最終更新日:2026年7月18日
fe fe-technology network communication-calculation
まず結論
回線利用率は、回線が送信できる最大容量に対して、実際にどれだけのデータを送っているかを表す割合です。
基本式は次です。
回線利用率
= 実際の伝送量 ÷ 回線の伝送可能量
基本情報技術者試験では、次の順番で計算すると安定します。
1. 1回の送信データ量を求める
2. 一定時間の送信回数を求める
3. 実際の伝送量を求める
4. 回線容量を同じ時間・同じ単位にそろえる
5. 伝送量 ÷ 回線容量
判断軸は次の一文です。
ヘッダーを含めた実際の送信量を、同じ時間単位に直した回線容量で割る。
直感的な説明
回線を道路に置き換えると分かりやすくなります。
道路が1時間に通せる最大台数
→ 回線容量
実際に1時間で通った台数
→ 実際の伝送量
例えば、1時間に最大1,000台通れる道路を、実際には500台が通った場合、利用率は50%です。
500 ÷ 1,000 = 0.5 = 50%
通信回線も同じです。
ただし、通信では次の単位変換が入ります。
- ビットとバイト
- 秒と分・時間
- 伝票件数と送信データ件数
- 本文データとヘッダー
計算問題では、公式そのものよりも単位をそろえることが大切です。
定義・仕組み
回線利用率の基本式
回線利用率は次の式で求めます。
回線利用率
= 実際の伝送量 ÷ 回線の伝送可能量
百分率で答える場合は、最後に100を掛けます。
回線利用率(%)
= 実際の伝送量 ÷ 回線容量 × 100
1回の送信データ量を求める
送信データには、本文だけでなくヘッダーが付くことがあります。
例えば、2,000バイトのデータを2件まとめ、400バイトのヘッダーを付ける場合は、次のようになります。
2,000バイト × 2件 + 400バイト
= 4,400バイト
ここで重要なのは、ヘッダー400バイトが伝票1件ごとではなく、まとめた送信データ1件ごとに付くことです。
誤り:2,000+400 を2件分
正しい:2,000×2+400
送信回数を求める
1時間に100,000件の伝票が発生し、2件ずつまとめて送信するなら、送信回数は半分です。
100,000件 ÷ 2件
= 50,000回
実際の伝送量を求める
1回4,400バイトを50,000回送信するので、1時間の伝送量は次のとおりです。
4,400バイト × 50,000回
= 220,000,000バイト
= 220Mバイト
回線容量を同じ時間単位にする
回線速度が1Mビット/秒なら、1時間の容量へ変換します。
まず、ビットをバイトへ直します。
1バイト = 8ビット
したがって、
1Mビット/秒 ÷ 8
= 0.125Mバイト/秒
1時間は3,600秒なので、
0.125Mバイト/秒 × 3,600秒
= 450Mバイト
回線利用率を求める
実際の伝送量は220Mバイト、回線容量は450Mバイトです。
220 ÷ 450
= 0.4888...
≒ 49%
科目Aでどう出る?
科目Aでは、複数の条件を一つずつ整理して計算する問題が出ます。
よく使われる条件
- 1件当たりのデータ量
- 複数件をまとめて送信
- ヘッダーや制御情報の追加
- 1秒・1分・1時間当たりの発生件数
- 回線速度がビット/秒
- 答えを百分率で求める
安定する計算手順
次の順番でメモすると、途中で混乱しにくくなります。
① 1送信の大きさ
② 送信回数
③ 実際の伝送量
④ 回線容量
⑤ 利用率
今回のような条件なら、次の形です。
| 項目 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 1送信の大きさ | 2,000×2+400 | 4,400バイト |
| 1時間の送信回数 | 100,000÷2 | 50,000回 |
| 実際の伝送量 | 4,400×50,000 | 220Mバイト |
| 1時間の回線容量 | 1Mビット÷8×3,600 | 450Mバイト |
| 回線利用率 | 220÷450 | 約49% |
選択肢から逆算する方法
計算結果が選択肢と合わない場合は、次を確認します。
ヘッダーを入れ忘れていないか
2件を1送信にまとめたことを反映したか
ビットをバイトへ直したか
1時間を3,600秒としているか
この4点が、よくあるずれの原因です。
どんな場面で使う?
回線の混雑を見積もる
回線利用率が高いほど、回線に余裕が少ない状態です。
利用率が低い
→ 余裕がある
利用率が高い
→ 混雑や遅延が起きやすい
ただし、利用率が100%未満だから必ず問題がないとは限りません。
通信量は時間によって変動するため、平均利用率が低くても、一時的なピークで混雑することがあります。
回線速度の見直し
利用率が継続して高い場合は、次の対策を検討します。
- 回線速度を上げる
- 送信時間を分散する
- データを圧縮する
- 送信単位を見直してヘッダーの割合を減らす
ヘッダーの影響を見る
小さなデータを何度も送信すると、ヘッダーの割合が大きくなります。
本文100バイト+ヘッダー100バイト
→ 半分がヘッダー
本文10,000バイト+ヘッダー100バイト
→ ヘッダーの割合は小さい
複数件をまとめて送るのは、ヘッダーによるオーバーヘッドを減らす方法の一つです。
よくある誤解・混同
発生した伝票件数と送信回数は同じ
誤りです。
複数件をまとめて送る場合、送信回数は減ります。
伝票100,000件
2件ずつ送信
↓
送信回数50,000回
ヘッダーは元データ1件ごとに付く
問題文の条件を確認する必要があります。
「2件ずつまとめ、それにヘッダーを付加する」とある場合は、まとめた送信単位ごとに1回です。
データ2件+ヘッダー1個
1Mビット/秒は1Mバイト/秒である
誤りです。
1バイト = 8ビット
したがって、
1Mビット/秒
= 0.125Mバイト/秒
です。
Mは必ず1,024×1,024で計算する
試験問題では、特に指定がなければ、回線速度や通信量の計算でMを10の6乗として扱うことが多くあります。
ただし、問題文に1K=1,024などの指定がある場合は、その指定に従います。
平均利用率が低ければ遅延は起きない
誤りです。
平均値では、短時間の通信集中を見落とすことがあります。
平均利用率
→ 全体としての使用割合
ピーク時利用率
→ 最も混雑する時間帯の使用割合
実務では、平均値だけでなくピークも確認します。
まとめ(試験直前用)
- 回線利用率は、実際の伝送量 ÷ 回線容量で求める
- 送信データ量には、本文だけでなくヘッダーも含める
- 複数件をまとめる場合、伝票件数と送信回数は異なる
- 回線速度のビットと、データ量のバイトをそろえる
- 1時間で比較するなら、回線速度に3,600秒を掛ける
1送信量
= 2,000×2+400
= 4,400バイト
送信回数
= 100,000÷2
= 50,000回
実際の伝送量
= 4,400×50,000
= 220Mバイト
回線容量
= 1Mビット÷8×3,600
= 450Mバイト
回線利用率
= 220÷450
≒ 49%
試験直前には、次の一文を思い出してください。
ヘッダー込みの送信量を求め、ビットとバイト、秒と時間をそろえてから割る。