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最終更新日:2026年9月23日

まず結論

入力データの監査では、何を確かめたいのかを先に見ます。

特に重要なのは、次の切り分けです。

入力された値は正しい?
→ 正当性

入力すべきものが全部入った?
→ 完全性

同じものが重複していない?
→ 一意性

起票された伝票が漏れなく、重複なく入力されたことを確かめたいなら、原始伝票と入力結果を照合できる方法を選びます。

その代表例が、プルーフリストと原始伝票の照合です。

直感的な説明

10枚の受注伝票をシステムへ入力するとします。

入力されたデータの形式がすべて正しくても、9枚しか入力されていなければ「漏れ」があります。

また、10枚すべて入力されていても、1枚を2回入力していれば「重複」があります。

元の伝票
A B C D E

入力結果
A B C   E
      ↑
      Dがない
→ 完全性の問題

入力結果
A B C D D E
        ↑
        重複
→ 一意性の問題

そこで、

原始伝票
   ↕ 照合
入力結果の一覧

として確認します。

定義・仕組み

完全性

完全性は、入力すべきデータが漏れなく入力されていることです。

例えば、100枚の受注伝票が起票されたなら、100件すべてが処理対象になっているかを確認します。

一意性

一意性は、同じデータが意図せず重複して処理されていないことです。

伝票番号などを使って重複を検出する方法もあります。

正当性

正当性は、入力された値や形式が業務ルールに合っているかという観点です。

例えば、

日付の形式は正しい?
→ フォーマットチェック

注文日と入力日の関係に矛盾はない?
→ 論理チェック

といった確認です。

入力値のチェックについては、入力データのチェックとは?も参照してください。

プルーフリスト

プルーフリストは、入力したデータを確認するために一覧として出力したものです。

原始伝票とプルーフリストを照合すれば、

  • 入力されていない伝票がないか
  • 同じ伝票が重複していないか
  • 入力内容が原票と対応しているか

を確認できます。

FEでは、細かな帳票形式よりも、

元の資料と入力結果を突き合わせる → 漏れ・重複を確認する

という役割を押さえることが重要です。

科目Aでどう出る?

問題文で、

「漏れなく、重複することなく入力されていることを確かめる」

とあれば、まず完全性・一意性の確認だと判断します。

次に、選択肢が何を確認しているかを分けます。

手続・方法 主に確認しているもの
原始伝票とプルーフリストを照合 入力の漏れ・重複
論理チェック 項目間の矛盾
フォーマットチェック 入力形式
例外取引の承認記録を確認 例外処理・承認
プログラムのテスト 処理ロジックの正確性

試験では、方法の名前より「何を確認できるか」で選択肢を切ります。

どんな場面で使う?

販売管理、購買、会計など、伝票や申請データをシステムへ入力する業務で重要になります。

例えば、

受注伝票
→ 販売管理システム

請求書
→ 会計システム

申請書
→ ワークフローシステム

といった処理です。

入力時のチェックだけでなく、入力前の資料と入力後の結果を照合することで、処理全体として漏れや重複がないか確認できます。

よくある誤解・混同

論理チェックやフォーマットチェックをすれば、入力漏れも分かる?

必ずしも分かりません。

例えば、9件のデータがすべて正しい形式でも、本来10件入力すべきなら1件不足しています。

入力された9件
→ 全部形式は正しい

しかし

本来は10件
→ 1件入力漏れ

つまり、入力されたデータの正しさ入力すべきデータが全部あることは別の観点です。

重複チェックだけで完全性も確認できる?

重複チェックは同じデータが複数回入力されていないかを調べる方法です。

しかし、入力されなかったデータは入力結果だけを見ても分からない場合があります。

そのため、漏れを確認するときは原始伝票などの入力元との照合が重要です。

プログラムが正しく動けば、入力の完全性も保証される?

プログラムのロジックが正しくても、入力すべき伝票そのものが入力されなければ漏れは発生します。

プログラムの正確性
≠
入力データの完全性

ここを混同しないようにします。

一次情報で確認する

IPAの基本情報技術者試験シラバス

FEで学ぶ知識・技能の範囲は、IPAの「基本情報技術者試験(レベル2)シラバス」で確認できます。現行版は Ver.9.2 です。

経済産業省のシステム監査基準

経済産業省は、2023年4月に「システム監査基準」を改訂しています。

現在の基準は、システム監査の実施や報告を含む基本的な枠組みを示すものです。

過去問題では旧基準や当時の用語を前提とする場合がありますが、学習では問題が何を確認しようとしているかを現在の監査の考え方と切り分けて理解します。

今回のテーマなら、

入力値は正しい?
→ 正当性

全部処理された?
→ 完全性

重複していない?
→ 一意性

という観点を優先します。

まとめ(試験直前用)

  • 「漏れなく入力」なら、完全性を見る
  • 「重複なく入力」なら、一意性を見る
  • 原始伝票と入力結果の照合は、漏れ・重複の確認に有効
  • プルーフリストは、入力結果を原始伝票と照合するために使える
  • 論理・フォーマットチェックは、主に入力された値の正当性を見る
  • プログラムの正確性と入力データの完全性は別問題
  • 迷ったら「その手続で何を確認できるか」を考える

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