最終更新日:2026年8月21日
gk cnn cheatsheet
まず結論
画像データ拡張は、元の画像を変換して学習データの多様性を増やす方法です。
G検定では、手法名を丸暗記するよりも、何を変えているかで分類すると切り分けやすくなります。
| 何を変える? | 代表例 |
|---|---|
| 位置・向き・形 | Flip / Crop / Translation / Rotation |
| 色・画質 | Brightness / Contrast / Saturation / Hue / Noise / Blur |
| 一部を消す | CutOut / Random Erasing |
| 複数画像を混ぜる | MixUp / CutMix |
直感的な説明
同じ物体でも、実際の画像では見え方が変わります。
- 少し傾いている
- 明るさが違う
- 一部が隠れている
- 写っている位置が違う
学習時にこうした変化を人工的に加えることで、モデルに見え方が少し変わっても同じ対象として扱う経験を与えます。
ただし、何でも変換してよいわけではありません。変換後もラベルの意味が保たれるかが重要です。
定義・仕組み
1. 位置・向き・形を変える
| 手法 | 何をする? | 判断キーワード |
|---|---|---|
| Flip | 左右・上下に反転 | 反転 |
| Crop | 画像の一部を切り出す | 切り出し |
| Translation | 画像を平行移動する | 位置をずらす |
| Rotation | 画像を回転する | 向きを変える |
| Scale / Resize | 大きさを変える | 拡大・縮小 |
ScaleやResizeは、単なる入力サイズ統一の前処理として使う場合もあれば、ランダムな拡大縮小としてデータ拡張に使う場合もあります。目的と使い方で判断します。
2. 色・画質を変える
旧チートシートで扱っていた色系の整理も、こちらへ統合します。
| 手法 | 何を変える? | 判断キーワード |
|---|---|---|
| Brightness | 全体の明るさ | 明るさ・輝度 |
| Contrast | 明暗の差 | コントラスト |
| Saturation | 色の鮮やかさ | 彩度 |
| Hue | 色味 | 色相 |
| Gaussian Noise | ノイズを加える | ノイズ付加 |
| Blur | ぼかす | ぼけ・解像感 |
Brightness=明るさ、Contrast=明暗差を混同しないことがポイントです。
3. 一部を消す
- CutOut:画像の一部をマスクして見えなくする
- Random Erasing:ランダムな領域を消去する
一部が隠れた状況にも対応しやすくする狙いがあります。
4. 複数画像を混ぜる
- MixUp:2つの画像とラベルを線形に混ぜる
- CutMix:一方の画像の一部を別画像へ貼り付け、面積などに応じてラベルも混ぜる
ここは試験で切りやすいポイントです。
2枚の画像+ラベルも混合 → MixUp / CutMix
MixUpは画像全体をなめらかに混ぜ、CutMixは領域を切って貼る点が違います。
5. 拡張方法そのものを決める手法
- AutoAugment:良い拡張方針を探索する
- RandAugment:使う操作数や強度を簡略化して指定する
- TrivialAugment:より単純なルールでランダムに操作を選ぶ
これらは個々の画像変換そのものというより、どの拡張をどう組み合わせるかを決める方法として分けて考えます。
いつ使う?(得意・不得意)
画像データが少ないときや、実運用で見え方の変化が想定されるときに有効です。
- 照明条件が変わる → Brightness / Contrast など
- 向きや位置が変わる → Rotation / Translation / Crop など
- 一部が隠れる → CutOut / Random Erasing など
- より強い正則化効果を狙う → MixUp / CutMix など
ただし、ラベルを壊す変換は逆効果です。例えば文字認識や方向そのものが意味を持つタスクでは、回転や反転が不適切な場合があります。
G検定ひっかけポイント
- ❌ 「データ拡張は必ず保存済み画像の枚数を増やす」
- 学習中にその場で変換することも多く、重要なのは入力の多様性を増やすことです。
- ❌ 「FlipとTranslationは同じ」
- Flipは反転、Translationは平行移動です。
- ❌ 「CropとCutMixはどちらも切るので同じ」
- Cropは1枚の一部を切り出し、CutMixは別画像の領域を貼り付けてラベルも混ぜます。
- ❌ 「BrightnessとContrastは同じ」
- Brightnessは全体の明るさ、Contrastは明暗差です。
- ❌ 「正規化もデータ拡張の一種」
- 正規化は値のスケールを整える前処理で、目的が異なります。
判断基準
- 向き・位置 → 幾何変換
- 明るさ・色味 → 色系変換
- 一部を隠す → CutOut / Random Erasing
- 2枚+ラベル混合 → MixUp / CutMix
まとめ(試験直前用)
- データ拡張=入力の多様性を増やす
- まず「位置・色・消去・混合」のどれかを見る
- Brightness=明るさ、Contrast=明暗差
- MixUp=全体を混合、CutMix=領域を貼り付け
- 変換後もラベルの意味が保たれるかが重要