最終更新日:2026年8月29日
fe fe-technology network security
まず結論
DMZは、インターネットと内部ネットワークの間に設ける中間的なネットワークです。
基本情報技術者試験では、次のように切り分けます。
外部から利用される公開サーバ
→ DMZ
重要なデータを持つサーバ
→ 内部セグメント
さらに、ファイアウォールでは 公開するサービスに必要な通信だけを許可する のが基本です。
Webページを公開する
→ HTTP / HTTPS を許可
ファイル転送を公開しない
→ FTP は禁止できる
メール送信を公開しない
→ SMTP は禁止できる
ネットワーク監視を外部へ公開しない
→ SNMP は禁止できる
判断軸は次の一文です。
見せるサーバはDMZ、守るサーバは内部。通信は必要なものだけ通す。
直感的な説明
DMZは、建物の入口にある受付スペースのようなものです。
外部の人は受付までは入れますが、重要書類を保管する社内の執務室には直接入れません。
インターネット
↓
DMZ(受付)
↓
内部ネットワーク(重要エリア)
Webサーバは、利用者からアクセスされるため受付に近いDMZへ置きます。
一方、データベースサーバは、顧客情報や注文情報などを持つため、さらに内側の内部セグメントへ置きます。
そして受付には「誰でも何でも持ち込める」のではなく、必要な用件だけ通します。
これがファイアウォールによる通信制御のイメージです。
Webを見る通信
→ 通す
不要なファイル転送
→ 通さない
不要な監視通信
→ 通さない
つまり、DMZは置き場所、パケットフィルタリングは通してよい通信を決める仕組みです。
定義・仕組み
DMZとは
DMZは、DeMilitarized Zoneの略です。
日本語では非武装地帯と訳され、ネットワークでは次の目的で設けます。
- 外部公開サーバを内部ネットワークから分離する
- 公開サーバが攻撃された場合の影響を内部へ広げにくくする
- 外部・DMZ・内部の間の通信を個別に制御する
DMZは、安全な内部ネットワークそのものではありません。
むしろ、外部から攻撃される可能性がある公開サーバを、内部とは別の領域へ隔離するための場所です。
三つのセグメント
代表的な構成は次のとおりです。
| セグメント | 主な役割 | 代表例 |
|---|---|---|
| 外部セグメント | インターネット側 | 外部利用者、外部サービス |
| DMZ | 公開サーバを置く中間領域 | Web、メール、公開DNS、プロキシ |
| 内部セグメント | 重要な内部資源を置く | DB、ファイル、認証、業務サーバ |
WebサーバをDMZに置く理由
Webサーバは、インターネット利用者からアクセスされる必要があります。
しかし、内部セグメントに置くと、外部からの通信を内部まで通すことになります。
Webサーバが侵害された場合、内部の他サーバへ攻撃が広がる危険も高まります。
そのため、WebサーバはDMZへ置きます。
データベースサーバを内部に置く理由
データベースサーバには、次のような重要情報が保存されます。
- 顧客情報
- 個人情報
- 注文情報
- 売上情報
- 認証情報
これらは外部から直接アクセスさせる必要がありません。
Webサーバから必要な処理だけを受け付けるようにし、データベースサーバ自体は内部セグメントへ置きます。
パケットフィルタリングとは
パケットフィルタリングは、ファイアウォールが通信パケットの情報を確認し、通過を許可するか禁止するかを決める仕組みです。
代表的には、次の情報を判断材料にします。
- 送信元IPアドレス
- 宛先IPアドレス
- プロトコル
- 送信元ポート番号
- 宛先ポート番号
FEでは、細かな設定方法を覚えるより、「何のサービスを使わせたいか」から必要なプロトコルを判断することが大切です。
主要プロトコルを役割で切り分ける
| プロトコル | 主な用途 | 代表的なポート番号 |
|---|---|---|
| HTTP | Webページの閲覧・Web通信 | 80 |
| HTTPS | 暗号化されたWeb通信 | 443 |
| FTP | ファイル転送 | 20 / 21 |
| SMTP | 電子メールの送信・転送 | 25 |
| SNMP | ネットワーク機器の監視・管理 | 161 |
試験では、次のように読めば十分です。
Webを見る
→ HTTP / HTTPS
ファイルを転送する
→ FTP
メールを送る
→ SMTP
機器を監視する
→ SNMP
なお、古い問題ではWeb閲覧をHTTPとして出題することがありますが、現在のWebではHTTPSが一般的です。試験では 問題文が要求しているサービスと選択肢の対応 を優先して判断します。
科目Aでどう出る?
試験では、サーバ名だけでなく、誰からアクセスされるかと何を守るかを見ます。
| 問題文の表現 | 判断 |
|---|---|
| インターネットから公開する | DMZ |
| 外部利用者が直接アクセスする | DMZ |
| 重要データを保存する | 内部 |
| 外部から直接アクセスさせない | 内部 |
| 必要な通信だけ許可する | ファイアウォールで制御 |
典型的な配置
インターネット
↓ HTTP・HTTPSのみ許可
Webサーバ(DMZ)
↓ DB接続に必要な通信のみ許可
DBサーバ(内部)
外部からDBサーバへの直接通信は許可しません。
「禁止できないプロトコル」を問われたら
このタイプでは、まず 外部へ何のサービスを提供したいか を確認します。
例えば「Webページの閲覧だけを提供する」なら、Web閲覧に必要な通信は止められません。
目的
Webページを見せる
↓
必要な通信
HTTP / HTTPS
↓
これを禁止すると目的を達成できない
逆に、Web閲覧だけが目的なら、FTP・SMTP・SNMPなどの不要な通信は原則として許可する必要がありません。
選択肢を切る順番
1. 何のサービスを提供するか確認する
2. そのサービスに必要なプロトコルを特定する
3. 必要な通信は許可する
4. 不要な通信は遮断する
5. 公開サーバはDMZ、重要サーバは内部に置く
どんな場面で使う?
Webサービス
最も典型的なのは、WebサーバとDBサーバを分離する構成です。
- Webサーバ:DMZ
- DBサーバ:内部
- インターネット → Web:HTTP / HTTPSだけ許可
- インターネット → DB:禁止
メールサービス
インターネットからメールを受信するメールサーバもDMZに置かれることがあります。
ただし、社内メールボックスや認証情報を扱う内部サーバとは分離します。
メールサービスを外部公開するなら、その目的に必要なSMTPなどの通信を許可します。
公開DNS
外部向けに名前解決を提供する公開DNSサーバもDMZへ置く代表例です。
内部向けDNSサーバとは役割を分けることがあります。
プロキシサーバ
外部との通信を中継するプロキシサーバも、構成によってDMZに配置されます。
プロキシの役割については、プロキシサーバとは?DNS・DHCP・NATとの違いと見分け方でも整理しています。
よくある誤解・混同
DMZは安全な内部ネットワークである
誤りです。
DMZは外部と内部の中間にある隔離領域です。
外部から攻撃を受ける可能性があることを前提にしています。
DMZに置けば通信制御は不要
誤りです。
DMZは配置場所の話であり、それだけで安全になるわけではありません。
次のように、通信を必要最小限に絞ります。
インターネット → Web
HTTP・HTTPSだけ許可
Web → DB
DB接続に必要な通信だけ許可
インターネット → DB
禁止
Webページを公開するのにHTTP・HTTPSを禁止する
Webページを外部へ提供したいのに、Web通信そのものを遮断すると目的を達成できません。
試験では、必要なサービスのプロトコルは残し、不要なものを止めると考えます。
FTP・SMTP・SNMPもWeb閲覧に必要
誤りです。
FTP
→ ファイル転送
SMTP
→ メール送信
SNMP
→ ネットワーク監視
Web閲覧だけを提供する構成なら、これらはWeb閲覧そのものには必要ありません。
ポート番号だけ丸暗記すればよい
ポート番号は役立ちますが、先に用途を理解した方が安定します。
Web → HTTP / HTTPS
メール送信 → SMTP
ファイル転送 → FTP
監視 → SNMP
役割が分かれば、ポート番号を忘れても選択肢をかなり絞れます。
WebサーバとDBサーバを両方DMZに置く
Webサーバは適切ですが、DBサーバまでDMZに置くと重要データが外部に近くなります。
公開する処理
→ DMZ
重要データ
→ 内部
と分けます。
Webサーバをファイアウォールの外側に置く
外部利用者がアクセスするからといって、無防備な外部セグメントへ置くわけではありません。
ファイアウォールで保護されたDMZに配置します。
まとめ(試験直前用)
- DMZは外部と内部の間に置く隔離領域
- Webサーバなどの公開サーバはDMZに置く
- DBサーバなどの重要サーバは内部に置く
- ファイアウォールでは必要な通信だけ許可する
- Web閲覧 → HTTP / HTTPS
- ファイル転送 → FTP
- メール送信 → SMTP
- ネットワーク監視 → SNMP
- 「禁止できない通信」は、提供したいサービスから逆算する
試験直前は、次の一文で整理します。
何を公開する? → 必要なプロトコルだけ通す。見せるサーバはDMZ、守るサーバは内部。