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最終更新日:2026年7月25日

まず結論

マスタファイルの整備では、重複や誤りを確認し、削除する場合は関連するシステムやデータから参照されていないことを確かめるのが基本です。

科目Aでは、次の判断基準を覚えておくと選択肢を切りやすくなります。

今月使われていない
≠
どこからも使われていない

売上や利用実績がないという理由だけで、マスタデータをすぐに物理削除してはいけません。

直感的な説明

マスタファイルは、会社で使う「基本台帳」のようなものです。

例えば、顧客マスタには次のような情報が登録されています。

顧客コード 顧客名 住所
C001 A商事 東京都
C002 B工業 大阪府

販売データでは、顧客名を毎回入力するのではなく、顧客コードを使って顧客マスタを参照します。

販売データ
顧客コード C001
       ↓
顧客マスタ
C001 = A商事

このとき、顧客マスタの C001 を先に削除すると、販売データに顧客コードだけが残り、どの顧客の販売だったのか確認しにくくなります。

そのため、マスタを削除するときは、過去データを含めて、そのレコードがどこかで使われていないかを確認します。

定義・仕組み

マスタファイルとは、業務システムで繰り返し参照される基本情報をまとめたファイルやテーブルです。

代表例には次のようなものがあります。

  • 顧客マスタ
  • 商品マスタ
  • 社員マスタ
  • 取引先マスタ
  • 部門マスタ

一方、売上や注文など、その都度発生するデータはトランザクションデータと呼ばれます。

種類 主な役割
マスタデータ 業務で共通して使う基本情報 顧客、商品、社員
トランザクションデータ 業務で発生した出来事の記録 売上、注文、入出庫

マスタファイルの整備では、主に次の点を確認します。

重複していないか

同じ顧客が別の顧客コードで登録されると、売上が複数の顧客に分かれて集計されてしまいます。

C001 A商事
C105 株式会社A商事

主キーが異なれば、システム上は別レコードとして扱われます。しかし、現実には同じ顧客かもしれないため、主キーが異なることだけを理由に残してよいとは限りません。

内容が正しいか

その月に売上があったとしても、住所や顧客名などの内容が正しいとは限りません。

売上がある
≠
マスタの内容が正しい

利用実績の有無とは別に、登録内容を確認する必要があります。

削除しても影響がないか

削除する前に、販売管理システムだけでなく、会計、在庫、請求などの関連システムでも使われていないかを確認します。

削除候補を見つける
        ↓
関連するデータやシステムからの参照を調べる
        ↓
業務上も不要かを確認する
        ↓
削除または無効化する

このテーマは、基本情報技術者試験の「データベース」や「データ管理」と関係する内容です。公式の出題範囲やシラバスは、IPA:基本情報技術者試験 から確認できます。

科目Aでどう出る?

科目Aでは、マスタファイルを整理するときの適切な対応を選ぶ問題として出ることがあります。

判断するときは、選択肢の理由に注目します。

選択肢の考え方 判断
主キーが違うので、同じ対象に見えてもそのまま残す 不適切。同一対象の重複登録か確認する
削除前に、関連するシステムやデータから参照されていないか確認する 適切
最近使われたので、登録内容も正しいとみなす 不適切。利用実績と内容の正しさは別
今月使われなかったので、すぐに物理削除する 不適切。過去データや他システムから使われている可能性がある

特に、次のような強い表現には注意します。

そのまま残す
確認の対象外とする
月末に物理的に削除する

マスタ整備では、機械的に残したり削除したりするのではなく、重複、内容、参照関係、業務上の必要性を確認します。

どんな場面で使う?

問題文に次のような関係が書かれていたら、参照元と参照先を整理します。

売上データ → 顧客マスタ
請求データ → 顧客マスタ
保守履歴   → 顧客マスタ

顧客マスタを削除する場合は、どのデータがその顧客コードを使っているかを確認します。

読む順番は次のとおりです。

  1. 削除対象はどのマスタか
  2. どのシステムやテーブルが参照しているか
  3. 過去データにも影響するか
  4. 削除ではなく無効化で対応できないか

単に「最近使われていない」という情報だけでは、削除してよいとは判断できません。

よくある誤解・混同

主キーが違えば、重複ではない

主キーが異なれば、データベース上は別レコードです。

しかし、同じ顧客が別コードで登録されている場合は、業務上の重複です。

主キーが違う
→ システム上は別レコード

現実の対象が同じ
→ 業務上は重複の可能性がある

売上があれば、マスタ内容も正しい

売上が記録されていることは、その顧客コードが使われたことを示すだけです。

顧客名、住所、連絡先などが正しいことまでは保証しません。

売上がなければ削除してよい

今月の売上がなくても、過去の売上、請求、保守履歴などから参照されていることがあります。

また、季節的に取引がないだけで、今後も利用する顧客かもしれません。

削除と無効化は同じ

物理削除は、レコードそのものを消します。

無効化は、レコードを残したまま新しい取引で使えない状態にします。

対応 データの状態 過去記録との関係
物理削除 レコードを消す 参照できなくなる可能性がある
無効化 レコードを残す 過去記録をたどりやすい

過去データとの関係を残したい場合は、削除より無効化が適することがあります。

まとめ(試験直前用)

  • マスタファイルは、顧客や商品などの基本情報を管理する
  • 主キーが異なっても、同じ対象の重複登録か確認する
  • 利用実績があっても、登録内容が正しいとは限らない
  • 削除前に、関連システムや過去データから参照されていないか確認する
  • 「今月使われていない」と「どこからも使われていない」を混同しない
  • 物理削除だけでなく、無効化も検討する

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