最終更新日:2026年9月16日
fe fe-technology security physical-security
まず結論
サーバ室の物理セキュリティでは、重要な情報資産に、許可されていない人が物理的に近づけないようにすることが基本です。
基本情報技術者試験では、次のように切り分けると判断しやすくなります。
外部から入れる扉を施錠する
→ 不正侵入を防ぐ
無人区域で警報装置を動かす
→ 侵入を検知する
非常口・避難器具・誘導灯を整える
→ 災害時の安全を確保する
サーバ室の所在をむやみに表示しない
→ 重要設備の場所を知られにくくする
特に、外部に直接つながる扉が常時施錠されていないような状態は、物理的なアクセス制御として問題になります。
直感的な説明
サーバ室は、会社の重要な情報やシステムを置く「金庫室」のような場所です。
ネットワーク上のアクセス制御を厳しくしていても、第三者がサーバ室へ簡単に入れてしまえば、機器の持ち出し、破壊、配線の変更、不正な端末接続などができてしまいます。
そのため、情報セキュリティでは、サイバー攻撃だけでなく物理的に近づけるかどうかも重要です。
重要な機器がある
↓
近づける人を制限する
↓
入退室を管理する
↓
異常があれば検知する
この流れで考えると、物理セキュリティの選択肢を判断しやすくなります。
定義・仕組み
物理セキュリティとは、建物、部屋、設備、機器などに対して、無断侵入、盗難、破壊、災害などから情報資産を守るための対策です。
経済産業省は、情報セキュリティ監査制度の基礎となる「情報セキュリティ管理基準」を公表しています。FE試験では細かな条項番号を暗記するより、物理的な安全対策の考え方を理解しておくことが重要です。
1. 施錠・入退室管理
サーバ室などの重要区域では、許可された人だけが入れるようにします。
代表例は次のとおりです。
- 扉を施錠する
- ICカードなどで入退室を管理する
- 鍵の利用者を限定する
- 入退室記録を残す
- 外部から直接入れる経路を適切に管理する
試験では、
外部に接する扉
+
常時施錠していない
という組合せが出たら、不適切な状態を疑います。
2. 警報・監視
人が常駐していない区域では、不正侵入や異常を検知する仕組みが必要です。
たとえば、
- 警報装置
- 侵入検知センサ
- 監視カメラ
などが考えられます。
人がいない
→ 何か起きても気付きにくい
→ 検知する仕組みを置く
という考え方です。
3. 重要設備の所在を不用意に示さない
サーバ室などの重要設備は、必要のない人に場所を知られにくくすることも対策になります。
そのため、建物の外や廊下などに、重要設備の存在を不用意に示す表示をしない考え方があります。
重要設備の場所を分かりやすく表示
→ 攻撃者にも場所が分かる
必要以上に表示しない
→ 攻撃対象を特定されにくくする
4. 災害への備え
物理セキュリティでは、不正侵入だけでなく、火災、地震などへの対策も重要です。
たとえば、
- 非常口
- 避難器具
- 誘導灯
- 消火設備
- 電源や空調の対策
などがあります。
非常口があること自体が問題なのではありません。
災害時には安全に避難できる
かつ
平常時には不正侵入を防ぐ
という両立が必要です。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、サーバ室やデータセンターの状況を示して、適切・不適切なものを選ばせる問題が出ます。
判断軸1:外部から簡単に入れないか
まず確認するのは、外部からの侵入経路です。
外部から直接入れる
+
施錠していない
→ 指摘対象
特に、扉や窓などの開口部が適切に管理されているかを見ます。
判断軸2:無人なら検知できるか
無人の区域では、異常が起きても人がすぐには気付きません。
無人区域
+
警報装置を作動
→ 適切な方向
判断軸3:災害対策と防犯対策を混同していないか
非常口や避難器具は、災害時の人命保護のために必要です。
非常口がある
→ それだけで不適切ではない
見るべきなのは、平常時に不正侵入を防げる仕組みになっているかです。
判断軸4:重要設備の存在を不用意に知らせていないか
サーバ室の場所を必要以上に表示しないことは、攻撃対象を特定されにくくする方向の対策です。
重要設備を目立たせない
→ 物理セキュリティ上は自然
どんな場面で使う?
この考え方は、サーバ室だけではなく、次のような場所にも使えます。
- データセンター
- ネットワーク機器室
- バックアップ媒体の保管庫
- 機密文書の保管場所
- 重要設備のある制御室
問題文では、まず「守る対象」と「侵入経路」を探します。
何を守る?
→ サーバ・ネットワーク機器・記録媒体
どこから入れる?
→ 扉・窓・非常口など
どう防ぐ?
→ 施錠・認証・監視・警報
この順で読むと判断しやすくなります。
よくある誤解・混同
非常口があるとセキュリティ上よくない
非常口そのものが問題なのではありません。
非常時に避難できることは必要です。一方で、平常時には外部から不正に侵入されないように管理する必要があります。
非常時
→ 避難できる
平常時
→ 不正侵入できない
この両方を満たすことが重要です。
サーバ室は場所を明示した方が管理しやすい
管理する人には場所が分かっている必要がありますが、建物内外の誰にでも重要設備の所在が分かるようにする必要はありません。
試験では、重要設備の所在を不用意に表示しないという方向で判断します。
ネットワークのアクセス制御だけで十分
不十分です。
ネットワーク上でアクセスできなくても、機器そのものに触れられれば、盗難、破壊、配線変更などが可能です。
論理的アクセス制御
+
物理的アクセス制御
の両方が必要です。
営業時間中なら警報装置は不要
無人区域では、営業時間中でも監視できるとは限りません。
「人がいる時間帯か」ではなく、その区域が実際に監視されているかを見ることが大切です。
まとめ(試験直前用)
- サーバ室では、許可されていない人が物理的に近づけないようにする
- 外部に接する扉を施錠しない状態は、不正侵入につながるので要注意
- 無人区域では警報や監視によって異常を検知する
- 非常口や避難器具は災害対策として必要であり、それ自体は不適切ではない
- 重要設備の所在を必要以上に表示しない
- 「侵入を防ぐ」「異常を検知する」「災害に備える」の3方向で選択肢を切る