最終更新日:2026年8月2日
fe fe-technology basic-theory
まず結論
論理式は、最初から難しい数式として考えなくても大丈夫です。
まず、記号を次の日本語へ置き換えます。
A • B
→ AかつB
→ AとBの両方が成り立つ
A + B
→ AまたはB
→ AとBのどちらかが成り立つ
A̅
→ Aではない
式を簡単化するときは、次の順番で考えます。
1. 同じ部分を探す
2. 同じ部分を外へ出す
3. A + A̅ = 1 を使う
4. A • 1 = A を使う
覚える一文はこれです。
論理積
•は「両方とも」、論理和+は「どちらか」。同じ部分があれば、まずくくる。
直感的な説明
論理式の記号が出ると、急に数学の問題に見えるかもしれません。
しかし、式が表しているのは「条件の組合せ」です。
例えば、
X • Y • Z
は、掛け算をしているのではありません。
Xであり、
Yであり、
さらにZでもある
という意味です。
一方、
X • Y • Z + X̅ • Y • Z
は、次の二つの条件を表します。
Xであり、Yであり、Zである
または
Xではなく、Yであり、Zである
ここで両方に共通しているのは、
Yであり、Zである
という部分です。
Xであっても、Xでなくてもよいため、結局必要なのは Y • Z だけです。
Xの場合でも Y • Z
Xでない場合でも Y • Z
→ Xは結果に関係しない
→ Y • Z
これが、式変形の意味です。
定義・仕組み
論理積・論理和・否定
代表的な論理演算は、次のように表します。
| 名前 | 記号 | 日本語での意味 | 1になる条件 |
|---|---|---|---|
| 論理積(AND) | A • B |
AかつB | AとBの両方が1 |
| 論理和(OR) | A+B |
AまたはB | AとBのどちらかが1 |
| 否定(NOT) | A̅ または ¬A |
Aではない | Aが0 |
特に、論理積の • は算数の掛け算ではなく、「両方の条件を満たす」という意味です。
共通部分をくくる
次の式を考えます。
X • Y • Z + X̅ • Y • Z
両方の項に Y • Z が含まれています。
そこで、共通する Y • Z を外へ出します。
X • Y • Z + X̅ • Y • Z
= Y • Z • (X + X̅)
これは、通常の計算で次のようにくくる考え方と同じです。
a • b + c • b
= b • (a+c)
補元律を使う
X と X̅ は、「Xである」と「Xではない」です。
どちらか一方は必ず成り立つため、
X + X̅ = 1
となります。
したがって、
Y • Z • (X + X̅)
= Y • Z • 1
= Y • Z
となります。
よく使う法則
| 法則 | 式 | 日本語での意味 |
|---|---|---|
| 補元律 | A+A̅=1 |
AかAでないかのどちらかは必ず成り立つ |
| 補元律 | A • A̅=0 |
Aであり、同時にAでないことはない |
| 恒等律 | A • 1=A |
必ず成り立つ条件とのANDはA |
| 恒等律 | A+0=A |
成り立たない条件とのORはA |
| 分配法則 | A • B+A • C=A • (B+C) |
同じ部分をくくる |
| 吸収法則 | A+A • B=A |
Aだけで既に条件を満たしている |
| べき等律 | A+A=A |
AまたはAはA |
| べき等律 | A • A=A |
AかつAはA |
公式の出題範囲やシラバスは、IPA:基本情報技術者試験 から確認できます。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、次のような形で出題されます。
- 論理式と等価な式を選ぶ
- 論理回路が表す式を選ぶ
- ベン図と一致する式を選ぶ
- 式を簡単化した結果を選ぶ
まず日本語へ置き換える
式変形が難しく感じる場合は、いきなり法則を使わず、日本語へ置き換えます。
X • Y • Z
→ XかつYかつZ
X̅ • Y • Z
→ Xではなく、YかつZ
二つを合わせると、
XであってもYかつZ
XでなくてもYかつZ
です。
そのため、Xは結果に関係せず、
Y • Z
が残ります。
式変形で解く
X • Y • Z + X̅ • Y • Z
= Y • Z • (X + X̅)
= Y • Z • 1
= Y • Z
使った法則は、次の三つです。
共通部分をくくる
→ 分配法則
X + X̅ = 1
→ 補元律
Y • Z • 1 = Y • Z
→ 恒等律
真理値表で確認する
式変形に自信がない場合は、真理値表で確認できます。
| X | Y | Z | X • Y • Z |
X̅ • Y • Z |
全体 | Y • Z |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 0 | 1 | 1 | 0 | 1 | 1 | 1 |
| 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 1 | 1 | 1 | 1 | 0 | 1 | 1 |
「全体」と Y • Z の結果がすべて同じなので、二つの式は等価です。
科目Bでどう使う?
科目Bでは、論理式の考え方が条件分岐を読むときに役立ちます。
例えば、
利用者が有効
かつ
パスワードが正しい
という条件は、
有効 • パスワード正しい
と考えられます。
疑似言語では、次のような条件です。
if 有効 = true and パスワード正しい = true
読み方は同じです。
AND
→ 全条件を満たす必要がある
OR
→ どれか一つを満たせばよい
NOT
→ 条件を反対にする
複雑な条件式も、まず一つずつ日本語へ戻して考えると読みやすくなります。
よくある誤解・混同
• を普通の掛け算だと思う
論理積の • は、数値を掛けるというより、条件を「かつ」でつないでいます。
A • B
→ AかつB
→ AとBの両方が必要
+ を数値の足し算だと思う
論理和の + は、「または」を表します。
A+B
→ AまたはB
AとBが両方とも1でも、結果は2ではなく1です。
X + X̅ = 0 だと思う
逆です。
X + X̅ = 1
Xであるか、Xでないかのどちらかは必ず成り立ちます。
一方、
X • X̅ = 0
です。
Xであり、同時にXでないことはありません。
ベン図を描かなければ解けない
ベン図は確認には便利ですが、毎回描く必要はありません。
次の形を見つけたら、式変形の方が早く解けます。
A • B + A̅ • B
= B • (A+A̅)
= B
共通項を一部分だけ見落とす
X • Y • Z + X̅ • Y • Z
では、共通するのは Y だけではなく Y • Z です。
共通部分をできるだけまとめてくくると、式が簡単になります。
まとめ(試験直前用)
- 論理積
•は「かつ」「両方とも」 - 論理和
+は「または」「どちらか」 - 否定は「〜ではない」
- 同じ部分があれば、分配法則でくくる
A+A̅=1、A • A̅=0A • B+A̅ • B=Bの形を覚える- 式が難しく見えたら、まず日本語へ置き換える
数式として見る前に、「かつ・または・ではない」と読んでみる。