最終更新日:2026年9月20日
fe fe-technology software quality
まず結論
基本情報技術者試験でソフトウェア品質特性が出たら、「何を良くしようとしているのか」を見ると判断しやすくなります。
まずは次の対応を押さえます。
必要な機能を満たす
→ 機能適合性
速さ・資源の使い方
→ 性能効率性
他システムとの共存・連携
→ 互換性
分かりやすい・使いやすい
→ 使用性
止まりにくい・復旧しやすい
→ 信頼性
不正利用や情報漏えいを防ぐ
→ セキュリティ
修正・変更しやすい
→ 保守性
別の環境へ移しやすい
→ 移植性
今回のように、
オンラインヘルプを充実させる
↓
利用方法を理解しやすくする
↓
使用性
と考えられれば正解できます。
IPAの最新の基本情報技術者試験シラバス Ver.9.2 でも、JIS X 25010で規定されているシステム及びソフトウェア製品の品質特性を理解することが学習目標として示されています。
直感的な説明
ソフトウェアの「品質が高い」といっても、良さにはいろいろあります。
例えば、次のようなECサイトを考えます。
欲しい機能がそろっている
→ 機能適合性
画面表示が速い
→ 性能効率性
外部決済サービスと連携できる
→ 互換性
初めてでも操作が分かる
→ 使用性
障害が起きても復旧できる
→ 信頼性
不正ログインを防ぐ
→ セキュリティ
プログラムを修正しやすい
→ 保守性
別のOSへ移行しやすい
→ 移植性
つまり、試験では「品質」という言葉だけを見るのではなく、
その施策は、何を改善しているのか?
と考えるのがポイントです。
定義・仕組み
JIS X 25010では、システム及びソフトウェア製品の品質を複数の品質特性に分けて考えます。
FE対策では、次の8つを区別できるようにしておくと判断しやすくなります。
機能適合性
必要とされる機能を、正しく満たしているかを見る品質特性です。
必要な処理ができる
必要な機能がそろっている
求められた結果を正しく出せる
といった記述が手掛かりです。
性能効率性
処理時間や資源の使い方が適切かを見る品質特性です。
応答時間
処理速度
CPUやメモリの使用量
などが手掛かりです。
互換性
他のシステムと共存したり、情報交換したりできるかを見る品質特性です。
他システムとの連携
共存
データ交換
といった記述に注目します。
使用性
利用者が理解しやすく、学びやすく、操作しやすいかを見る品質特性です。
オンラインヘルプ
分かりやすい画面
操作方法を理解しやすい
学習しやすい
操作ミスを防ぐ
などが典型です。
今回の例題では、
オンラインヘルプを充実
↓
利用方法を理解しやすくする
↓
使用性
となります。
信頼性
必要なときに正常に動き続けられるか、障害から回復できるかを見る品質特性です。
冗長化
バックアップ
障害時の復旧
停止しにくくする
などが手掛かりです。
セキュリティ
不正アクセスや情報漏えいなどからシステムや情報を守れるかを見る品質特性です。
認証
アクセス制御
暗号化
改ざん防止
などが手掛かりです。
保守性
修正・解析・変更・テストをしやすいかを見る品質特性です。
修正しやすい
原因を分析しやすい
変更の影響を確認しやすい
テストしやすい
などが手掛かりです。
移植性
別の環境へ移したり導入したりしやすいかを見る品質特性です。
別OSへ移行
別ハードウェアへ移行
導入しやすい
置き換えやすい
などが手掛かりです。
いつ使う?(得意・不得意)
この分類は、ソフトウェアの要件定義や設計、評価などで、
どの種類の品質を重視するか
を整理するときに使います。
例えば、銀行システムとスマートフォンアプリでは、重視するポイントが同じとは限りません。
銀行システムなら、
信頼性
セキュリティ
が特に重要になるでしょう。
一方、一般ユーザー向けアプリなら、
使用性
性能効率性
も重要になります。
試験では、品質特性そのものの定義よりも、具体的な施策がどの特性に結び付くかを問われることがあります。
JIS X 25010とISO/IEC 9126の関係
古い過去問や解説では、ISO/IEC 9126を基にした説明が使われていることがあります。
ISO/IEC 9126では、代表的に次の6特性で整理されていました。
機能性
信頼性
使用性
効率性
保守性
移植性
一方、現在のFEシラバスではJIS X 25010が学習対象として示されています。
そのため、このサイトでは旧規格の6分類を中心にはせず、現在の試験シラバスに合わせて、次の8特性を基準に整理します。
機能適合性
性能効率性
互換性
使用性
信頼性
セキュリティ
保守性
移植性
なお、国際規格 ISO/IEC 25010 は2023年に改訂されています。ISO公式では、2011年版はWithdrawn(廃止)として扱われ、ISO/IEC 25010:2023が公開されています。
FE対策では、国際規格の最新版そのものを丸暗記するのではなく、IPAの最新シラバスで示されている用語・範囲を優先するのが安全です。
FE科目Aでの切り分け
このテーマでは、単語の暗記よりも、選択肢の中の目的語を見る方が早く解けます。
機能を増やす・必要な機能を満たす
→ 機能適合性
速くする・資源を節約する
→ 性能効率性
他システムとつなぐ
→ 互換性
分かりやすくする
→ 使用性
故障や停止に強くする
→ 信頼性
不正アクセスを防ぐ
→ セキュリティ
修正しやすくする
→ 保守性
環境を移しやすくする
→ 移植性
特に、
使用者目線
→ 使用性
障害目線
→ 信頼性
変更する開発者目線
→ 保守性
の3つを区別できると、選択肢をかなり絞れます。
よくある誤解・混同
オンラインヘルプ=機能適合性ではない
オンラインヘルプも「機能」には見えますが、問題の目的が
利用方法を理解しやすくする
なら、見ているのは使用性です。
「何を追加したか」ではなく、何を改善したかを見ます。
冗長化=使用性ではない
データや装置を複製して故障時の損失を減らすのは、
障害への強さ
→ 信頼性
です。
他システムとの連携=機能適合性ではない
連携できるシステムを増やすという表現では、
他システムとの関係
→ 互換性
をまず疑います。
機能追加=使用性ではない
利用できる範囲を広げるために機能を追加するなら、中心となるのは機能適合性です。
確認問題(基本情報技術者試験対策)
次のうち、ソフトウェアの信頼性を高める施策として最も適切なものはどれか。
- 操作説明画面を分かりやすくする
- サーバを冗長化し、障害時に切り替えられるようにする
- 外部システムとのデータ交換機能を追加する
- プログラムの構造を整理して修正しやすくする
▶ クリックして答えと解説を見る(ここを開く)
正解:2
サーバを冗長化
↓
障害が発生してもサービスを継続しやすい
↓
信頼性
ほかの選択肢は次のように整理できます。
1 → 使用性
3 → 互換性
4 → 保守性
まとめ(試験直前用)
- 必要な機能 → 機能適合性
- 速度・資源 → 性能効率性
- 他システムとの連携 → 互換性
- 分かりやすさ・使いやすさ → 使用性
- 障害への強さ・復旧 → 信頼性
- 不正利用を防ぐ → セキュリティ
- 修正・変更のしやすさ → 保守性
- 別環境へ移しやすい → 移植性
- 古い過去問でISO/IEC 9126が出ても、現在の記事はIPA最新シラバスのJIS X 25010を基準に読む