最終更新日:2026年6月17日
ds statistics
まず結論
相関係数は、2つの変数の直線的な関係の強さと向きを表す指標です。
決定係数は、回帰モデルがデータのばらつきをどれくらい説明できているかを表す指標です。
DS検定では、相関係数は「関係の強さ」、決定係数は「モデルの説明力」と切り分けます。
| 指標 | 何を見る? | 値の範囲 | 使う場面 |
|---|---|---|---|
| 相関係数 | 2変数の直線的な関係の強さと向き | -1〜1 | 関係の確認 |
| 決定係数 | 回帰モデルの説明力 | 0〜1 | 回帰モデルの評価 |
特に単回帰では、決定係数 = 相関係数² という関係があります。
たとえば、相関係数が 0.8 なら、決定係数は 0.64 です。
直感的な説明
たとえば、勉強時間とテスト点数の関係を考えます。
| 勉強時間 | テスト点数 |
|---|---|
| 1時間 | 50点 |
| 2時間 | 60点 |
| 3時間 | 70点 |
このデータでは、勉強時間が増えるほどテスト点数も上がる傾向があります。
このとき、どれくらい強く一緒に動いているかを見るのが相関係数です。
一方で、勉強時間からテスト点数を予測する回帰モデルを作ったとき、
そのモデルがテスト点数のばらつきをどれくらい説明できているかを見るのが決定係数です。
ざっくり言うと、次のように考えると分かりやすいです。
- 相関係数:2つのデータはどれくらい一緒に動くか
- 決定係数:作ったモデルはどれくらい説明できているか
同じ「関係があるか」を見る場面で出てきますが、目的が違います。
定義・仕組み
相関係数
相関係数は、2つの変数の直線的な関係の強さと向きを表します。
値の範囲は、-1〜1です。
| 相関係数 | 意味 |
|---|---|
| 1に近い | 強い正の相関 |
| 0に近い | 直線的な相関が弱い |
| -1に近い | 強い負の相関 |
たとえば、次のような関係です。
- 気温が高いほどアイスの売上が増える → 正の相関
- 気温が高いほど暖房使用量が減る → 負の相関
ここで大切なのは、相関係数は直線的な関係を見ていることです。
決定係数
決定係数は、回帰モデルがデータのばらつきをどれくらい説明できているかを表します。
値の範囲は、通常 0〜1 です。
| 決定係数 | 意味 |
|---|---|
| 1に近い | モデルの説明力が高い |
| 0に近い | モデルの説明力が低い |
たとえば、決定係数が 0.64 の場合、
モデルがデータのばらつきの約64%を説明できている、と解釈します。
DS検定では、決定係数を「当たる確率」と覚えるより、モデルの説明力と理解する方が安全です。
単回帰での関係
単回帰では、相関係数と決定係数には次の関係があります。
決定係数 = 相関係数²
例:
相関係数 = 0.8
決定係数 = 0.8² = 0.64
この関係はDS検定で出やすいポイントです。
ただし、これは単回帰でよく使う関係です。
複数の説明変数を使う重回帰では、単純に「1つの相関係数を2乗すればよい」とは考えません。
どんな場面で使う?
相関係数を使う場面
相関係数は、2つの変数の関係をざっくり確認したいときに使います。
たとえば、次のような場面です。
- 広告費と売上に関係があるか
- 勉強時間とテスト点数に関係があるか
- 気温と商品の売上に関係があるか
- 機械の稼働時間と故障件数に関係があるか
相関係数を見ると、「一緒に増えるのか」「片方が増えるともう片方が減るのか」「直線的な関係が弱いのか」を確認できます。
決定係数を使う場面
決定係数は、回帰モデルを評価するときに使います。
たとえば、次のような場面です。
- 売上予測モデルの説明力を確認する
- 需要予測モデルの当てはまりを見る
- 生産量や不良率を説明するモデルを評価する
- ある説明変数で目的変数のばらつきをどれくらい説明できるかを見る
DS検定では、相関係数と決定係数をどちらも「関係を見る指標」として混同しがちです。
しかし、相関係数は2変数の関係、決定係数は回帰モデルの説明力を見る指標です。
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相関があることと因果関係があることは別です。
詳しくは、相関と因果の違いで整理しています。
よくある誤解・混同
誤解1:相関係数が高いほど、必ず予測がよく当たる
相関係数が高いと、2つの変数に直線的な関係があるとは言えます。
しかし、それだけで予測が必ずよく当たるとは限りません。
たとえば、次のような場合があります。
- 外れ値の影響を受けている
- 重要な説明変数が抜けている
- データの範囲が偏っている
- 将来のデータでは関係が変わる
予測モデルとして評価するなら、決定係数や誤差指標なども確認します。
誤解2:相関係数が0なら、2つの変数に関係はまったくない
相関係数が0に近いということは、直線的な関係が弱いという意味です。
しかし、非線形の関係が存在する場合があります。
たとえば、次のような関係です。
y = x²
このような曲線的な関係では、相関係数だけでは関係をうまく捉えられないことがあります。
DS検定では、相関係数0を「直線的な関係がない」と読むのが大切です。
「どんな関係もない」と言い切る選択肢には注意します。
誤解3:相関があるなら因果関係がある
相関があることと、因果関係があることは別です。
たとえば、アイスの売上と熱中症の件数に相関があったとしても、アイスが熱中症を引き起こしているとは限りません。
気温のような別の要因が、両方に影響している可能性があります。
DS検定では、「相関が高いので原因である」といった説明は疑います。
誤解4:決定係数は大きければ大きいほど常に良い
決定係数が高いモデルは、手元のデータへの当てはまりがよいと考えられます。
しかし、説明変数を増やすと決定係数が上がりやすくなることがあります。
そのため、重回帰では自由度調整済み決定係数なども使われます。
また、決定係数が高くても、未来のデータに強いとは限りません。
過学習している可能性もあります。
判断軸の再確認(確認問題の前に)
- 関係の強さと向きを見るなら、相関係数。
- モデルの説明力を見るなら、決定係数。
- 単回帰では、決定係数 = 相関係数²。
- 相関係数0は、直線的な関係が弱いという意味。
- 相関と因果は別。
確認問題(DS検定対策)
相関係数と決定係数の説明として、最も適切なものはどれか。
- ア. 相関係数は、回帰モデルがデータをどれくらい説明できるかを表す。
- イ. 決定係数は、2つの変数の直線的な関係の向きを表す。
- ウ. 単回帰では、決定係数は相関係数を2乗した値になる。
- エ. 相関係数が0なら、2つの変数の間にはどのような関係も存在しない。
▶ クリックして答えと解説を見る(ここを開く)
正解:ウ
解説
- ア:誤りです。回帰モデルの説明力を見る代表的な指標は決定係数です。
- イ:誤りです。2つの変数の直線的な関係の向きや強さを見るのは相関係数です。
- ウ:適切です。単回帰では、決定係数は相関係数を2乗した値になります。
- エ:誤りです。相関係数が0に近い場合、直線的な関係が弱いとは言えますが、非線形の関係まで否定できるわけではありません。
判断ポイントは、「相関係数=関係の強さと向き」「決定係数=モデルの説明力」です。
まとめ(試験直前用)
- 相関係数は、2つの変数の直線的な関係の強さと向きを表す
- 相関係数の範囲は -1〜1
- 決定係数は、回帰モデルがデータのばらつきをどれくらい説明できるかを表す
- 決定係数の範囲は通常 0〜1
- 単回帰では、決定係数 = 相関係数²
- 相関係数0は、直線的な関係が弱いという意味
- 相関があることと、因果関係があることは別
- 決定係数が高くても、過学習や説明変数の増やしすぎには注意する
- DS検定では「関係の強さ」か「モデルの説明力」かで選択肢を切る