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最終更新日:2026年10月3日

まず結論

予防統制は不正やミスの発生を防ぐ仕組み、発見統制は起きた不正やミスを見つける仕組みです。

分類 主な目的 例
予防統制(preventive control) 問題が起きにくいようにする 操作しやすい画面、担当者教育、アクセス権限の制限
発見統制(detective control) 発生した問題に気付く 入力結果と原始伝票の照合、アクセスログの監視

科目Aでは、「起こさないためか、起きたことを見つけるためか」を考えます。人が行うか、システムが自動で行うかは、この分類の基準ではありません。

直感的な説明

受注伝票をシステムへ入力する業務を考えます。

入力欄に分かりやすい説明を付け、担当者へ手順を教えると、入力ミスを減らせます。これは予防統制です。

それでも、数量を取り違えたり、伝票を入力し忘れたりする可能性があります。そこで入力後に、元の伝票と入力結果の一覧を突き合わせます。これは発見統制です。

1.入力に備える:予防統制

ミスを起こしにくくする

画面の説明・担当者教育・権限の制限

2.伝票を入力する

入力・処理

予防していても、誤りや漏れは起こり得る

3.入力結果を照合:発見統制

起きたミスを見つける

元の伝票と入力結果の一覧を比較

この図は受注入力の一例です。発見統制には、処理後の照合だけでなく、処理中に異常を監視する仕組みもあります。

予防と発見を組み合わせると、発生を減らしながら、残った誤りにも気付きやすくなります。

定義・仕組み

予防統制:問題の発生を防ぐ

不正や誤りが起きにくいよう、業務手順やシステムへ対策を組み込みます。

  • 入力画面を分かりやすく設計する
  • マニュアルを整え、担当者へ教育する
  • 業務に必要な人へ必要なアクセス権限だけを付与する
  • 実行に承認が必要な処理を、未承認のまま実行できないようにする

予防統制があることは、ミスが絶対に発生しないことを意味しません。

発見統制:発生した問題を見つける

実際の処理結果や記録を確認し、不正や誤り、異常に気付けるようにします。

  • 入力結果の一覧と原始伝票を照合する
  • 処理前後の件数や金額の合計を照合する
  • アクセスログを監視し、権限違反の試みや不審な操作を検知する

原始伝票とは、入力の元になる受注伝票などの資料です。入力結果だけでは分からない漏れも、元の資料との照合によって確認できます。

具体的な照合方法は、入力データの完全性とプルーフリスト、コントロールトータルチェックで整理しています。

同じアクセス管理でも、目的が違う

対策 分類 目的
権限のない人の操作を拒否する 予防統制 不正な操作の実行を防ぐ
アクセス記録から不審な操作を見つける 発見統制 発生した行為や試みに気付く

経済産業省の2024年の「財務報告に係るIT統制ガイダンス」でも、承認された人へのアクセス権限設定を予防的統制、アクセス違反のモニタリングを発見的統制の例として示しています。

「予防的統制・発見的統制」と表記される場合も、ここで扱う区別は同じです。

科目Aでどう出る?

具体的な対策を読んで、予防統制と発見統制のどちらかを選ぶ問題で使います。

判断は次の順番で進めます。

  1. 対象となる問題を確認する。 入力ミス、入力漏れ、不正アクセスなど、何を抑えたいのかを見る。
  2. 対策の働きを読む。 発生を防ぐ仕組みか、結果や記録から問題を見つける仕組みかを考える。
  3. 名前だけで決めない。 「確認」「チェック」「アクセス管理」などの語だけでは分類しない。
記述の例 分類 判断理由
操作ミスが起きにくい入力画面を設計 予防統制 ミスの発生を減らす
入力結果と元の伝票を照合 発見統制 入力済みの結果から誤りを探す
入力担当者を限定し、権限を付与 予防統制 権限のない人による操作を防ぐ
入力マニュアルを作成して教育 予防統制 誤った手順による操作を減らす

特に「照合」が出たら、何と何を比較し、何を見つけようとしているかを確認します。入力結果と原始伝票の照合なら、入力後の誤りや漏れの発見が目的です。

どんな場面で使う?

販売管理、会計、購買、システム運用などで、対策に偏りがないかを考える際に役立ちます。

例えば、教育や権限設定だけでは、権限を持つ担当者の入力ミスを見逃す可能性があります。一方、入力後の照合だけでは、誤りが発生するたびに訂正の手間がかかります。

そのため、発生を減らす対策と、発生した問題に気付く対策を組み合わせます。発見した問題を訂正・調査する手順も、別途必要です。

よくある誤解・混同

手動なら発見統制、自動なら予防統制?

手動・自動と、予防・発見は別の分類です。

人が教育するのは予防統制の例です。システムが自動で不審なアクセスを検知するのは発見統制の例です。実施方法ではなく、目的と働きで判断します。

「確認する」「検出する」があれば必ず発見統制?

単語だけでは決められません。

例えば、不正な入力値を検出して登録を拒否する仕組みは、誤ったデータの登録を防ぐという観点では予防統制です。

何の発生を防ぎ、何を見つけるのかを、対象となる処理に沿って読みます。

発見統制は、内部統制の「モニタリング」と同じ?

そのまま同一視はできません。

分類の軸 問うこと
予防統制・発見統制 問題の発生を防ぐか、発生した問題を見つけるか
内部統制の6つの基本的要素 内部統制の仕組みの中で、どの役割に当たるか

日々の業務に組み込まれた伝票照合は、誤りを見つける発見統制であり、6要素では統制活動として位置付けられることがあります。

一方、6要素のモニタリングは、内部統制が有効に機能しているかを評価する役割です。詳しくは内部統制の6つの基本的要素を参照してください。

発見できれば、その問題は解消した?

発見と修正は別です。入力漏れを見つけても、必要なデータを追加したり、原因を調べたりする対応は残ります。

まとめ(試験直前用)

  • 予防統制は、不正やミスの発生を防ぐ仕組み
  • 発見統制は、起きた不正やミスを見つける仕組み
  • 画面設計・教育・権限制限は予防、入力結果と原始伝票の照合は発見の例
  • 手動・自動や「確認」という単語ではなく、対策の目的と働きで判断する
  • 発見統制と内部統制のモニタリング、問題の発見と修正を混同しない

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