最終更新日:2026年5月8日
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まず結論
この節では、結論として何をどう比較して判断するかを先に示します。
運用監視暗号リストは、推奨すべき状態ではなくなった暗号技術のうち、互換性維持のために継続利用を容認する暗号技術のリストです。
SG試験では、運用監視暗号リスト と 電子政府推奨暗号リスト を混同させてくることがあります。
特に大切なのは、運用監視暗号リストは 「安全なので積極的に使うリスト」ではない という点です。
選択肢で、
互換性維持のために継続利用を容認する
と書かれていたら、運用監視暗号リストを考えます。
一方で、
利用実績が十分であり、利用を推奨する
と書かれていたら、電子政府推奨暗号リストの説明です。
直感的な説明
この節では、関連用語の違いを直感的に比較して整理します。
運用監視暗号リストは、古い機械をすぐには捨てられない状況に似ています。
新しく買うなら、今の基準に合った安全な機械を選ぶべきです。 でも、古い設備とつながっているため、すぐには入れ替えられない場合があります。
暗号技術も同じです。
古くなって、今後の安全性に注意が必要な暗号技術でも、既存システムとの互換性のために、すぐには完全にやめられないことがあります。
そこで、
新しく使うことを推奨するわけではないが、互換性維持のために継続利用を容認する
という位置づけで整理されるのが、運用監視暗号リストです。
CRYPTREC暗号リストの3分類で見ると、次のようになります。
| 分類 | 直感的な意味 |
|---|---|
| 電子政府推奨暗号リスト | 今、利用を推奨する暗号 |
| 推奨候補暗号リスト | 将来、推奨に入る可能性がある暗号 |
| 運用監視暗号リスト | 古くなったが互換性維持のため残す暗号 |
試験では、監視=推奨ではない と覚えると判断しやすくなります。
定義・仕組み
公式: CRYPTREC 暗号リスト:公式: CRYPTREC 暗号リスト
この節では、定義と仕組みを観点ごとに比較して整理します。
運用監視暗号リストは、CRYPTREC暗号リストの分類の一つです。
公式情報は、次のページで確認できます。
CRYPTREC暗号リスト(電子政府における調達のために参照すべき暗号のリスト)
運用監視暗号リストは、かんたんに言うと、今後も積極的に使う暗号ではないが、既存システムとの関係で継続利用を認める暗号技術です。
ここで大切なのは、次の2点です。
-
新規利用を積極的に推奨するものではない
-
互換性維持のために継続利用を容認する
暗号技術は、時間がたつと安全性の評価が変わることがあります。
昔は十分安全と考えられていた暗号でも、計算機の性能向上や攻撃手法の進歩によって、解読されるリスクが高まることがあります。
このように、安全性の面で推奨しにくくなった暗号技術でも、既存システムで使われている場合、急に廃止すると業務に影響が出ることがあります。
そのため、運用監視暗号リストでは、互換性維持を目的として、一定の範囲で継続利用を認める考え方になります。
電子政府推奨暗号リストとの違い
電子政府推奨暗号リストは、今、利用を推奨する暗号技術です。
一方、運用監視暗号リストは、推奨すべき状態ではないが、互換性維持のために継続利用を容認する暗号技術です。
| 比較 | 電子政府推奨暗号リスト | 運用監視暗号リスト |
|---|---|---|
| 位置づけ | 利用を推奨 | 継続利用を容認 |
| 主な目的 | 安全な暗号技術の利用 | 既存システムとの互換性維持 |
| 新規採用 | 基本的に候補になる | 積極的には選ばない |
| 試験でのキーワード | 利用実績、普及見込み、推奨 | 互換性維持、継続利用、監視 |
SG試験では、「容認」と「推奨」は違う と考えることが重要です。
どんな場面で使う?
この節では、実務や試験での使い分け場面を比較して整理します。
運用監視暗号リストは、古いシステムとの互換性を考える場面で関係します。
たとえば、次のような場面です。
既存システムで古い暗号技術を使っている
取引先や外部システムとの接続で、すぐには暗号方式を変更できない
システム更改までの間、一時的に継続利用する必要がある
古い暗号技術から推奨暗号技術へ移行計画を立てる
委託先が使っている暗号方式を確認する
実務では、運用監視暗号リストに関係する暗号技術を使っている場合、
使えているから問題ない
ではなく、
いつまで使うのか、どのように移行するのか
を考える必要があります。
SG試験では、科目Bのケース問題でも、古いシステムや委託先管理の文脈で判断させる形が考えられます。
たとえば、選択肢で、
古い暗号方式を使っているが、互換性維持のために継続利用している。今後は推奨暗号方式への移行を検討する。
とあれば、現実的な対応として自然です。
一方で、
運用監視暗号リストに掲載されているので、新規システムでも積極的に採用する。
とあれば誤りです。
よくある誤解・混同
この節では、混同しやすい選択肢の違いを比較して整理します。
誤解1:運用監視暗号リストは、安全なので使ってよいリストである
これは誤りです。
運用監視暗号リストは、積極的に利用を推奨するリストではありません。
互換性維持のために、継続利用を容認するリストです。
選択肢で「安全なので新規採用する」といった表現があれば注意しましょう。
誤解2:継続利用を容認するなら、電子政府推奨暗号リストと同じである
これも誤りです。
容認 は、やむを得ず認めるという意味合いです。
推奨 は、使うことをすすめるという意味合いです。
SG試験では、この言葉の違いがひっかけになります。
| 言葉 | 試験での判断 |
|---|---|
| 推奨 | 電子政府推奨暗号リスト |
| 候補 | 推奨候補暗号リスト |
| 容認・互換性維持 | 運用監視暗号リスト |
誤解3:運用監視暗号リストにある暗号は、すぐに使用禁止である
これも必ずしも正しくありません。
運用監視暗号リストは、すぐに完全禁止というより、互換性維持のために継続利用を容認する位置づけです。
ただし、これは「安心して使い続けてよい」という意味ではありません。
継続利用する場合でも、移行計画やリスク確認が重要になります。
誤解4:古いシステムで使っているなら、更新しなくてもよい
これも誤りです。
互換性維持のために一時的に使うことはあっても、古い暗号技術を使い続けるほどリスクは高まります。
情報セキュリティマネジメントでは、リスクを把握し、必要に応じて対策を検討することが大切です。
運用監視暗号リストに関係する暗号技術を使っている場合は、将来的に推奨暗号技術へ移行する視点を持つ必要があります。
まとめ(試験直前用)
この節では、直前確認用に比較ポイントを短く整理します。
運用監視暗号リストは、推奨すべき状態ではなくなった暗号技術を、互換性維持のために継続利用するリストです。
試験では、次のように切り分けます。
利用を推奨する → 電子政府推奨暗号リスト
今後、推奨に掲載される可能性 → 推奨候補暗号リスト
互換性維持のため継続利用を容認 → 運用監視暗号リスト
運用監視暗号リストは、危険だから即禁止という意味ではありません。
ただし、積極的に新規採用する暗号でもありません。
最後は、次の一言で覚えます。
運用監視は「古いが互換性のために残す暗号」です。