最終更新日:2026年8月6日
fe technology multimedia graphics
まず結論
ドローソフトとは、点・線・円・四角形などを、座標や長さ、方向、曲線などの数値情報として扱う画像作成ソフトです。
ドローソフトで扱う画像は、一般にベクター画像と呼ばれます。
図形を数値情報として扱う
→ ドローソフト
画素を塗って描く
→ ペイントソフト
科目Aでは、次の表現が判断の合図です。
始点・終点・方向・長さ
+
図形を部品として扱う
→ ドローソフト
直感的な説明
ドローソフトでは、絵を「色の付いた点の集まり」ではなく、「図形の部品の集まり」として扱います。
例えば、円なら次のような情報を持ちます。
中心の座標
半径
線の太さ
線の色
塗りつぶしの色
四角形なら、位置・幅・高さなどを数値で管理します。
そのため、あとから図形を大きくしても、画素を引き伸ばすのではなく、数値を変えて描き直せます。
半径10の円
↓
半径50へ変更
↓
滑らかな円として再描画
ロゴ、アイコン、案内図、機械図面など、輪郭がはっきりした図形を作るのに向いています。
定義・仕組み
ベクター画像とは
ベクター画像は、点・線・曲線・図形を数値で表現する画像形式です。
例えば、1本の線は次のような情報で表せます。
始点
終点
線の太さ
線の色
曲線では、曲がり方を表す制御点なども使います。
図形を数式や座標情報から描画するため、拡大・縮小しても輪郭が荒れにくいことが特徴です。
ビットマップ画像とは
ビットマップ画像は、画面を構成する小さな点である画素(ピクセル)の集まりで画像を表します。
1画素ごとに色を記録
↓
画素を並べて画像を表現
写真や細かな色の変化を含む画像に向いています。
ただし、画像を大きく拡大すると、1画素が目立ち、輪郭が粗く見えることがあります。
ドローソフトとペイントソフト
| 項目 | ドローソフト | ペイントソフト |
|---|---|---|
| 主な画像形式 | ベクター画像 | ビットマップ画像 |
| 表現方法 | 点・線・図形を数値で表す | 画素を塗って表す |
| 拡大・縮小 | 劣化しにくい | 拡大すると粗くなりやすい |
| 得意なもの | ロゴ、図面、アイコン | 写真、手描き画像 |
| 編集方法 | 図形単位で移動・変形 | 画素単位で描画・修正 |
代表的なドローソフトとして、Adobe Illustratorなどがあります。
代表的なペイントソフトとして、画像編集ソフトやお絵描きソフトなどがあります。
アウトラインフォントとの関係
文字の輪郭を、直線や曲線の数値情報で表すフォントをアウトラインフォントといいます。
文字の輪郭
→ ベクター情報として保存
そのため、文字を大きく表示しても、輪郭が滑らかに描画されます。
ドローソフトで扱う図形と、同じベクター形式の考え方です。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、ドローソフトの説明を選ぶ問題や、ベクター画像とビットマップ画像を区別する問題が出ます。
ドローソフトを示す表現
次の言葉が出たら、ドローソフトを疑います。
始点
終点
方向
長さ
座標
曲線
図形を部品として扱う
変形や組合せで描画する
ペイントソフトを示す表現
次の表現は、ペイントソフトの説明です。
マウスを筆のように動かす
画素を塗る
写真を修正する
ビットマップ画像として保存する
GIFアニメーションとの違い
複数の静止画を順番に表示して動いているように見せる方式は、GIFアニメーションなどの説明です。
複数の静止画を順番に表示
→ アニメーション
図形を数値で表すドローソフトとは異なります。
動画編集・オーサリングとの違い
文字、静止画、動画、音声など複数の素材を、シナリオや時間軸に沿って配置するのは、動画編集ソフトやオーサリングソフトの説明です。
複数素材を組み合わせてコンテンツ化
→ 動画編集・オーサリング
ドローソフトは、図形そのものを作成・編集するソフトです。
選択肢を切る手順
1. 何を単位に扱っているかを見る
2. 図形ならドロー、画素ならペイント
3. 静止画の連続ならアニメーション
4. 複数素材の編集なら動画編集・オーサリング
科目Bでどう使う?
科目Bでは、画像形式の特徴を踏まえて、用途に合う形式を選ぶ場面があります。
ロゴや図面
ロゴや図面では、拡大・縮小しても輪郭が崩れないことが重要です。
会社ロゴ
案内図
アイコン
機械図面
→ ベクター画像が向く
写真
写真は、細かな色の変化が多く、画素で表すほうが自然です。
人物写真
風景写真
製品写真
→ ビットマップ画像が向く
ファイル形式の例
| 形式 | 主な分類 | 特徴 |
|---|---|---|
| SVG | ベクター | Web上の図形やアイコンに利用 |
| JPEG | ビットマップ | 写真向き |
| PNG | ビットマップ | 透過や劣化の少ない保存に利用 |
| GIF | ビットマップ | 色数が少なく、簡易アニメーションにも利用 |
PNGは背景を透明にできますが、通常はベクター画像ではありません。
よくある誤解・混同
拡大できる画像はすべてベクター画像
ビットマップ画像も拡大できます。
違いは、拡大したときに輪郭が劣化しやすいかどうかです。
拡大しても滑らか
→ ベクター画像
拡大すると画素が目立つ
→ ビットマップ画像
PNGはベクター画像
PNGは通常、ビットマップ画像です。
背景を透明にできるため混同しやすいですが、透明化できることと、ベクター形式であることは別です。
ドローソフトでは手描きできない
ドローソフトにも、自由曲線を描く機能があります。
ただし、描いた線は画素ではなく、曲線や制御点などの図形情報として扱われます。
ベクター画像は写真にも向く
理論上、写真のような画像をベクター化することもできます。
しかし、色の変化が細かい画像は情報が複雑になりやすいため、通常はビットマップ画像のほうが適しています。
アウトラインフォントは画像ファイル
アウトラインフォントは画像ファイルそのものではありません。
文字の輪郭をベクター情報で持つフォント方式です。
ドローソフトと共通するのは、輪郭を数値で表す考え方です。
まとめ(試験直前用)
- ドローソフトは、点・線・図形を数値情報として扱うソフト
- ドローソフトで扱う画像は、主にベクター画像
- ペイントソフトは、画素を塗ってビットマップ画像を作る
- ベクター画像は、拡大・縮小しても劣化しにくい
- ロゴ・図面・アイコンはベクター向き、写真はビットマップ向き
- 「始点・方向・長さ・図形を部品として扱う」はドローソフト
- 「筆のように描く・画素を塗る」はペイントソフト
- 複数の静止画を順に表示するのはGIFアニメーションなど
- 複数素材をシナリオに沿って編集するのは動画編集・オーサリング