最終更新日:2026年8月30日
fe fe-technology system-architecture virtualization cloud
まず結論
ライブマイグレーションとは、稼働中の仮想サーバを、OSやアプリケーションを停止させずに別の物理サーバへ移す技術です。
FE試験では、次の表現を見つけたらライブマイグレーションを疑います。
稼働中の仮想サーバ
+
停止せず別の物理サーバへ移動
科目Aの選択肢では、次のように切り分けます。
| 説明 | 用語 |
|---|---|
| 稼働したまま仮想サーバを移す | ライブマイグレーション |
| 利用頻度に応じてデータの保存先を変える | ストレージ自動階層化 |
| 共有しながら利用者ごとにデータを分離する | マルチテナント |
| 必要に応じてCPUやメモリを割り当てる | リソースオンデマンド |
直感的な説明
物理サーバを実際の建物、仮想サーバを建物の中の部屋だと考えます。
物理サーバA
├ 仮想サーバ1
├ 仮想サーバ2
└ 仮想サーバ3
ライブマイグレーションは、利用中の部屋を止めずに、別の建物へ引っ越すイメージです。
物理サーバA
└ 仮想サーバ(稼働中)
↓ 停止せず移動
物理サーバB
└ 仮想サーバ(稼働を継続)
英語では、次の意味です。
- live:稼働中のまま
- migration:移動・移行
つまり、止めずに移すことが中心です。
定義・仕組み
物理サーバと仮想サーバ
物理サーバは、CPU、メモリ、ストレージなどを備えた実際のコンピュータです。
仮想サーバは、その物理サーバ上にソフトウェアで作られた論理的なサーバ環境です。
物理サーバ
├ 仮想サーバA
│ └ OS・アプリケーション
├ 仮想サーバB
│ └ OS・アプリケーション
└ 仮想サーバC
└ OS・アプリケーション
ハイパーバイザ
複数の仮想サーバを物理サーバ上で動かすために、ハイパーバイザを使います。
仮想サーバA ┐
仮想サーバB ├ ハイパーバイザ
仮想サーバC ┘
↓
CPU・メモリ・ストレージ
FE試験では、ハイパーバイザは「物理資源を複数の仮想マシンへ割り当てるもの」と押さえれば十分です。
ライブマイグレーションの流れ
ライブマイグレーションでは、仮想サーバの実行状態を別の物理サーバへ移します。
主な移動対象は次のとおりです。
- メモリ上のデータ
- CPUの実行状態
- 仮想サーバの設定
- ネットワーク接続の状態
概念的には次の流れです。
1. 移動先の物理サーバを準備する
2. メモリ内容などをコピーする
3. 差分を繰り返し同期する
4. 最後の切替えを短時間で行う
5. 移動先で処理を継続する
「停止しない」と表現されますが、実際には切替え時にごく短い停止が発生する場合があります。
FE試験では、利用者から見てほぼ停止せず移動すると理解すれば十分です。
仮想サーバ運用サービスとIaaSの関係
仮想サーバ運用サービスは、IaaSと近いイメージです。
IaaSは、仮想サーバ、ストレージ、ネットワークなどのIT基盤をサービスとして利用する形態です。
| 用語 | 何を表すか |
|---|---|
| 仮想サーバ運用 | 仮想サーバを作成・配置・移動・監視する運用の仕組み |
| IaaS | 仮想サーバなどのIT基盤をサービスとして提供する形態 |
関係を整理すると、次のようになります。
仮想サーバ運用技術
→ IaaSを支える技術として使われる
IaaSでライブマイグレーションが使われることはありますが、ライブマイグレーションは社内の仮想化基盤でも使えます。
そのため、仮想サーバ運用=必ずIaaSではありません。
SaaS・PaaS・IaaSの違いは、SaaSとは?PaaS・IaaSとの違いで整理しています。
科目Aでどう出る?
ライブマイグレーションを選ぶ目印
次の言葉があれば、ライブマイグレーションを疑います。
- 仮想マシン・仮想サーバ
- 稼働中のまま
- OSやアプリケーションを停止しない
- 別の物理サーバへ移す
- 保守のために退避する
類似用語の切り分け
仮想サーバを動かす
→ ライブマイグレーション
データを適切な保存先へ動かす
→ ストレージ自動階層化
利用者ごとに分ける
→ マルチテナント
CPU・メモリなどを増減する
→ リソースオンデマンド
ストレージ自動階層化
利用頻度に応じて、データの保存先を自動的に変更する技術です。
よく使うデータ
→ 高速なストレージ
あまり使わないデータ
→ 低速で安価なストレージ
マルチテナント
1つのシステムを複数の利用者で共有しながら、利用者ごとのデータや設定を分離する考え方です。
リソースオンデマンド
必要に応じてCPU、メモリ、ストレージなどを割り当て、不要になれば回収する考え方です。
どんな場面で使う?
物理サーバを保守するとき
保守対象の物理サーバから仮想サーバを退避し、サービス停止時間を短くします。
負荷を分散するとき
1台の物理サーバへ負荷が集中した場合、仮想サーバを別の物理サーバへ移します。
障害の予兆があるとき
完全に故障する前に、仮想サーバを別の物理サーバへ退避することがあります。
物理サーバを集約するとき
利用が少ない時間帯に仮想サーバを少数の物理サーバへ集め、空いた物理サーバを停止して消費電力を抑えることがあります。
よくある誤解・混同
ライブマイグレーションはバックアップである
バックアップは復旧用コピーを保存するものです。
ライブマイグレーションは仮想サーバの稼働場所を変更するものです。
ライブマイグレーションはフェイルオーバと同じ
計画的に仮想サーバを移す
→ ライブマイグレーション
障害時に待機系へ切り替える
→ フェイルオーバ
IaaSとライブマイグレーションは同じ
IaaSはサービスの提供形態、ライブマイグレーションは仮想化基盤の運用技術です。
仮想サーバ運用はすべてクラウドである
仮想サーバは、社内に設置した物理サーバ上でも運用できます。
自社設備で仮想サーバを運用
→ オンプレミスの仮想化基盤
事業者から仮想サーバを借りる
→ IaaSの一例
まとめ(試験直前用)
- ライブマイグレーションは、稼働中の仮想サーバを停止せず別の物理サーバへ移す技術
- 仮想サーバは、物理サーバ上に作られた論理的なサーバ環境
- ストレージ自動階層化はデータの保存先を変える
- マルチテナントは利用者ごとにデータを分離する
- リソースオンデマンドは必要に応じて資源を増減する
- IaaSはサービス形態、ライブマイグレーションは運用技術
一言で覚えるなら、
稼働中の仮想サーバを止めずに移すなら、ライブマイグレーション。