最終更新日:2026年9月5日
fe fe-technology network
まず結論
パケットフィルタリングとは、IPアドレスやポート番号などを条件にして、通信を許可するか遮断するかを判断する仕組みです。
基本情報技術者試験では、次の切り分けが重要です。
Webサーバ
→ HTTPの80番ポートで待ち受ける
クライアントPC
→ 通信ごとに一時的なポート番号を使う
そのため、PCからWebサーバへHTTP通信する場合は、次の形になります。
PC: 一時ポート → Webサーバ: 80
Webサーバ: 80 → PC: 一時ポート
単に「HTTPは80番」と覚えるのではなく、80番がどちら側に付くかを見るのがポイントです。
さらに、マルウェアの外部通信では、HTTPの80番やHTTPSの443番が使われることがあります。
80 / 443
→ 普段のWeb利用でも必要
→ 単純に遮断しにくい
→ 不正通信が正常通信に紛れることがある
直感的な説明
Webサーバを窓口、ポート番号を窓口番号だと考えます。
Webサーバは、HTTPの通信を受け付けるために80番の窓口で待っています。
一方、PCはWebサーバへ接続するとき、自分側に一時的な窓口番号を用意します。
例えば、PCが50000番を使った場合は次のようになります。
PC:50000 → Webサーバ:80
Webサーバが応答するときは、送信元とあて先が入れ替わります。
Webサーバ:80 → PC:50000
つまり、往路と復路は同じポート番号の組を使いますが、送信元とあて先の位置が逆になります。
また、80番や443番は通常のWeb利用にも必要です。マルウェア側から見ると、こうした通信は外部へ出るために許可されている可能性が高く、指令サーバとの通信に悪用しやすいという特徴があります。
定義・仕組み
パケットフィルタリング型ファイアウォールは、パケットのヘッダー情報を確認して通信の可否を判断します。
代表的な確認項目は次のとおりです。
- 送信元IPアドレス
- あて先IPアドレス
- 送信元ポート番号
- あて先ポート番号
- プロトコルの種類
サーバ側のポート
サーバは、提供するサービスに対応したポート番号で待ち受けます。
代表例は次のとおりです。
| サービス | 代表的なポート番号 |
|---|---|
| HTTP | 80 |
| HTTPS | 443 |
| SMTP | 25 |
| DNS | 53 |
試験では、サービス名からサーバ側のポート番号を決めると考えると分かりやすいです。
クライアント側のポート
クライアントは、接続のたびに一時的なポート番号を使います。
古い試験問題では、クライアント側の一時ポートを「1024以上」と表すことがあります。
クライアント:1024以上 → サーバ:80
実務では一時ポートの範囲はOSによって異なりますが、FE試験では問題文の条件に従って判断します。
往路と復路
通信方向ごとに、送信元とあて先を入れ替えて考えます。
| 通信方向 | 送信元ポート | あて先ポート |
|---|---|---|
| PC → Webサーバ | 一時ポート | 80 |
| Webサーバ → PC | 80 | 一時ポート |
なぜマルウェアは80番や443番を使うことがある?
80/TCPはHTTP、443/TCPはHTTPSで使われます。
これらは一般的なWeb閲覧にも必要なので、組織のファイアウォールで外向き通信として許可されていることがあります。
そのため、マルウェアが外部の指令サーバと通信するときに80番や443番を使うと、正常なWeb通信に紛れ込みやすくなります。
試験では次のように整理すると判断しやすくなります。
80番だから検知されない
×
80番は正常なWeb通信でも使う
→ 遮断しにくい
→ 不正通信が紛れることがある
○
なお、ポート番号だけで正常・不正を判断できるわけではありません。FEでは、「通常利用される通信だから通過を許可されている可能性が高い」という理由を選ぶのがポイントです。
このテーマは、基本情報技術者試験の「ネットワーク」や「セキュリティ」と関係する内容です。公式の出題範囲やシラバスは、IPA:基本情報技術者試験から確認できます。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、ファイアウォールのルール表から正しい通信条件を選ぶ問題として出題されます。
問題を解くときは、次の順番で確認します。
1. どちらがクライアントか
2. どちらがサーバか
3. サービス用ポートは何番か
4. 往路か復路か
5. 送信元とあて先を正しく入れ替えたか
例えば、PCからHTTPでWebサーバへ接続する場合は次のとおりです。
PC → Webサーバ
送信元ポート:一時ポート
あて先ポート:80
応答では逆になります。
Webサーバ → PC
送信元ポート:80
あて先ポート:一時ポート
また、マルウェア通信について次のように問われることがあります。
なぜ80/TCPを使うのか
↓
HTTPで一般的に使われる
↓
ファイアウォールで許可されている可能性が高い
ここでは、「HTTP=80」を思い出すだけで終わらず、その通信が通常業務で必要かまで考えるのがポイントです。
試験では、表の1行だけを見るのではなく、要求通信と応答通信の両方が許可されているかを確認します。
科目Bでどう使う?
科目Bでポート番号の組合せがそのまま問われる場面は多くありませんが、通信処理やセキュリティ設定を読むときに役立ちます。
例えば、プログラムや設定表に次のような条件がある場合です。
あて先ポートが80なら通過を許可する
この条件だけでは、PCからWebサーバへの要求は通せても、WebサーバからPCへの応答が通らない可能性があります。
科目Bでは、次の視点が重要です。
要求通信だけでなく応答通信も成立するか
送信元とあて先を逆にして読めているか
条件の適用方向が合っているか
つまり、ポート番号を暗記するだけでなく、通信の向きと状態の変化を追う力につながります。
SG試験との違い
SG試験でも、パケットフィルタリングやファイアウォール設定は重要です。
ただし、重視する視点は少し異なります。
| 試験 | 重視する視点 |
|---|---|
| SG試験 | 業務上必要な通信だけを許可し、不要な通信を遮断する運用判断 |
| FE試験 | クライアント・サーバ・ポート番号・通信方向を技術的に読み取ること |
SG試験では、公開すべきポートや不要な通信の遮断が中心です。
FE試験では、それに加えて、次のような仕組みの理解が必要です。
サーバ側はサービス用ポート
クライアント側は一時ポート
往路と復路では送信元・あて先が逆
同じテーマでも、FEでは通信の仕組みを正確に追う視点を残しておくと役立ちます。
よくある誤解・混同
| 誤解 | 正しい理解 |
|---|---|
| HTTP通信ではPC側も80番を使う | 80番は通常Webサーバ側の待受ポート |
| 応答通信も送信元PC・あて先Webサーバのまま | 応答では送信元とあて先が逆になる |
| あて先ポート80だけ許可すれば通信は成立する | 応答側の通信条件も必要 |
| 1024以上はWebサーバ側のポート | 古いFE問題ではクライアント側の一時ポートとして扱う |
| 80番を使えばマルウェアは必ず検知されない | 通常のWeb通信で使われるため、単純に遮断しにくいだけ |
| HTTPSは80番 | HTTPSは443番。HTTPが80番 |
| DNSは80番 | DNSは53番 |
| ポート番号だけ見ればよい | 通信方向とクライアント・サーバの役割も確認する |
一番重要な切り分けは、次のとおりです。
サービスを待ち受ける側
→ 決まったポート番号
通信を開始する側
→ 一時ポート番号
応答通信
→ 送信元とあて先を入れ替える
80 / 443を使う不正通信
→ 正常なWeb通信に紛れる可能性を考える
まとめ(試験直前用)
- HTTPは80/TCP、HTTPSは443/TCP、DNSは53番
- Webサーバ側はサービス用ポート、クライアント側は一時ポートを使う
- 往路と復路では送信元とあて先が逆になる
- 80番や443番は通常のWeb利用にも必要なため、単純に遮断しにくい
- マルウェアが80番を使う理由では「正常なWeb通信として許可されやすい」を選ぶ