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最終更新日:2026年8月12日

まず結論

標準偏差とは、データが平均のまわりにどれくらい散らばっているかを表す値です。

基本情報技術者試験では、次の3つを先に覚えると選択肢を切りやすくなります。

全データに同じ値を足す・引く
→ 標準偏差は変わらない

全データをk倍する
→ 標準偏差は|k|倍

正規分布
→ 平均が山の中心
→ 標準偏差が横方向の広がりを決める

つまり、足し算はデータ全体の位置を動かし、掛け算はデータ同士の間隔を広げたり縮めたりすると考えます。

正規分布のグラフ問題では、まず「左右対称か」「平均が中心か」「中心から標準偏差だけ離れた位置はどこか」を確認します。

直感的な説明

標準偏差は、データの広がり具合を見るものです。

たとえば、次のデータを考えます。

1, 2, 3

平均は 2 で、平均との差は次のとおりです。

-1, 0, 1

ここで、全てのデータに 10 を加えると、

11, 12, 13

平均も 12 に移動しますが、平均との差は、

-1, 0, 1

のままです。

データ全体が横へ移動しただけなので、散らばりは変わりません。

一方、全てのデータを2倍すると、

2, 4, 6

平均は 4 になり、平均との差は、

-2, 0, 2

になります。

平均との差が2倍になっているため、標準偏差も2倍になります。

正規分布では、この「平均」と「散らばり」がグラフの形にそのまま表れます。

平均
→ 山の中心

標準偏差が小さい
→ 中心付近に集まり、細く高い山

標準偏差が大きい
→ 広く散らばり、横に広い山

定義・仕組み

標準偏差は、データと平均の差をもとに求めます。

大まかな流れは次のとおりです。

  1. データの平均を求める
  2. 各データと平均の差を求める
  3. その差を2乗して平均する
  4. 最後に平方根をとる

差をそのまま足すと、正の値と負の値が打ち消し合ってしまいます。そのため、いったん2乗してから平均します。

この2乗した差の平均が分散です。

そして、分散の平方根をとったものが標準偏差です。

平均との差を2乗して平均
→ 分散

分散の平方根
→ 標準偏差

標準偏差は元のデータと同じ単位で読めるため、散らばりを直感的に捉えやすい値です。

データを変換したときの変化

データを x とし、全データを kx + a に変換した場合を考えます。

操作 平均 標準偏差 分散
全データに a を加える aだけ増える 変わらない 変わらない
全データを k 倍する k |k|

標準偏差に絶対値が付くのは、散らばりの大きさが負にならないためです。

たとえば全データを -2 倍しても、並び方が左右反転するだけで、散らばりの大きさは2倍になります。

正規分布と標準偏差

正規分布は、平均を中心とした左右対称の釣鐘型の分布です。

平均を μ、標準偏差を σ とすると、標準偏差は平均からどれくらい離れた範囲にデータが広がっているかを見る目安になります。

平均 μ
→ 山の中心

μ ± σ
→ 平均から標準偏差1個分

μ ± 2σ
→ 平均から標準偏差2個分

正規分布では、おおよそ次の割合が含まれます。

範囲 含まれる割合の目安
μ ± 1σ 約68%
μ ± 2σ 約95%
μ ± 3σ 約99.7%

たとえば、平均が 60、標準偏差が 10 なら、

μ - σ = 50
μ     = 60
μ + σ = 70

となります。

したがって、正規分布のグラフでは、60 が山の中心にあり、その左右に同じ距離だけ離れた 5070平均±1σ に対応します。

このテーマは、基本情報技術者試験の「基礎理論」や「データ分析」に関係する内容です。公式の出題範囲やシラバスは、IPA:基本情報技術者試験 から確認できます。

科目Aでどう出る?

科目Aでは、標準偏差の意味、データ変換後の標準偏差、正規分布のグラフの読み方を問う問題として出題されます。

同じ値を足した場合

次のような表現があれば、標準偏差は変わりません。

  • 全てのデータに同じ定数を加える
  • 全てのデータから同じ定数を引く
  • データ全体を同じだけ平行移動する
1, 2, 3
↓ 全てに10を加える
11, 12, 13

平均は変わりますが、データ同士の間隔は変わりません。

全てをk倍した場合

全てのデータを k 倍すると、標準偏差は |k| 倍になります。

1, 2, 3
↓ 2倍
2, 4, 6

データ同士の間隔が2倍になるため、標準偏差も2倍です。

正規分布のグラフ問題

正規分布のグラフを選ぶ問題では、次の順で確認します。

1. 左右対称の釣鐘型か
2. 山の中心が平均か
3. 中心から±σの位置が正しいか

たとえば、平均 60、標準偏差 10 なら、

中心
→ 60

平均±1σ
→ 50〜70

です。

グラフの選択肢では、次のように切れます。

左右非対称
→ 正規分布ではない

山が複数ある
→ 通常の正規分布ではない

平均60なのに山の中心が60ではない
→ 不適切

60から±10の位置が50・70になっていない
→ 標準偏差10と合わない

選択肢を切る判断表

問題文の表現 判断
全データに定数を加える 標準偏差は変わらない
全データを2倍する 標準偏差は2倍
全データを3倍する 標準偏差は3倍
全データをマイナス2倍する 標準偏差は2倍
全データを2倍する 分散は4倍
正規分布の山の中心 平均
平均60、標準偏差10 50〜70 が平均±1σ

試験では、標準偏差はk倍、分散はk²倍を混同しないことに加え、正規分布では平均が中心、標準偏差は横方向の広がりと読むことが重要です。

どんな場面で使う?

標準偏差は、平均だけでは分からないデータのばらつきを確認するときに使います。

たとえば、二つのクラスの平均点が同じでも、点数の散らばりが違うことがあります。

クラスA:平均点付近に点数が集まっている
→ 標準偏差が小さい

クラスB:高得点と低得点に広く分かれている
→ 標準偏差が大きい

平均が同じでも、標準偏差を見ることで、データが安定しているか、ばらつきが大きいかを判断できます。

また、データが正規分布に近い場合は、平均と標準偏差から、どの範囲にデータが集まりやすいかを直感的に把握できます。

平均±1σ
→ 多くのデータが中心付近にある範囲

平均±2σ
→ さらに広い範囲

ただし、標準偏差だけでデータの形を全て理解できるわけではありません。極端な値が含まれている場合や、分布が大きく偏っている場合には、ヒストグラムや中央値などもあわせて確認します。

よくある誤解・混同

誤解1:全データに定数を加えると標準偏差も増える

増えません。

全データに同じ値を加えると、平均も同じだけ移動します。そのため、平均との差は変わりません。

足し算・引き算
→ 位置が変わる
→ 散らばりは変わらない

誤解2:全データを2倍すると標準偏差は4倍になる

4倍になるのは分散です。

標準偏差
→ 2倍

分散
→ 4倍

標準偏差は分散の平方根なので、倍率の扱いが異なります。

誤解3:標準偏差は負になることがある

標準偏差は負になりません。

分散も標準偏差も、散らばりの大きさを表す値です。

誤解4:平均が同じなら標準偏差も同じ

平均が同じでも、データの散らばりは異なることがあります。

1, 2, 3

0, 2, 4

どちらも平均は 2 ですが、後者の方が広く散らばっているため、標準偏差は大きくなります。

誤解5:平均が60なら正規分布の形は一つに決まる

平均だけでは決まりません。

平均は山の中心を決めますが、山の横方向の広がりは標準偏差によって変わります。

平均
→ 山の位置

標準偏差
→ 山の広がり

誤解6:標準偏差10なら、グラフ上の幅10がどこにあってもよい

平均からの距離を見る必要があります。

平均60、標準偏差10なら、60 から左右に10離れた 5070平均±1σ です。

55〜65の幅が10

というだけでは、標準偏差10を正しく表したことにはなりません。

まとめ(試験直前用)

  • 標準偏差は、データの散らばりの大きさを表す
  • 全データに同じ値を足しても、標準偏差は変わらない
  • 全データを k 倍すると、標準偏差は |k| 倍、分散は
  • 正規分布は左右対称の釣鐘型で、平均が山の中心
  • 正規分布では、標準偏差は横方向の広がりを見る。平均60・標準偏差10なら 50〜70 が平均±1σ

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