最終更新日:2026年8月29日
fe fe-technology software quality-management
まず結論
修正費用の期待値は、全体の不良数から修正対象を段階的に絞り込み、最後に1件当たりの費用を掛けて求めます。
プログラム規模 × 潜在不良率
→ 総不良数
総不良数 × 発見率
→ 発見される不良数
発見数 × 修正対象の割合
→ 修正する不良数
修正対象数 × 1件当たり修正費用
→ 修正費用の期待値
問題文に出てくる数値を全部使うのではなく、どの不良を修正するのかを先に確認します。
直感的な説明
箱の中から対象を順番に絞り込むイメージです。
例えば、潜在する不良が100件あるとします。
潜在不良 100件
初年度に見つかるのが30%なら、30件です。
100件 × 30% = 30件
そのうち修正対象が20%なら、6件です。
30件 × 20% = 6件
1件当たりの修正費用が50万円なら、期待値は300万円になります。
6件 × 50万円
= 300万円
定義・仕組み
期待値とは
期待値は、起こり得る結果を発生確率で重み付けした平均的な値です。
修正費用の問題では、次の形で考えます。
発生すると見込まれる件数
×
1件当たりの費用
途中で3.2件のような小数が出ても問題ありません。
期待値は、同じ条件のプロジェクトを多数考えたときの平均的な見込みだからです。
kステップとは
kステップのkは1,000を表します。
1kステップ = 1,000ステップ
プログラム規模と不良率が同じkステップ単位なら、そのまま掛けられます。
2,500kステップ
× 0.04件 / kステップ
= 100件
単位を付けて計算する
単位を付けると、掛ける数値を間違えにくくなります。
2,500 kステップ
× 0.04件 / kステップ
= 100件
割合を掛けても単位は件のままです。
100件 × 0.3 = 30件
30件 × 0.2 = 6件
最後に1件当たりの費用を掛けます。
6件 × 50万円 / 件
= 300万円
科目Aでどう出る?
科目Aでは、次の条件から修正費用の期待値を求める問題として出題されます。
- プログラム規模
- 潜在不良率
- 年間発見率
- 影響度別の割合
- 修正対象
- 1件当たりの修正費用
解く順番は次のとおりです。
1. 総不良数を求める
2. 期間内に発見される数を求める
3. 修正対象の割合を掛ける
4. 1件当たりの費用を掛ける
一般式
修正費用の期待値は、次のように表せます。
[ プログラム規模 \times 潜在不良率 \times 発見率 \times 修正対象割合 \times 1件当たり修正費用 ]
計算例
次の条件を考えます。
プログラム規模:2,500kステップ
潜在不良率:0.04件 / kステップ
年間発見率:30%
修正対象の割合:20%
修正費用:50万円 / 件
2,500 × 0.04
= 100件
100 × 0.3
= 30件
30 × 0.2
= 6件
6 × 50万円
= 300万円
この例では、修正費用の期待値は300万円です。
どんな場面で使う?
この考え方は、品質管理や予算見積りで使います。
- 不良対応費用の見込み
- 保守予算の算定
- 影響度別の修正優先順位
- 品質改善施策の費用対効果比較
実務では、過去の実績から不良率や修正費用を見積もり、必要な予算を計画します。
よくある誤解・混同
問題文の数値を全部使う
「修正するのは影響度大だけ」と書かれていれば、影響度小の割合や費用は使いません。
数値が書かれている
≠
必ず計算に使う
発見率と修正対象割合を足す
割合は段階的に絞り込むため、足すのではなく掛けます。
発見された不良のうち20%
→ 発見数 × 0.2
kステップを1,000倍してから計算する
不良率が件 / kステップなら、規模のkステップと単位が打ち消されます。
単位がそろっている場合は、そのまま掛けます。
小数件は誤りだと思う
期待値では小数が出ることがあります。
3.2件は、実際に不良が0.2件存在するという意味ではなく、平均的な見込みです。
総不良数に直接費用を掛ける
修正対象が限定されている場合は、発見率や対象割合で絞り込んでから費用を掛けます。
まとめ(試験直前用)
- 規模×不良率で総不良数を求める
- 発見率を掛けて期間内の発見数を求める
- 修正対象の割合を掛ける
- 最後に1件当たりの費用を掛ける
- 問題文の数値を全部使うとは限らない
- 期待値では小数件が出てもよい
一言で覚えるなら、
全体から修正対象を順番に絞り込み、最後に単価を掛ける。