最終更新日:2026年7月6日
fe security encryption network
まず結論
通信経路上でデータを盗聴されることへの対策は、通信の暗号化 です。
FE試験では、次のように切り分けます。
- 盗聴対策:通信内容を読めなくする → 暗号化
- 不正接続対策:接続元を絞る → IPアドレス制限
- 不正操作対策:操作する人を確認する → パスワード・認証
- 探索されにくくする対策:ポート番号を変える → 補助的な対策
問題文に
通信経路上で盗聴される
とあれば、まず 暗号化 を探します。
直感的な説明
通信の盗聴は、手紙を途中でのぞき見されるイメージです。
手紙の内容がそのまま書かれていると、見られた人に内容が分かってしまいます。
でも、内容が暗号化されていれば、途中で見られても意味を読み取りにくくなります。
つまり、盗聴対策で大事なのは、
見られないようにすることだけでなく、見られても読めないようにすること
です。
IPアドレス制限やパスワード設定もセキュリティ対策ですが、通信中のデータを読めなくする対策ではありません。
定義・仕組み
盗聴とは
盗聴とは、通信経路上を流れるデータを第三者が不正に見たり取得したりすることです。
たとえば、クライアントとサーバの間でデータベース接続の通信をしているとします。
この通信が暗号化されていない場合、通信経路上で攻撃者に見られると、
- SQL文
- 検索条件
- 実行結果
- IDやパスワード
- 業務データ
などが漏れるおそれがあります。
通信の暗号化
通信の暗号化とは、送受信するデータを、第三者が読みにくい形に変換して通信することです。
通信経路上で盗聴されても、暗号化されていれば、攻撃者は内容を簡単には読み取れません。
FE試験では、
盗聴 → 通信の暗号化
と結び付けて考えると解きやすいです。
アクセス制御との違い
IPアドレス制限は、接続できるクライアントを絞る対策です。
たとえば、サーバに接続できる端末を、必要なIPアドレスだけに制限します。
これは不正接続を減らす対策としては有効です。
しかし、許可されたクライアントとサーバの間の通信が盗聴された場合、通信内容が平文なら読まれる可能性があります。
つまり、
- IPアドレス制限:誰が接続できるかを制限する
- 通信の暗号化:通信内容を読めなくする
という違いがあります。
パスワード設定との違い
パスワード設定は、操作できる人を確認するための対策です。
たとえば、データベース接続プログラムを起動・停止するときにパスワードを求めるようにすれば、勝手な操作を防ぎやすくなります。
しかし、通信中のデータを暗号化するわけではありません。
そのため、盗聴対策としては直接的ではありません。
ポート番号変更との違い
ポート番号を初期値から変更すると、攻撃者に見つかりにくくなる場合があります。
ただし、通信内容が暗号化されるわけではありません。
攻撃者が通信経路上でデータを見られる状態なら、ポート番号を変えても、平文の通信内容は読まれる可能性があります。
FE試験では、ポート番号変更は 補助的な対策 と考えます。
どんな場面で使う?
クライアントとサーバの通信
クライアントのアプリケーションが、サーバ上のデータベースにアクセスする場面では、通信経路上にデータが流れます。
このデータが盗聴されるおそれがある場合は、クライアント側とサーバ側の通信を暗号化します。
特に、
- 業務データ
- 個人情報
- 認証情報
- 検索条件や実行結果
などを扱う場合は、通信内容を守る必要があります。
Web通信
Webサイトでは、HTTPではなくHTTPSを使うことで通信を暗号化します。
HTTPSは、通信経路上での盗聴や改ざんへの対策として使われます。
FE試験では、
HTTPは平文、HTTPSは暗号化
という切り分けもよく出ます。
リモート接続
サーバを遠隔操作する場合も、通信の暗号化が重要です。
暗号化されていない通信では、コマンドやパスワードが盗聴されるおそれがあります。
そのため、TelnetよりもSSHのような暗号化された通信を使う、という考え方につながります。
よくある誤解・混同
❌ IPアドレス制限をすれば盗聴対策になる
これは混同しやすいです。
IPアドレス制限は、接続できる相手を絞る対策です。
しかし、許可された通信が経路上で盗聴された場合、通信内容が平文なら読まれる可能性があります。
盗聴対策としては、通信内容を暗号化する必要があります。
❌ パスワードを設定すれば通信内容も守れる
パスワードは、利用者や操作権限を確認するためのものです。
通信内容そのものを暗号化するとは限りません。
FE試験では、
認証と暗号化は別
と切り分けます。
❌ ポート番号を変えれば安全
ポート番号を変えると、攻撃者に見つかりにくくなることはあります。
しかし、通信内容を読めなくする対策ではありません。
盗聴が問題になっている場合、ポート番号変更だけでは根本対策になりません。
❌ 盗聴対策と不正アクセス対策は同じ
どちらもセキュリティ対策ですが、守りたいものが違います。
- 盗聴対策:通信内容を読ませない
- 不正アクセス対策:許可されていない人を入れない
問題文がどちらを聞いているかを確認します。
確認問題(FE試験対策)
クライアント上のアプリケーションが、データベース接続プログラムを経由して、サーバ上のデータベースにアクセスする。データベース接続プログラム間で送受信されるデータが、通信経路上で盗聴されることへの対策として、最も適切なものはどれか。
- ア. クライアント側及びサーバ側にあるデータベース接続プログラム間の通信を暗号化する。
- イ. サーバ側のデータベース接続プログラムにアクセスできるクライアントのIPアドレスを必要なものだけに制限する。
- ウ. サーバ側のデータベース接続プログラムを起動・停止するときに必要なパスワードを設定する。
- エ. データベース接続プログラムが通信に使用するポート番号を初期値から変更する。
▶ クリックして答えと解説を見る(ここを開く)
正解:ア
解説
- ア:正解です。通信経路上で盗聴されても、通信内容が暗号化されていれば読み取りにくくなります。
- イ:不適切です。IPアドレス制限は接続元を絞る対策であり、通信内容を読めなくする対策ではありません。
- ウ:不適切です。パスワード設定は起動・停止などの操作を守る対策であり、通信中のデータを守る対策ではありません。
- エ:不適切です。ポート番号変更は補助的な対策であり、通信内容を暗号化するものではありません。
👉 判断ポイント
通信経路上で盗聴 → 通信の暗号化 と考えます。
まとめ(試験直前用)
- 盗聴対策:通信の暗号化
- 不正接続対策:IPアドレス制限などのアクセス制御
- 不正操作対策:パスワード・認証
- ポート番号変更:補助的な対策であり、盗聴の根本対策ではない
FE試験では、
通信経路上で盗聴される
と出たら、まず 通信を暗号化する選択肢 を探します。
迷ったら、
のぞき見される問題なら、見られても読めないようにする
と考えると判断しやすいです。