最終更新日:2026年7月25日
fe fe-technology system-development
まず結論
プロトタイピングモデルとは、開発の早い段階で試作品を作り、利用者に確認してもらいながら要求を明確にする開発手法です。
基本情報技術者試験では、次の語が決め手になります。
試作品
利用者に提示
操作して確認
要求を明確化
単に「繰り返す」と書かれているだけでは判断できません。試作品を使って要求を確認しているかを見ます。
直感的な説明
新しい販売管理システムの画面を、最初から完成版として作るのは危険です。
利用者が実際に触ってみると、次のような意見が出ることがあります。
この入力欄は不要
検索ボタンを上に置いてほしい
顧客名だけでなく電話番号でも検索したい
そこで、まず簡単な試作品を作ります。
試作品を作る
→ 利用者に見せる
→ 意見を聞く
→ 要求を修正する
このように、完成前にイメージを共有して要求のずれを減らすのがプロトタイピングモデルです。
定義・仕組み
プロトタイピングモデルでは、本格的な開発に入る前、または開発の初期段階で試作品を作ります。
代表的な流れは次のとおりです。
要求を仮に整理する
→ 試作品を作る
→ 利用者に確認してもらう
→ 要求を見直す
→ 本格開発へ進む
特に、画面、操作方法、入力項目など、利用者が実際に確認しないと決めにくい部分で効果があります。
ただし、試作品の修正を続けすぎると、開発範囲や費用が膨らむことがあります。また、試作品をそのまま本番システムに使えるとは限りません。
スパイラルモデルとの違い
| 開発モデル | 中心となる考え方 | 問題文の手掛かり |
|---|---|---|
| プロトタイピングモデル | 試作品で要求を確認する | 試作品、利用者に提示、要求の明確化 |
| スパイラルモデル | 一連の開発工程を部分ごとに繰り返す | 要求分析から実装までを繰り返す、段階的に開発 |
| ウォーターフォールモデル | 工程を上流から下流へ順番に進める | 各工程を完了してから次へ進む |
スパイラルモデルとの詳しい切り分けは、スパイラルモデルとは?プロトタイピングとの違いを切り分けるでも確認できます。
工程を順番に進めるモデルとの違いは、ウォーターフォールモデルとは?工程を順番に進める開発手法で確認できます。
このテーマは、基本情報技術者試験の「システム開発技術」と関係する内容です。公式の出題範囲やシラバスは、IPA:基本情報技術者試験 から確認できます。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、開発モデルの説明文から名称を選ぶ問題として出題されます。
次の表現があれば、プロトタイピングモデルを疑います。
- 早い段階で試作品を作る
- 利用者に実際に操作してもらう
- 完成イメージを共有する
- 曖昧な要求を確認する
- 利用者の意見を仕様へ反映する
一方で、次の表現だけではプロトタイピングモデルとは限りません。
開発を繰り返す
段階的に完成させる
問題文では、何を繰り返しているかを確認します。
試作品の提示と修正
→ プロトタイピングモデル
要求分析・設計・実装・評価
→ スパイラルモデル
どんな場面で使う?
例えば、次の説明を考えます。
開発担当者は画面の試作品を作成し、
利用部門に操作してもらった。
その結果を受けて入力項目を変更した。
この場合は、試作品を利用者に見せて要求を確認しているため、プロトタイピングモデルに近い流れです。
問題文では、モデル名よりも次の関係を読み取ることが大切です。
誰が確認したか
何を確認したか
確認結果をどこへ反映したか
よくある誤解・混同
| 誤解 | 正しい理解 |
|---|---|
| 繰り返す開発は全てプロトタイピングモデル | 試作品の提示と要求確認を繰り返す場合がプロトタイピングモデル |
| 試作品を作ったら、それをそのまま本番システムにする | 試作品は要求確認のために使い、作り直すこともある |
| プロトタイピングモデルは開発工程全体を部分ごとに回す | それはスパイラルモデルの特徴 |
| 利用者の確認は完成後だけでよい | 早い段階で確認し、要求のずれを減らすことが目的 |
最も重要な切り分けは次のとおりです。
試作品・利用者・要求確認
→ プロトタイピングモデル
開発工程全体を反復
→ スパイラルモデル
まとめ(試験直前用)
- プロトタイピングモデルは、早い段階で試作品を作る
- 試作品を利用者に見せ、要求を確認・明確化する
- 「繰り返す」だけで判断せず、何を繰り返すかを見る
- 開発工程全体を反復するのはスパイラルモデル
- 試作品がそのまま本番システムになるとは限らない