最終更新日:2026年8月28日
fe fe-technology network computer-system
まず結論
RPC(Remote Procedure Call)は、ネットワーク越しに、別のコンピュータ上の処理や手続きを呼び出す仕組みです。
FE科目Aでは、次の一言を判断基準にすると切り分けやすくなります。
別のコンピュータに「処理を実行してもらう」ならRPC。
データを共有する仕組みや、遠隔からログインする仕組みとは役割が違います。
直感的な説明
RPCは、遠くにいる相手へ仕事をお願いして、結果だけ返してもらうイメージです。
例えば、自分のPCから別のサーバにある計算処理を利用するとします。
自分のプログラム
↓ 「この処理を実行して」
ネットワーク
↓
別のコンピュータ
↓ 処理を実行
結果を返す
利用する側から見ると、まるで手元の関数を呼び出すように扱えるのがポイントです。
calculate(x)
実際にはネットワーク通信が発生していますが、呼び出し側は通信処理の細部を強く意識せずに、遠隔の処理を利用できます。
定義・仕組み
RPCは Remote Procedure Call(遠隔手続呼出し) の略です。
名前を分解すると意味を覚えやすくなります。
| 英語 | 意味 |
|---|---|
| Remote | 遠隔にある |
| Procedure | 手続き・処理 |
| Call | 呼び出す |
基本的な流れは次のとおりです。
- クライアント側のプログラムが処理を呼び出す
- 要求がネットワーク経由でサーバへ送られる
- サーバ側で処理が実行される
- 結果がクライアントへ返される
重要なのは、RPCの中心が通信そのものではなく、遠隔の処理を呼び出すことだという点です。
このテーマは、基本情報技術者試験のネットワークや分散処理に関係します。公式の出題範囲やシラバスは、IPA:基本情報技術者試験 から確認できます。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、RPCそのものの定義だけでなく、似た仕組みとの切り分けが重要です。
RPCの決め手
次の表現があればRPCを疑います。
- 他のコンピュータに処理を任せる
- 遠隔の手続きやプログラムを呼び出す
- ネットワーク越しに処理を実行させる
- 遠隔の処理を関数のように利用する
特に覚えたいのは、「データを取りに行く」のではなく「処理をやってもらう」という違いです。
似た用語との切り分け
| 説明 | 用語 | 判断のポイント |
|---|---|---|
| 別のコンピュータに処理を実行してもらう | RPC | 遠隔の「処理」を呼び出す |
| 遠隔のコンピュータへ接続して利用者を認証する | リモートログイン | 人が遠隔からログインする |
| DB内に一連の処理を保存して呼び出す | ストアドプロシージャ | データベース内部の処理 |
| ネットワーク上のディスクやファイルを共有する | NASなど | 「処理」ではなく記憶領域を共有 |
この4つは、何を遠隔利用しているかで整理すると迷いにくくなります。
処理を呼ぶ → RPC
人がログインする → リモートログイン
DB処理を保存する → ストアドプロシージャ
記憶領域を使う → NAS
どんな場面で使う?
RPCは、クライアントサーバシステムや分散システムで使われます。
例えば、クライアントから商品IDを渡し、サーバ側で価格を検索して返す処理を考えます。
クライアント側
getPrice(商品ID)
↓
ネットワーク
↓
サーバ側
価格を検索して返す
クライアント側は、サーバ内部でどのように処理されるかを細かく意識せず、決められた手続きを呼び出して結果を受け取れます。
このように、処理を別のコンピュータへ分担したい場面でRPCの考え方が使われます。
よくある誤解・混同
RPCとストアドプロシージャ
どちらも「処理を呼び出す」ため混同しやすいですが、見る場所が違います。
- RPC:別のコンピュータ上の処理を呼び出す
- ストアドプロシージャ:データベースに保存された一連の処理を呼び出す
「DBに対する一連の処理手順」「DB側に保存」という説明なら、RPCではなくストアドプロシージャを疑います。
RPCとリモートログイン
- RPC:プログラムが遠隔の処理を呼び出す
- リモートログイン:利用者が遠隔のコンピュータへログインする
「登録済みユーザか確認」「遠隔端末へログイン」のような表現はRPCの中心ではありません。
RPCとNAS
- RPC:遠隔の処理を利用する
- NAS:ネットワーク経由でファイルや記憶領域を利用する
「磁気ディスクを共有資源として利用する」とあれば、処理呼出しではないのでRPCではありません。
RPCは通信を暗号化する仕組みではない
RPCは、遠隔処理を呼び出すための仕組みです。
暗号化、認証、アクセス制御などはRPCを安全に利用するために別途必要になる場合がありますが、それ自体がRPCの中心機能ではありません。
まとめ(試験直前用)
- RPC = Remote Procedure Call = 遠隔手続呼出し
- 別のコンピュータに処理を実行してもらう → RPC
- 人が遠隔接続する → リモートログイン
- DB内の処理をまとめる → ストアドプロシージャ
- 遠隔のディスクやファイルを使う → NASなど
- 迷ったら「遠隔利用しているのは、処理・人・DB・記憶領域のどれか」を見る