最終更新日:2026年7月10日
fe fe-technology security
まず結論
フィッシングとは、正規のサービスを装って利用者をだまし、ID・パスワードなどの認証情報を入力させる攻撃です。
基本情報技術者試験では、次のように判断すると選択肢を切りやすくなります。
| 用語 | 何を見る? | 判断の合図 |
|---|---|---|
| フィッシング | 利用者をだまして情報を入力させる | 偽メール、偽サイト、URLクリック、認証情報入力 |
| スミッシング | SMSでだまして誘導する | SMS、ショートメッセージ、偽URL |
| ビッシング | 電話でだまして情報を聞き出す | 電話、音声通話、銀行員を装う |
| ファーミング | 正しいURLでも偽サイトへ誘導する | DNS改ざん、hostsファイル改ざん、URLを打っても偽サイト |
| DDoS攻撃 | サービスを止める | 多数の端末、一斉アクセス、サービス不能 |
| ボット | 感染端末を遠隔操作する | C&Cサーバ、命令、踏み台 |
| メールヘッダーインジェクション | メールのヘッダーを不正に追加・変更する | To、Subject、改行文字、メールフォーム |
問題文に 偽のWebサイト、メール本文中のURL、認証情報を入力 が出たら、まず フィッシング を疑います。
直感的な説明
フィッシングは、たとえるなら 本物そっくりの受付を作って、利用者に合鍵の番号を書かせる攻撃 です。
利用者は、本物の銀行やサービスだと思っています。
でも実際には、攻撃者が用意した偽の受付です。
本物らしいメールが届く
↓
メール内のURLをクリックする
↓
本物そっくりの偽サイトに移動する
↓
ID・パスワードを入力する
↓
攻撃者に情報が渡る
ここで大事なのは、ウイルス感染やサーバ停止ではなく、人をだまして情報を入力させる ところです。
英語で言うなら、次のイメージです。
A fake website is used to steal login credentials.
「偽サイトでログイン情報を盗む」と押さえると、問題文から見つけやすくなります。
定義・仕組み
フィッシングは、銀行、クレジットカード会社、ECサイト、宅配業者、クラウドサービスなどを装い、利用者を偽サイトへ誘導して重要情報を入力させる攻撃です。
狙われやすい情報には、次のようなものがあります。
- ID
- パスワード
- ワンタイムパスワード
- クレジットカード番号
- 口座情報
- 個人情報
典型的な流れは次のとおりです。
- 攻撃者が本物に似せたメールやSMSを送る
- 利用者を偽サイトに誘導する
- 利用者にID・パスワードなどを入力させる
- 攻撃者が入力された情報を入手する
- その情報を使って不正ログインや金銭被害につなげる
このテーマは、基本情報技術者試験の「情報セキュリティ」と関係する内容です。公式の出題範囲やシラバスは、IPA:基本情報技術者試験 から確認できます。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、攻撃手順を読んで、どの攻撃かを選ぶ問題が出やすいです。
フィッシングは、次の3点がそろうと判断しやすくなります。
偽メール・SMS
+
偽サイトへの誘導
+
認証情報や個人情報の入力
| 問題文の表現 | 選びたい用語 |
|---|---|
| 金融機関を装ったメールを送り、偽サイトに誘導して認証情報を入力させる | フィッシング |
| SMSで宅配業者などを装い、偽サイトに誘導する | スミッシング |
| 電話で銀行員などを装い、暗証番号や認証情報を聞き出す | ビッシング |
| DNSなどを改ざんし、正しいURLを入力しても偽サイトへ誘導する | ファーミング |
| 多数の端末から一斉にアクセスし、サービスを停止させる | DDoS攻撃 |
| 感染PCがC&Cサーバから命令を受けて動く | ボット |
| 多数のボットをまとめて攻撃に使う | ボットネット |
| メールフォームで改行文字を使い、ToやSubjectなどを不正に追加する | メールヘッダーインジェクション |
試験では、何を盗むのか、何を止めるのか、何を操作するのか を見ると切り分けやすいです。
- 認証情報を盗む → フィッシング
- サービスを止める → DDoS攻撃
- 感染端末を操作する → ボット
- メールヘッダーを改ざんする → メールヘッダーインジェクション
科目Bでどう使う?
科目Bでは、フィッシングが直接答えになるだけでなく、業務上の対策を選ぶ文脈で出ることがあります。
例えば、次のような状況です。
社員が、取引先や社内システムを装ったメールを受け取った。
本文中のURLを開くと、ログイン画面が表示された。
この場合は、次のように読みます。
- メールの送信者は本物か
- URLやドメインは正しいか
- ログイン情報を入力させようとしていないか
- 急がせる表現で判断力を下げていないか
対策としては、次のようなものが関係します。
| 対策 | 役割 |
|---|---|
| メール内リンクを安易に開かない | 偽サイトへの誘導を避ける |
| 公式サイトやブックマークからアクセスする | 正しい入口からログインする |
| URL・ドメイン名を確認する | 偽サイトに気づく |
| 多要素認証を使う | パスワード流出時の被害を下げる |
| SPF・DKIM・DMARCを設定する | なりすましメールを減らす |
| フィッシング訓練を行う | 利用者が気づけるようにする |
科目Bでは、単に「フィッシングを知っているか」よりも、利用者・組織としてどう防ぐか を読むことが大切です。
よくある誤解・混同
フィッシングは、DDoS攻撃、ボット、ファーミング、メールヘッダーインジェクションなどと混同しやすいです。
| 混同しやすい用語 | よくある誤解 | 正しい見方 |
|---|---|---|
| DDoS攻撃 | 偽サイトに誘導する攻撃 | 多数の端末から一斉にアクセスしてサービスを止める攻撃 |
| ボット | 偽メールを送る行為そのもの | 感染端末を外部から命令で動かすマルウェア |
| ボットネット | 偽サイトの集まり | 多数のボットをまとめたネットワーク |
| ファーミング | メールで偽サイトへ誘導する攻撃 | DNSなどを改ざんし、正しいURLでも偽サイトへ誘導する攻撃 |
| スミッシング | メールでのフィッシング | SMSを使ったフィッシング |
| ビッシング | Webサイトで入力させる攻撃 | 電話で情報を聞き出す攻撃 |
| メールヘッダーインジェクション | 偽メールでだます攻撃 | メールヘッダーや本文を不正に追加・変更する攻撃 |
| スパムメール | 必ずフィッシングである | 迷惑メール全般。フィッシングを含むことはあるが同じではない |
特に、フィッシングとファーミングは近く見えます。
- フィッシング:メールなどでURLをクリックさせて 偽サイトへ誘導する
- ファーミング:DNSなどを改ざんして 正しいURLでも偽サイトへ誘導する
また、HTTPSの表示にも注意が必要です。
HTTPSは通信を暗号化する仕組みです。サイト自体が本物であることを、常に保証するものではありません。
そのため、偽サイトでもHTTPSを使っている場合があります。
試験では、HTTPSだから安全 とすぐ判断しないようにします。
まとめ(試験直前用)
- フィッシングは、偽メール・偽サイトで認証情報を入力させる攻撃
- 判断の合図は、偽サイト、URLクリック、ID・パスワード入力
- DDoS攻撃は、サービス停止が目的
- ボットは、感染端末を遠隔操作するマルウェア
- ファーミングは、DNSなどの改ざんで偽サイトへ誘導する攻撃
- スミッシングはSMS、ビッシングは電話を使う
- メールヘッダーインジェクションは、メールヘッダーや本文を不正に追加・変更する攻撃
- HTTPSでも偽サイトの可能性がある