最終更新日:2026年8月8日
fe fe-technology database data-modeling
まず結論
E-R図(Entity-Relationship Diagram)とは、データベースで扱う対象を、実体(Entity)と関連(Relationship)を中心に表す図です。
基本情報技術者試験では、次の言葉を手掛かりにすると判断しやすくなります。
実体・関連
→ E-R図
オブジェクト指向
→ UML
状態の変化
→ 状態遷移図
データの流れ
→ DFD
覚える一文はこれです。
実体と関連でデータベースの構造を表すのがE-R図。
直感的な説明
E-R図は、データベースを作る前に、何を管理し、それらがどうつながっているかを整理する図です。
例えば、販売管理を考えます。
顧客
注文
商品
これらは、管理したい対象なので「実体」です。
そして、
顧客が注文する
注文に商品が含まれる
というつながりが「関連」です。
つまりE-R図では、
何を管理するか
+
どう関係するか
を見える形にします。
定義・仕組み
E-R図では、主に次の3つを整理します。
実体(Entity)
実体は、データとして管理したい対象です。
顧客
商品
注文
社員
部署
のように、現実世界の「もの」や「概念」を表します。
属性(Attribute)
属性は、実体が持つ情報です。
例えば「顧客」という実体なら、次のような属性があります。
顧客ID
氏名
住所
電話番号
「商品」なら、
商品ID
商品名
価格
などです。
関連(Relationship)
関連は、実体同士のつながりです。
顧客 ─ 注文する ─ 注文
注文 ─ 含む ─ 商品
試験では、実体そのものと実体同士の関係を分けて考えることが大切です。
このテーマは、基本情報技術者試験のデータベース設計に関係する内容です。公式の出題範囲やシラバスは、IPA:基本情報技術者試験 から確認できます。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、図の目的や用語の意味を問う形で出題されます。
図の種類を切り分ける
| 問題文の表現 | 選びたい図 |
|---|---|
| 実体と関連で対象世界を表す | E-R図 |
| オブジェクト指向モデルを表す | UML |
| 状態が時間やイベントで変化する様子 | 状態遷移図 |
| データの流れを表す | DFD |
一番短い判断基準はこれです。
実体・関連
→ E-R図
1対1・1対多・多対多
E-R図では、実体同士が何件ずつ対応するかも重要です。
1対1
1人の社員
↕
1つの社員証
一方の1件に対して、もう一方も1件だけ対応します。
1対多
1人の顧客
↓
複数の注文
1件に対して複数件が対応します。
多対多
複数の注文
↕
複数の商品
両側が複数件ずつ対応します。
試験では、
1人の顧客が複数の注文を行う
→ 顧客 1 : 多 注文
のように、文章から対応関係を判断します。
どんな場面で使う?
E-R図は、データベース設計の初期段階で使います。
管理対象を洗い出す
何をテーブルとして管理するか考える前に、必要な実体を整理します。
顧客
商品
注文
仕入先
実体同士のつながりを整理する
例えば、
顧客は注文する
注文には商品が含まれる
という関係を整理します。
テーブル設計につなげる
E-R図で整理した実体や関連は、その後のリレーショナルデータベースのテーブル設計につながります。
実体
→ テーブル候補
属性
→ 列候補
関連
→ 外部キーや中間テーブルの検討
よくある誤解・混同
E-R図とUMLは同じ
違います。
実体・関連でデータ構造を表す
→ E-R図
オブジェクト指向の構造や振る舞いを表す
→ UML
UMLにはクラス図、シーケンス図、状態遷移図など複数の図があります。
E-R図とDFDは同じ
違います。
データベースの実体と関連
→ E-R図
処理の中をデータがどう流れるか
→ DFD
「流れ」という言葉が出たら、DFDを疑います。
E-R図と状態遷移図は同じ
違います。
実体同士の関係
→ E-R図
状態がイベントによって変わる
→ 状態遷移図
属性は関連と同じ
違います。
顧客の氏名・住所
→ 属性
顧客が注文する
→ 関連
「その実体が持つ情報」なのか、「実体同士のつながり」なのかで切り分けます。
多対多はそのまま必ず1つのテーブルにする
E-R図では多対多の関係を表せますが、リレーショナルデータベースへ実装するときは、中間テーブルを設けて2つの1対多に分けることがあります。
注文
↓
注文明細
↑
商品
この違いは、概念設計とテーブル実装を分けて考えると理解しやすくなります。
まとめ(試験直前用)
- E-R図は、実体と関連でデータベースの構造を表す図
- 実体は管理対象、属性は実体が持つ情報、関連は実体同士のつながり
- 「実体・関連」が出たらE-R図を疑う
- 1対1、1対多、多対多の対応関係を整理する
- UMLはオブジェクト指向、状態遷移図は状態変化、DFDはデータの流れ
- E-R図はデータベースのテーブル設計につながる
実体・関連ならE-R図。データの流れならDFD。