら標準偏差も同じ
平均が同じでも、データの散らばりは異なることがあります。
1, 2, 3
0, 2, 4
どちらも平均は 2 ですが、後者の方が広く散らばっているため、標準偏差は大きくなります。
まとめ(試験直前用)
- 標準偏差は、データの散らばりの大きさを表す
- 全データに同じ値を足しても、標準偏差は変わらない
- 全データを
k倍すると、標準偏差は|k|倍 - 全データを
k倍すると、分散はk²倍 - 足し算は位置、掛け算は散らばりに影響すると考える