最終更新日:2026年10月3日
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まず結論
ワークシェアリングは、一人当たりの労働時間を短縮したり仕事の配分を見直したりして、雇用の維持・創出を図る取組みです。
科目Aでは、「労働時間の短縮・仕事の再配分」と「雇用の確保」を組み合わせて判断します。「仕事を分担する」という言葉だけで決めないことが大切です。
直感的な説明
ある職場で仕事が減ったとき、働く人数を減らす方法だけでなく、各人の勤務時間を短くして、働き続けられる人数を維持する方法が考えられます。
また、一人で担当していた仕事を短時間勤務の複数人で担えば、働く機会を増やすことも考えられます。このように、仕事や労働時間を分かち合って雇用を守ったり増やしたりするのが、ワークシェアリングの基本的な発想です。
次の図は、仕事量を必要な労働時間で単純化した説明用の例です。各人が同じ仕事を担当でき、分担や引継ぎに追加時間がかからないと仮定します。棒の全幅を一人当たり8時間として示します。
見るポイント:一人の時間と、働く人数を分けて見る
雇用を維持する例
仕事が減り、必要な時間が1日32時間から24時間になる場合
変更前:4人 × 8時間 = 32時間
変更後:4人 × 6時間 = 24時間
一人当たりの時間を短くし、4人の雇用を維持する。
雇用を創出する例
1日8時間分の仕事を、2人の短時間勤務で担う場合
変更前:1人 × 8時間 = 8時間
変更後:2人 × 4時間 = 8時間
仕事を分け、働く機会を1人分から2人分へ広げる。
棒は一人当たりの時間を表します。職場全体の時間は「人数 × 一人当たりの時間」で確認します。
雇用を維持する場合は、人数が増えるとは限りません。 一人当たりの労働時間を減らして、現在の雇用を守ることにも意味があります。
定義・仕組み
ワークシェアリングは、仕事(work)を分かち合う(sharing)という考え方です。FEで押さえる中心は、作業の分担そのものよりも、労働時間や仕事の配分を変えて雇用を確保する目的です。
目的から見ると、次のように整理できます。
| 整理の仕方 | 主な目的 | イメージ |
|---|---|---|
| 雇用維持型 | 現在働いている人の雇用を守る | 一時的に仕事が減ったとき、各人の労働時間を短くする |
| 雇用創出型 | 働く機会を増やす | 一人分の仕事を複数人の短時間勤務で担う |
この表は入門用に目的を整理したものです。分類が必ず2種類だけという意味ではありません。 公式資料では、多様な働き方を広げる「多様就業型」などの整理もあります。
定義の参考となる厚生労働省:ワークシェアリングに関する政労使合意(2002年)では、雇用の維持・創出を目的とした労働時間の短縮や、労使の判断と合意が示されています。分類の例は、埼玉労働局:新しい働き方調査報告書(概要版)にも掲載されています。
これらは考え方を確認するための過去の公表資料です。過去の支援策や実施期間を、現在も適用される制度として覚える必要はありません。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、働き方や人事制度の説明から、その用語を見分ける判断が重要です。
| 説明の中心 | 判断する用語 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 労働時間を短縮し、仕事を再配分して雇用を確保する | ワークシェアリング | 仕事・労働時間を分かち合う目的 |
| 仕事と家庭生活などを両立し、調和を図る | ワークライフバランス | 仕事と生活の両立 |
| 一定の業務で、あらかじめ定めた時間を働いたものとみなす | 裁量労働制 | 労働時間の算定方法 |
| 希望する職務や部署への応募・異動の機会を設ける | 社内公募制度・社内FA制度など | 職務や部署の選択機会 |
| 予算やポイントなどの範囲内で福利厚生を選ぶ | カフェテリアプラン | 福利厚生メニューの選択 |
社内公募や社内FAでは、従業員が希望を示す機会があっても、希望どおりの配属が必ず保証されるとは限りません。
ワークシェアリングを判断するときは、次の2点を確認します。
- 一人当たりの労働時間や仕事の配分を見直しているか。
- 雇用を維持したり、働く機会を増やしたりする目的があるか。
単に残業を減らす説明や、チーム内で担当作業を振り分ける説明だけでは、ワークシェアリングと断定できません。
どんな場面で使う?
ワークシェアリングは、一時的な仕事量の減少に対応しながら雇用を維持したい場面や、短時間勤務を組み合わせて働く機会を広げたい場面で検討されます。
例えば、これまで一人で担当していた業務を、短時間勤務を希望する複数人が分担できるか検討する場合です。実際には、担当範囲の明確化、引継ぎ、必要な技能、勤務時間や処遇の調整も必要になります。
FEでは導入手続きを細かく覚えるより、「誰が何時間働くかを見直し、雇用をどう確保するか」という目的と手段のつながりを押さえます。
よくある誤解・混同
時間を短くすれば、すべてワークシェアリング?
労働時間の短縮だけでは判断できません。業務の効率化や残業削減にも時間短縮はあります。ワークシェアリングでは、雇用の維持・創出のために仕事や労働時間を分かち合う点を確認します。
ワークライフバランスと同じ?
ワークライフバランスの中心は、仕事と生活の調和です。ワークシェアリングの中心は、仕事を分かち合うことで雇用を確保することです。
短時間勤務によって生活との両立がしやすくなる場合もありますが、関連する効果と用語の定義を分けて考えます。
裁量労働制と同じ?
裁量労働制は、一定の業務で働いた時間をどう算定するかという制度です。ワークシェアリングは、雇用を確保するために仕事や労働時間をどう配分するかという取組みです。
「時間をみなす」なら裁量労働制、「時間や仕事を分かち合い雇用を確保する」ならワークシェアリングと判断します。みなし労働時間の仕組みは、裁量労働制の記事で確認できます。
労働時間を減らしても、賃金は必ず同じ?
ワークシェアリングという用語だけで、収入が維持されると判断してはいけません。労働時間や賃金・処遇の扱いは、具体的な取組みと労使の協議によって検討されます。
必ず新しい雇用が増える?
雇用の維持も目的に含まれます。現在の働く人数を保つ取組みもワークシェアリングであり、人数の増加だけを条件にしません。
まとめ(試験直前用)
- ワークシェアリングは、労働時間の短縮・仕事の再配分によって雇用の維持・創出を図る取組み。
- 判断語は「一人当たりの勤務時間短縮」「仕事を分かち合う」「雇用の確保」。
- ワークライフバランスは仕事と生活の調和、裁量労働制はみなし労働時間。
- 単なる残業削減や日常的な作業分担だけでは判断しない。
- 人数の増加や賃金の維持が必ず保証されるわけではない。