最終更新日:2026年8月29日
fe fe-technology basic-theory
まず結論
行基本変形とは、行列に対して行う次の3つの基本操作です。
(1) ある行に 0 でない数を掛ける
(2) ある行と他の行を入れ替える
(3) ある行に他の行の定数倍を加える
基本情報技術者試験では、計算を全部やるより、変化の形を見てどの操作かを判断することが大切です。
行全体が同じ倍率で変わる
→ (1) 定数倍
上下の行がそのまま入れ替わる
→ (2) 行の入替え
片方の行に、もう片方の行の倍数を足している
→ (3) 定数倍を加える
この3パターンを見分けられれば、選択肢をかなり早く切れます。
直感的な説明
行基本変形は、表の「行」を使って形を整える操作だと考えると分かりやすいです。
例えば、次の2行があるとします。
上の行:2 3 4
下の行:5 6 7
下の行に、上の行の -2倍 を加えるとします。
上の行の -2倍
→ -4 -6 -8
下の行
5 6 7
+
-4 -6 -8
↓
1 0 -1
つまり、
下の行 ← 下の行 + (-2) × 上の行
という操作です。
これは3つ目の、「ある行に他の行の定数倍を加える」 に当たります。
大切なのは、変化後の行だけを見るのではなく、元の行との差を確認することです。
定義・仕組み
行基本変形には3種類あります。
1. ある行に 0 でない数を掛ける
ある行全体を同じ倍率で変えます。
例えば、
3 6 9
↓ 1/3倍
1 2 3
のような変化です。
行の各要素がすべて同じ倍率になっているかを見るのがポイントです。
2. ある行と他の行を入れ替える
2つの行の位置を交換します。
2 3 4
1 0 -1
↓ 入替え
1 0 -1
2 3 4
値そのものは変わらず、上下の位置だけが変わります。
3. ある行に他の行の定数倍を加える
一方の行に、もう一方の行の定数倍を加えます。
上:2 3 4
下:5 6 7
下 ← 下 - 2 × 上
下:1 0 -1
この操作は、変化後の行と変化前の行の差を見ると見抜きやすくなります。
変化後 - 変化前
= -2 × 他の行
となっていれば、3番目の操作です。
このテーマは、基本情報技術者試験の「基礎理論」と関係する内容です。公式の出題範囲やシラバスは、IPA:基本情報技術者試験 から確認できます。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、行列が段階的に変化していく図を見て、各段階でどの基本操作が行われたかを判断させる問題が出ます。
判断するときは、次の順番で確認すると分かりやすいです。
1. 行がそのまま入れ替わっていないか
2. ある行全体が同じ倍率になっていないか
3. どちらでもなければ、他の行の倍数を加えていないか
他の行の定数倍を加えたか確認する方法
例えば、
変化前
上:2 3 4
下:5 6 7
変化後
上:2 3 4
下:1 0 -1
なら、下の行の差を求めます。
1 - 5 = -4
0 - 6 = -6
-1 - 7 = -8
差は、
-4 -6 -8
です。
これは上の行 2 3 4 の -2倍 です。
したがって、
下の行 ← 下の行 - 2 × 上の行
と判断できます。
同じ操作を探す問題
複数の変化 a, b, c, d が示され、同じ種類の基本操作が2回使われている箇所を選ぶ問題もあります。
この場合は、それぞれの変化を
定数倍
入替え
定数倍を加える
の3種類に分類していけば解けます。
どんな場面で使う?
行基本変形は、連立方程式を解いたり、逆行列を求めたりするときに使われます。
例えば連立方程式を、行列を使って整理するときです。
2x + 3y = 5
4x + 7y = 11
このような式を行列として表し、行基本変形で形を簡単にしていくと、未知数を求めやすくなります。
FE試験では、高度な線形代数計算よりも、3つの基本操作の意味を理解しているかを確認する問題として出ることがあります。
よくある誤解・混同
行全体が変わったら、必ず定数倍ではない
見た目として1行が全部変わっていても、他の行の定数倍を加えた結果かもしれません。
行全体が同じ倍率
→ 定数倍
倍率がそろわない
→ 他の行の倍数を加えた可能性を確認
差を見ると判断しやすい
変化前と変化後の差を求めると、3番目の操作を見抜きやすくなります。
変化後の行 - 変化前の行
が、もう一方の行の何倍かになっていないかを確認します。
「行」と「列」を混同しない
今回の基本操作は「行」に対する操作です。
横方向に並ぶ
→ 行
縦方向に並ぶ
→ 列
図を読むときに、どちらを操作しているかを最初に確認します。
行の入替えは値を計算しない
入替えでは、値を足したり掛けたりしません。
上の行と下の行がそのまま交換
→ 行の入替え
と判断できます。
まとめ(試験直前用)
- 行基本変形は「定数倍・行の入替え・他の行の定数倍を加える」の3種類
- 行全体が同じ倍率なら、定数倍
- 2つの行がそのまま交換されていれば、行の入替え
- 変化前後の差が他の行の定数倍なら、他の行の定数倍を加える操作
- 迷ったら「変化後 − 変化前」を計算する
- 倍率・入替え・差を見る の3点で選択肢を切る