最終更新日:2026年8月30日
fe fe-technology basic-theory electric-power
まず結論
電力と電力量は、次の2段階で考えると迷いにくくなります。
電圧 × 電流
→ 電力 W
電力 × 使用時間
→ 電力量 Wh
基本情報技術者試験では、特に次の3点を確認します。
- WとWhを混同しない
- 分は時間に直してから計算する
- グラフでは運転している時間だけを合計する
一言で覚えるなら、
Wは「使う勢い」、Whは「使った総量」。
直感的な説明
水道にたとえると、電力Wは「今どれくらい勢いよく使っているか」、電力量Whは「一定時間で合計どれくらい使ったか」です。
例えば1000Wの機器を使う場合、
30分使う
→ 500Wh
1時間使う
→ 1000Wh
2時間使う
→ 2000Wh
同じ1000Wの機器でも、使う時間が長いほど電力量は増えます。
定義・仕組み
電力W
電力は、単位時間あたりにどれだけ電気エネルギーを使うかを表します。
力率を1とみなせる場合は、次の式で求めます。
[ P = VI ]
- (P):電力 W
- (V):電圧 V
- (I):電流 A
例えば、100Vで10A流れる機器なら、
[ 100 \times 10 = 1000W ]
です。
電力量Wh
電力量は、電力を一定時間使ったときの総量です。
[ E = Pt ]
- (E):電力量 Wh
- (P):電力 W
- (t):時間 h
1000Wの機器を1.5時間使うと、
[ 1000 \times 1.5 = 1500Wh ]
となります。
分は時間へ直す
Whで計算するとき、時間の単位はhです。
30分 = 0.5時間
60分 = 1時間
90分 = 1.5時間
120分 = 2時間
したがって、例えば1000Wの機器を30分使った場合は、
[ 1000 \times 0.5 = 500Wh ]
です。
kWとkWh
1000Wは1kWです。
1000W = 1kW
1000Wh = 1kWh
したがって、1500Whは1.5kWhです。
Wh → kWh
÷1000
kWh → Wh
×1000
力率1とは
交流では、一般に有効電力を求めるとき力率を考えます。
[ P = VI \times 力率 ]
問題文で「力率は1」と指定されていれば、
[ P = VI ]
としてそのまま計算できます。
FE試験では、与えられた条件をそのまま使い、必要のない補正を勝手に加えないことが大切です。
このテーマは、基本情報技術者試験の基礎理論・ハードウェア分野に関係します。公式の出題範囲やシラバスは、IPA:試験要綱・シラバスについて から確認できます。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、次のような流れで問われます。
1. 電圧と電流から電力Wを求める
2. グラフや条件から使用時間を求める
3. 分を時間に直す
4. W × h でWhを求める
ON/OFFグラフの読み方
機器が途中で停止している場合は、全体時間ではなく、運転している区間だけを足します。
例えば、
0〜60分
→ 1時間運転
60〜90分
→ 停止
90〜120分
→ 0.5時間運転
なら、運転時間は、
[ 1 + 0.5 = 1.5時間 ]
です。
0〜120分だから2時間、とそのまま使わないようにします。
判断手順
試験中は、次の順番がおすすめです。
電圧V × 電流A
↓
電力W
↓
ONになっている時間を合計
↓
分を時間hへ変換
↓
W × h
↓
Wh
どんな場面で使う?
電力と電力量の計算は、次のような場面で使います。
- 家電や機器の消費電力量を求める
- バッテリーの必要容量を見積もる
- サーバや設備の電力使用量を比較する
- 稼働時間が変化したときの消費量を求める
- 電気料金の基礎となるkWhを計算する
コンピュータ分野でも、性能と消費電力の関係は重要です。CPUの高クロック化と複数コア化の違いは、マルチコアプロセッサとは?で整理しています。
また、処理性能と実行時間の関係を確認したい場合は、MIPSから命令実行時間を求める方法も関連します。
よくある誤解・混同
誤解1:WとWhは同じ
違います。
W
→ その瞬間の電力
Wh
→ 一定時間で使った電力量
単位が似ていますが、意味は別です。
誤解2:120分ならそのまま120を掛ける
Whで計算するときは、時間をhにそろえます。
120分
→ 2時間
誤解3:グラフ全体の長さを使用時間にする
途中で停止している場合、その時間は含めません。
全体時間
≠ 必ず使用時間
ONになっている区間だけを合計します。
誤解4:1000Wの機器は1時間で1000W使う
単位が混ざっています。
正しくは、
1000Wの機器を1時間使う
→ 1000Wh
です。
誤解5:力率1でも別の補正が必要
問題文で力率1と指定されているなら、
[ P = VI ]
として計算できます。
条件にない補正を追加しないようにします。
まとめ(試験直前用)
- 電力は (P = VI)(力率1の場合)
- 電力量は (E = Pt)
- Wは電力、Whは電力量
- 分は時間hへ直してから計算する
- グラフでは運転している区間だけを足す
- 1000Wh = 1kWh
- 力率1なら、電圧×電流でそのまま電力を求められる
最後に一言で整理すると、
V×AでW、W×時間でWh。グラフではONの時間だけ数える。