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最終更新日:2026年7月31日

まず結論

フリップフロップは、二つの安定状態をもち、1ビットの情報を保持できる順序回路です。

試験では、次の対応で切り分けます。

二つの安定状態で1ビットを記憶
→ フリップフロップ

現在の入力だけで出力が決まる
→ 組合せ回路

2進数を加算する
→ 加算器

電荷を蓄える
→ コンデンサ

決め手は、過去の状態を保持するかどうかです。

直感的な説明

壁のスイッチを考えると分かりやすいです。

上側で安定
→ ON

下側で安定
→ OFF

一度切り替えると、次に操作するまでその状態を保ちます。

フリップフロップも同じように、二つの状態のどちらかに落ち着き、その状態を保持します。

状態A
→ 0を保持

状態B
→ 1を保持

1ビットで表せる値は 01 の二つなので、二つの安定状態を対応させることで、1ビットを記憶できます。

定義・仕組み

組合せ回路と順序回路

論理回路は、大きく次の二つに分けられます。

回路 出力を決めるもの 記憶
組合せ回路 現在の入力 しない
順序回路 現在の入力と過去の状態 する

組合せ回路の代表例は、論理ゲートや加算器です。

現在の入力
↓
組合せ回路
↓
現在の出力

一方、順序回路は内部に状態を保持します。

現在の入力
+
以前に保持した状態
↓
順序回路
↓
現在の出力と次の状態

つまり、順序回路の「順序」は、単に処理を順番に行うという意味ではありません。

過去の状態が、現在の出力に影響する回路

という意味です。

フリップフロップが1ビットを保持する仕組み

フリップフロップは、出力の一部を入力側へ戻す帰還を利用して、状態を保持します。

出力
↓
入力側へ戻す
↓
現在の状態を維持

この帰還によって、外部から新しい指示が来るまで、0または1の状態を保てます。

代表的なフリップフロップには、次の種類があります。

  • SRフリップフロップ
  • Dフリップフロップ
  • JKフリップフロップ
  • Tフリップフロップ

基本情報技術者試験では、まず個別の違いよりも、1ビットを保持する順序回路という共通点を押さえることが重要です。

NANDゲートとの関係

NANDゲート単体は、現在の入力に応じて出力を決める論理回路です。

ANDの結果
↓ 反転
NAND

しかし、NANDゲートを複数用意して相互に帰還接続すると、状態を保持する回路を構成できます。

NANDゲート単体
→ 論理演算

NANDゲートを帰還接続
→ フリップフロップやラッチを構成

そのため、「NANDゲートでフリップフロップを作れる」ことと、「NANDゲートそのものがフリップフロップである」ことは別です。

フリップフロップとラッチ

どちらも1ビットを保持する回路です。

試験対策としては、次のように整理すると分かりやすいです。

ラッチ
→ 入力が有効な間、状態が変化する

フリップフロップ
→ クロックの変化点で状態を取り込む

厳密な用語の使い方は回路や教材によって異なることがありますが、まずは両方とも状態を保持する順序回路だと理解しておけば十分です。

どんな場面で使う?

レジスタ

複数のフリップフロップを並べると、複数ビットを保持できます。

フリップフロップ1個
→ 1ビット

フリップフロップ8個
→ 8ビット

CPU内部のレジスタは、計算途中の値や命令情報などを一時的に保持します。

カウンタ

フリップフロップの状態を順番に切り替えることで、入力されたパルスの回数を数えられます。

クロック入力
↓
状態が変化
↓
回数を2進数で保持

SRAM

SRAMは、フリップフロップ型の回路を使って情報を保持します。

フリップフロップ型回路
↓
電源供給中は状態を保持
↓
定期的なリフレッシュが不要

詳しくは、SRAMとは?リフレッシュ不要で高速なキャッシュメモリで整理しています。

制御回路

現在の入力だけでなく、直前までの動作状態を考慮する制御にも使われます。

  • 状態機械
  • 通信制御
  • タイミング制御
  • CPUの命令制御

よくある誤解・混同

コンデンサも1ビットを記憶するので、フリップフロップと同じ?

同じではありません。

コンデンサは電荷を蓄える電子部品です。DRAMでは、電荷の有無を0と1に対応させます。

コンデンサ
→ 電荷を蓄える
→ DRAMで使う

フリップフロップ
→ 二つの状態を保持する
→ SRAMで使う

コンデンサの電荷は時間とともに失われるため、DRAMにはリフレッシュが必要です。

詳しくは、DRAMとは?コンデンサとリフレッシュの仕組みで確認できます。

加算器も論理回路なので、順序回路?

加算器は組合せ回路です。

入力された2進数
↓
加算器
↓
和と桁上がり

過去の入力を保持せず、現在の入力だけで出力が決まります。

NANDゲートは二つの安定状態をもつ?

NANDゲート単体は、入力に対する論理演算を行う回路です。

ただし、複数のNANDゲートを帰還接続すると、状態を保持する回路を作れます。

部品
→ NANDゲート

構成された記憶回路
→ フリップフロップ

順序回路は処理を順番に実行する回路?

それだけではありません。

順序回路の本質は、過去の状態を記憶し、その状態が現在の出力に影響することです。

SRAMとDRAMの対応を逆に覚える

次の組合せで覚えると安定します。

メモリ 記憶要素 リフレッシュ 主な用途
SRAM フリップフロップ型回路 不要 キャッシュメモリ
DRAM コンデンサ 必要 主記憶
SRAM
→ フリップフロップ
→ 高速・リフレッシュ不要

DRAM
→ コンデンサ
→ 高集積・リフレッシュ必要

まとめ(試験直前用)

二つの安定状態で1ビットを記憶
→ フリップフロップ

現在の入力だけで出力が決まる
→ 組合せ回路

過去の状態も出力に影響する
→ 順序回路

電荷を蓄える
→ コンデンサ

選択肢では、次の順に確認します。

  1. 状態を記憶するか
  2. 二つの安定状態をもつか
  3. 過去の状態が出力に影響するか

判断表にすると次のとおりです。

キーワード 用語
二つの安定状態、1ビット、記憶 フリップフロップ
現在の入力だけ、論理演算 組合せ回路
2進数の加算 加算器
電荷を蓄える コンデンサ
SRAM、リフレッシュ不要 フリップフロップ型回路
DRAM、リフレッシュ必要 コンデンサ

一言で覚えるなら、

フリップフロップは、二つの状態を切り替えて1ビットを覚える回路。

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