最終更新日:2026年7月20日
fe fe-technology security cryptography
まず結論
公開鍵暗号方式とは、暗号化と復号に異なる鍵を使う暗号方式です。
秘密に送りたい場合は、次の組合せを使います。
受信者の公開鍵で暗号化
↓
受信者の秘密鍵で復号
基本情報技術者試験では、まず次の一文で切り分けます。
秘密に送りたいなら、受信者の公開鍵で暗号化し、受信者の秘密鍵で復号する。
直感的な説明
公開鍵は、誰でも使える南京錠のようなものです。
秘密鍵は、その南京錠を開けられる本人専用の鍵です。
受信者の公開鍵
→ 誰でも使える南京錠
受信者の秘密鍵
→ 本人だけが持つ開錠用の鍵
送信者は、受信者の公開鍵を使ってデータを暗号化します。
その暗号文を復号できるのは、対応する秘密鍵を持つ受信者だけです。
定義・仕組み
公開鍵暗号方式では、利用者ごとに次の2つの鍵を持ちます。
| 鍵 | 扱い |
|---|---|
| 公開鍵 | 他人に公開してよい |
| 秘密鍵 | 本人だけが厳重に保管する |
2つの鍵は一対のペアです。
Bさんの公開鍵
↔ Bさんの秘密鍵
Cさんの公開鍵
↔ Cさんの秘密鍵
Bさんの公開鍵で暗号化したデータは、Bさんの秘密鍵で復号します。
Cさんの秘密鍵では復号できません。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、誰の鍵を使うかを選ぶ問題として出題されやすいです。
秘密に送りたい場合
暗号化:受信者の公開鍵
復号 :受信者の秘密鍵
電子署名の場合
署名:送信者の秘密鍵
検証:送信者の公開鍵
目的ごとに整理すると、次のようになります。
| 目的 | 最初に使う鍵 | 後で使う鍵 |
|---|---|---|
| 機密性を守る | 受信者の公開鍵 | 受信者の秘密鍵 |
| 送信者確認・改ざん検知 | 送信者の秘密鍵 | 送信者の公開鍵 |
試験では、誰の鍵かと目的が何かを分けて考えます。
共通鍵暗号方式との違い
共通鍵暗号方式では、暗号化と復号に同じ鍵を使います。
| 比較 | 公開鍵暗号方式 | 共通鍵暗号方式 |
|---|---|---|
| 鍵 | 公開鍵と秘密鍵の2つ | 同じ鍵を共有 |
| 鍵配送 | 公開鍵は公開できる | 秘密に共有する必要がある |
| 処理速度 | 一般に遅い | 一般に速い |
| 主な用途 | 鍵交換、電子署名 | 大量データの暗号化 |
実際の通信では、両方を組み合わせる方式がよく使われます。
公開鍵暗号方式
→ 共通鍵を安全に渡す
共通鍵暗号方式
→ 本文データを高速に暗号化する
どんな場面で使う?
公開鍵暗号方式は、次のような場面で使われます。
- HTTPS通信
- 電子メールの暗号化
- 電子署名
- デジタル証明書
- 安全な鍵交換
ただし、公開鍵が本当に相手本人のものかを確認できなければ、なりすましの危険があります。
そのため、認証局やデジタル証明書を使って公開鍵の正当性を確認します。
よくある誤解・混同
誤解1:送信者の公開鍵で暗号化する
通常の機密通信では誤りです。
受信者だけが復号できるようにするため、受信者の公開鍵を使います。
誤解2:公開鍵で復号する
機密性を目的とした暗号化では、公開鍵で暗号化し、秘密鍵で復号します。
誤解3:自分の秘密鍵なら何でも復号できる
秘密鍵は、対応する公開鍵で暗号化されたデータにだけ使えます。
誤解4:送信先に含まれていれば復号できる
受信できることと、復号できることは別です。
復号できるかどうかは、対応する秘密鍵を持っているかで決まります。
誤解5:電子署名はデータを秘密にする仕組み
電子署名の目的は、送信者確認と改ざん検知です。
機密性を守る暗号化とは目的が異なります。
まとめ(試験直前用)
- 公開鍵暗号方式は、暗号化と復号に異なる鍵を使う
- 機密性では、受信者の公開鍵で暗号化し、受信者の秘密鍵で復号する
- 電子署名では、送信者の秘密鍵で署名し、送信者の公開鍵で検証する
- 公開鍵と秘密鍵は利用者ごとのペアであり、別の人の秘密鍵では復号できない
- 共通鍵暗号方式は高速で、大量データの暗号化に向く
試験直前には、次の一文を思い出してください。
秘密に送るなら受信者の公開鍵、署名するなら送信者の秘密鍵。