最終更新日:2026年10月4日
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まず結論
UI(User Interface)は、利用者とシステムが情報をやり取りする接点です。UX(User Experience)は、製品やサービスの利用や利用への期待から生じる、利用者の体験・認識・反応です。
科目Aでは、次の違いを押さえます。
ボタン・入力欄・操作への応答などの接点 → UI。利用前の期待から利用後の満足や不安まで含む体験 → UX。
UIの改善はUXをよくする手段の一つです。ただし、UXには待ち時間やサービスの内容、問い合わせ対応なども影響するため、画面だけで決まるものではありません。
直感的な説明
飲食店の予約サイトを考えます。
希望日を選ぶカレンダー、人数の入力欄、「予約を確定する」ボタンはUIです。入力ミスの箇所を示すメッセージや、送信中であることを伝える表示もUIに含まれます。
一方、「条件に合う店を探せた」「迷わず予約できた」「予約が受け付けられたと分かって安心した」という体験はUXの観点です。画面が美しくても、予約が成立したか分からず何度も確認する必要があれば、利用者は不安を感じます。
UIは利用者が操作・確認する仕組み、UXはその仕組みを含むサービスとの関わりで生じる体験として区別します。
定義・仕組み
UIとUXの比較
| 比較する観点 | UI | UX |
|---|---|---|
| 日本語での呼び方 | ユーザーインタフェース | ユーザーエクスペリエンス、利用者体験 |
| 着目するもの | 利用者とシステムの情報のやり取り | 利用者が感じる価値、安心、不満などを含む体験 |
| 予約サイトの例 | 日付の選択方法、ボタンの文言、完了通知の表示 | 目的の予約ができ、受付状況を把握して安心できること |
| 改善を考える問い | 何を入力し、何が表示され、どう操作するか | 利用者が目的を達成するまでに、どんな期待や困り事があるか |
UIは画面の見た目に限りません。音声で指示して音声で応答を受け取る仕組みもUIです。アイコンやメニューなどを使う視覚的な操作方式は、UIの一種であるGUI(Graphical User Interface)です。
GUI部品の具体的な選び方は、プルダウンメニューとは?で確認できます。このページでは、個々の部品よりも、UIとUXの対象範囲の違いを扱います。
UXは利用前・利用中・利用後にまたがる
ネット予約の例を、利用者の行動順に整理します。
| 段階 | 利用者の状況 | 体験に関わる改善例 |
|---|---|---|
| 利用前 | 料金やキャンセル条件が分からず、予約してよいか迷う | 申込み前に条件を確認できるようにする |
| 利用中 | 入力ミスがあるが、どこを直せばよいか分からない | 該当する入力欄と修正方法を示す |
| 利用直後 | 送信は終わったが、予約が成立したか不安になる | 受付結果と予約内容を確認できるようにする |
| その後 | 日時を変更したいが、手続きが分からない | 変更方法や問い合わせ先を分かりやすく案内する |
この表の改善には、UIの改善も含まれます。UIとUXは互いに無関係な二択ではなく、UIがUXに影響する関係です。
例えば、受付結果を表示する仕組みはUIであり、その表示によって「予約できたと分かり安心する」のはUXの側面です。
UXとユーザビリティの関係
ユーザビリティは、特定の利用者が特定の利用状況で、目的を有効・効率的に、満足して達成できる度合いです。「使いやすさ」と説明されますが、単に操作回数が少ないことだけではありません。
予約サイトなら、希望の予約を正しく完了できるか、余計な手間がかからないか、利用者が満足して使えるかを確認します。
UXでは、こうした利用時の使いやすさに加えて、利用前の期待や利用後の印象なども捉えます。ユーザビリティとUXは関係が深いものの、同じ意味ではありません。
科目Aでどう出る?
選択肢が何を説明しているかを読む
| 選択肢の説明 | 判断する概念 |
|---|---|
| 利用者が入力し、システムから情報を受け取る接点 | UI |
| アイコンやウィンドウなどを用いて視覚的に操作する方式 | GUI |
| 製品やサービスの利用前後も含めた認識や反応 | UX |
| 特定の利用状況で、目的を有効・効率的に、満足して達成できる度合い | ユーザビリティ |
UIの説明なら接点や操作方式、UXの説明なら利用者側の体験や反応に着目します。
改善策と改善の目的を区別する
「予約確定ボタンの文言を分かりやすくし、利用者が安心して申し込めるようにする」という説明では、文言の変更はUIの改善策で、安心して申し込める体験はUXの改善目標です。
そのため、「ボタンを変更したからUXとは無関係」という選択肢は不適切です。反対に、「ボタンの色を変えれば必ずUXが改善する」ともいえません。利用者の困り事に合った変更かを確認する必要があります。
どんな場面で使う?
画面改修の相談を受けたとき、見た目を変える前に、利用者がどこで困っているかを整理するために使います。
例えば、予約の途中離脱が多い場合、原因がボタンの見つけにくさなら、配置や文言の改善が候補です。しかし、最後の画面で初めて追加料金が分かることが原因なら、料金を提示するタイミングも見直す必要があります。
改善後は、予約を完了できた割合や操作中のつまずき、利用者の感想などを確認します。一つの数値だけでUX全体が分かると考えず、行動と感想を合わせて確かめることが大切です。
利用者の状況を調べ、要求・設計・評価を繰り返して改善を進める考え方は、人間中心設計とは?で確認できます。
よくある誤解・混同
UIは見た目、UXは使いやすさ、とだけ覚えればよい?
それだけでは範囲が狭すぎます。UIには入力方法や操作への応答が含まれ、UXには利用前の期待や利用後の印象も含まれます。
見た目が美しければUXもよい?
見た目は体験に影響しますが、目的を達成できなかったり、処理結果が分からなかったりすると、不満や不安が生じます。外観だけでUXの良否は判断できません。
操作回数は少なければ少ないほどよい?
入力の手間を減らすことは役立ちますが、予約内容の確認まで省くと、誤った日時で確定してしまうおそれがあります。利用者の目的や誤操作の影響に応じて、確認の必要性を判断します。
UIが同じなら、誰にとってもUXは同じ?
利用者の経験、目的、利用環境によって体験は異なります。使い慣れた人には分かる略語でも、初めての人には意味が伝わらない場合があります。
確認問題(科目A・オリジナル)
ある予約サイトでは、入力画面は見やすく、希望日時の選択も容易である。しかし、送信後に予約が成立したか分からず、利用者から確認の問い合わせが多い。UIとUXの関係を踏まえた対応として、最も適切なものはどれか。
- ア:UIは見やすいため、利用者が感じる不安は改善の対象に含めない。
- イ:UXは画面を操作している間だけの体験なので、送信後の状況は調べない。
- ウ:予約の受付結果と内容を確認できるようにし、利用者の不安や問い合わせが減るかを確認する。
- エ:ボタンの配色を変更すれば、予約成立への不安も必ず解消する。
正解:ウ
- ア:見やすさだけでUXは決まりません。予約成立を確認できず不安になる体験も改善対象です。
- イ:UXは操作中だけに限らず、利用前後の認識や反応も含みます。
- ウ:受付状況が分からないという困り事に対応し、変更後の体験まで確認するため適切です。
- エ:配色の変更だけで受付状況が伝わるとは限りません。原因に対応した改善が必要です。
公式情報・参考リンク
- IPA:基本情報技術者試験シラバス Ver.9.2
- 「ユーザーインタフェース」の「UX/UIデザイン」で、UXデザイン、画面設計、ユーザビリティ評価などを扱っています。
- デジタル庁:サービスデザイン
- 利用者中心でサービスを改善する考え方と、UIの課題解決に関する取組を確認できます。
- デジタル庁:行政サービスにおける利用者視点導入ガイドブック 第3章
- 利用者視点をサービスづくりに取り入れるための手法や、ユーザビリティ関連資料への案内があります。
まとめ(試験直前用)
- UIは利用者とシステムの接点、UXは利用や利用への期待から生じる体験・認識・反応。
- UIは見た目だけでなく、入力方法や操作への応答も含む。
- UXは利用中だけでなく、利用前の期待や利用後の印象も含む。
- UIの改善はUXに影響するが、画面だけでUX全体は決まらない。
- 選択肢では、操作する仕組みと、利用者に生じる体験を区別する。