最終更新日:2026年7月16日
fe fe-technology network
まず結論
伝送時間は、次の式で求めます。
伝送時間 = データ量 ÷ 実効伝送速度
ただし、計算前に次の2点を確認します。
1. ビットとバイトの単位をそろえる
2. 回線速度に伝送効率を掛けて実効速度を出す
基本情報技術者試験では、次の流れで解くと安全です。
回線速度を確認
↓
ビットとバイトをそろえる
↓
伝送効率を掛ける
↓
データ量 ÷ 実効速度
直感的な説明
水をタンクへ送る場面を考えます。
- ファイルサイズ:送る水の量
- 回線速度:1秒に流せる水の量
- 伝送効率:実際に使える割合
理論上は毎秒10リットル流せても、効率が80%なら実際に送れるのは毎秒8リットルです。
理論速度 10
× 伝送効率 0.8
= 実効速度 8
そのため、伝送効率が100%未満なら、実際の伝送時間は理論値より長くなります。
定義・仕組み
伝送時間の基本式
伝送時間 = データ量 ÷ 実効伝送速度
実効伝送速度
実効伝送速度 = 回線速度 × 伝送効率
例えば、回線速度が80kビット/秒、伝送効率が75%なら、
80kビット/秒 × 0.75
= 60kビット/秒
が実効速度です。
ビットとバイトの変換
8ビット = 1バイト
したがって、ビット/秒をバイト/秒へ直すときは8で割ります。
64kビット/秒 ÷ 8
= 8kバイト/秒
逆に、バイトをビットへ直すときは8を掛けます。
単位はどちらかへ統一する
次のどちらの方法でも構いません。
方法1
回線速度をバイト/秒へ直す
方法2
ファイルサイズをビットへ直す
大切なのは、割り算する前に単位をそろえることです。
このテーマは、基本情報技術者試験の「ネットワーク」「データ通信」「伝送制御」と関係します。公式の出題範囲やシラバスは、IPA:基本情報技術者試験 から確認できます。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、次の値が与えられます。
- ファイルサイズ
- 回線速度
- 伝送効率
- 求める単位(秒、分など)
例えば、1,200,000バイトのファイルを、96kビット/秒、伝送効率80%の回線で送るとします。
まず、回線速度をバイト/秒へ直します。
96kビット/秒 ÷ 8
= 12kバイト/秒
次に、伝送効率を掛けます。
12kバイト/秒 × 0.8
= 9.6kバイト/秒
最後に、データ量を実効速度で割ります。
1,200,000 ÷ 9,600
= 125秒
解く手順
1. データ量の単位を確認
2. 回線速度の単位を確認
3. ビットとバイトをそろえる
4. 回線速度 × 伝送効率
5. データ量 ÷ 実効速度
6. 秒・分の単位を確認
判断表
| 問題文の条件 | 処理 |
|---|---|
| 回線速度がビット/秒 | バイトへ直すなら8で割る |
| ファイルサイズがバイト | 回線速度もバイト/秒へそろえる |
| 伝送効率が80% | 理論速度に0.8を掛ける |
| 所要時間を求める | データ量を実効速度で割る |
| 分で答える | 秒を60で割る |
どんな場面で使う?
伝送時間の計算は、次のような場面で使われます。
- ファイル転送に必要な時間の見積り
- バックアップ時間の計画
- 動画や画像のアップロード時間の計算
- 通信回線の選定
- センサーや装置からのデータ送信設計
例えば、製造設備から大容量のログを定期送信する場合、回線速度だけでなく、プロトコルの制御情報や再送によって実効速度が下がることも考慮します。
よくある誤解・混同
誤解1:ビットとバイトをそのまま割る
回線速度がビット/秒、ファイルサイズがバイトなら、そのまま計算できません。
8ビット = 1バイト
を使って、どちらかへそろえます。
誤解2:伝送効率を時間に掛ける
伝送効率は、まず回線速度に掛けます。
実効速度 = 回線速度 × 伝送効率
その後、
時間 = データ量 ÷ 実効速度
とします。
誤解3:伝送効率80%なら時間も80%になる
効率が下がると速度が遅くなるため、時間は長くなります。
効率100%のときより
効率80%のときの方が時間は長い
誤解4:kは必ず1024と考える
通信速度の kbit/s では、試験問題上、通常は1kを1000として扱います。
一方、記憶容量では1024を基準にする場合があります。問題文の表記や指示を確認します。
誤解5:8を掛けるか割るか分からない
ビット → バイト
8で割る
バイト → ビット
8を掛ける
と整理すると判断しやすくなります。
確認問題(基本情報技術者試験対策)
回線速度が80kビット/秒、伝送効率が75%の回線を使って、900,000バイトのファイルを送信する。伝送時間はおよそ何秒か。
- ア. 90秒
- イ. 100秒
- ウ. 120秒
- エ. 150秒
▶ クリックして答えと解説を見る(ここを開く)
正解:ウ
まず、回線速度をバイト/秒へ直します。
80kビット/秒 ÷ 8
= 10kバイト/秒
伝送効率75%を掛けます。
10kバイト/秒 × 0.75
= 7.5kバイト/秒
最後に、ファイルサイズを実効速度で割ります。
900,000 ÷ 7,500
= 120秒
まとめ(試験直前用)
- 伝送時間は「データ量 ÷ 実効伝送速度」
- 実効伝送速度は「回線速度 × 伝送効率」
- 8ビットは1バイト
- ビット/秒をバイト/秒へ直すなら8で割る
- 伝送効率が下がると伝送時間は長くなる
- 計算前に単位を必ずそろえる