最終更新日:2026年8月5日
fe fe-technology basic-theory data-analysis
まず結論
データサイエンティストに必要な力は、次の3つに整理できます。
何を解決するか考える
→ ビジネス力
どう分析するか考える
→ データサイエンス力
分析できる仕組みを作る
→ データエンジニアリング力
基本情報技術者試験では、説明されている作業の中心が「課題整理」「分析」「システム構築」のどれかを見分けることが重要です。
直感的な説明
データ活用を、料理に例えて考えてみます。
何を作るべきか決める
→ ビジネス力
材料を見て調理方法を選ぶ
→ データサイエンス力
調理場や設備を整える
→ データエンジニアリング力
3つは別々の仕事に見えますが、実際には連携しています。
課題が整理されていなければ、適切な分析はできません。
分析方法が決まっても、データを集めて処理する仕組みがなければ実行できません。
定義・仕組み
ビジネス力
ビジネス力は、事業の目的や課題を理解し、データ活用によって何を解決するかを整理する力です。
代表的な内容は次のとおりです。
- 事業モデルや業務の理解
- バリューチェーンの理解
- 課題の構造化
- 分析目的の明確化
- 分析結果を事業価値へつなげる判断
判断の合図は、次の言葉です。
事業課題
業務理解
目的
価値
意思決定
データサイエンス力
データサイエンス力は、統計学、機械学習、AIなどを使って、データから関係性や傾向を見つける力です。
代表的な内容は次のとおりです。
- 分析手法の選択
- 決定木やニューラルネットワークなどのモデル作成
- パラメータの設定
- 予測や分類
- 分析結果やモデル精度の評価
判断の合図は、次の言葉です。
統計
機械学習
予測
分類
モデル
評価
データエンジニアリング力
データエンジニアリング力は、データを収集・蓄積・処理し、分析システムを実装・運用する力です。
代表的な内容は次のとおりです。
- 分析システムの設計
- データ基盤の構築
- オンプレミスとクラウドの選択
- 分散処理や並列処理
- システムの実装と運用
判断の合図は、次の言葉です。
システム構築
データ基盤
クラウド
分散処理
実装
運用
科目Aでどう出る?
科目Aでは、具体的な作業内容が、3つの力のどれに該当するかを選ぶ問題として出題されます。
役割で切り分ける
| 作業内容 | 該当する力 |
|---|---|
| 事業モデルや課題を整理する | ビジネス力 |
| 分析手法を選び、モデルを評価する | データサイエンス力 |
| 分析システムやデータ基盤を設計する | データエンジニアリング力 |
よく出る判断例
決定木とニューラルネットワークのどちらを使うか選ぶ
→ データサイエンス力
クラウド上に分析環境を構築する
→ データエンジニアリング力
事業課題を構造的に整理する
→ ビジネス力
名称ではなく中心作業を見る
「データ」「AI」「システム」という言葉だけで判断すると迷いやすくなります。
例えば、クラウド上でAIを動かすシステムを設計する作業は、AIという言葉があっても中心はシステム構築なので、データエンジニアリング力です。
一方、ニューラルネットワークの種類やパラメータを選ぶ作業は、中心が分析モデルなので、データサイエンス力です。
どんな場面で使う?
新しい分析テーマを決める
売上低下の原因を調べたい場合、まず何を明らかにするかを整理します。
どの顧客層で売上が落ちているか
何を改善すべきか
どの指標を成果とするか
これはビジネス力です。
分析モデルを作る
目的が決まったら、予測や分類に使う手法を選びます。
決定木
回帰分析
ニューラルネットワーク
クラスタリング
これはデータサイエンス力です。
分析環境を整える
大量のデータを保存し、継続的に処理できる環境を構築します。
データベース
クラウド
分散処理
ETL
運用監視
これはデータエンジニアリング力です。
よくある誤解・混同
データサイエンス力とデータエンジニアリング力は同じ
違います。
モデルを選ぶ・作る・評価する
→ データサイエンス力
モデルを動かすための基盤を作る
→ データエンジニアリング力
分析対象が同じでも、役割が異なります。
ビジネス力は営業力だけを指す
ビジネス力は、営業や経営の知識だけではありません。
分析の目的を明確にし、事業課題を整理し、結果を意思決定につなげる力も含まれます。
クラウドを選ぶ作業はデータサイエンス力
クラウドかオンプレミスかを選び、分析システムを設計する作業は、主にデータエンジニアリング力です。
分析手法を選ぶ作業とは区別します。
分散処理はデータサイエンス力
分散処理は、大量データを効率よく処理するためのシステム構築に関する技術です。
そのため、主にデータエンジニアリング力に該当します。
まとめ(試験直前用)
- 課題や目的を整理するならビジネス力
- 統計・AI・機械学習で分析するならデータサイエンス力
- データ基盤や分析システムを構築するならデータエンジニアリング力
- モデルを作るのは分析、モデルを動かす仕組みを作るのはエンジニアリング
- 選択肢では、用語よりも作業の中心を見る
課題整理はビジネス、分析はデータサイエンス、基盤構築はデータエンジニアリング。