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最終更新日:2026年9月22日

まず結論

かんばん方式は、後工程が必要とする部品を、必要なときに必要な分だけ前工程から引き取る生産方式です。

試験では、まず次の形で覚えると判断しやすくなります。

後工程 → 必要な分だけ → 前工程から引き取る

目的の一つは、作りすぎを抑えて工程間の中間在庫を減らすことです。

IPAの「基本情報技術者試験(レベル2)」シラバス Ver.9.2でも、「生産の自動制御」の用語例として、かんばん方式、リーン生産方式、セル生産方式、JITなどが挙げられています。

直感的な説明

工場に前工程と後工程があるとします。

前工程が「そのうち使うだろう」と部品を大量に作ると、後工程との間に部品がたまります。

前工程
  ↓ 大量に作る
[部品][部品][部品][部品][部品]
              ↓
            後工程

これでは、中間在庫が増えてしまいます。

かんばん方式では、考え方を逆にします。

前工程                    後工程
  ↑                         │
  └── 必要な分を要求 ────────┘
       ↓
    その分を補充

前工程から押し出すのではなく、後工程から必要な分を引っ張るのがポイントです。

この考え方は英語で pull system(プル型生産方式) と呼ばれます。

定義・仕組み

かんばんとは

かんばんは、後工程が前工程から部品などを引き取る際に、生産や運搬に必要な情報を伝えるために使われます。

大まかな流れは次のとおりです。

1. 後工程で部品を使う
        ↓
2. 必要な部品を前工程へ要求する
        ↓
3. 前工程から必要な分を引き取る
        ↓
4. 前工程は引き取られた分を補充する

重要なのは、後工程の必要量が前工程の生産を動かすことです。

JITとの関係

JIT(Just In Time:ジャストインタイム)は、

必要なものを、必要なときに、必要な量だけ供給する

という生産の考え方です。

かんばん方式は、このJITを実現するための代表的な仕組みとして整理できます。

JIT
「必要なものを
 必要なときに
 必要な量だけ」
        ↓
かんばん方式
「後工程が必要な分を引き取る」

したがって、JITとかんばん方式を全く別のものとして暗記するより、JITという考え方を実現する仕組みの一つが、かんばん方式と整理すると分かりやすくなります。

科目Aでどう出る?

「後工程」が主語なら要注意

かんばん方式の問題では、次の表現が強いヒントになります。

  • 後工程が必要な部品を引き取る
  • 必要な量だけ生産する
  • 中間在庫を減らす
  • JIT
  • 引取り方式
  • プル型

特に、

後工程
+
必要な分だけ
+
前工程から引き取る

がそろえば、かんばん方式を疑います。

プッシュ型とプル型を切り分ける

プッシュ型
前工程 →→→ 後工程
「先に作って送る」

プル型
前工程 ←要求← 後工程
「必要になってから引き取る」

かんばん方式はプル型です。

「どちらから生産のきっかけが来るか」を見ると、初見の選択肢でも判断しやすくなります。

「調達」という言葉だけで判断しない

問題文に「部品を調達する」とあっても、次のような話はかんばん方式ではありません。

選択肢の着眼点 かんばん方式か
後工程が必要な分だけ引き取る
部品の仕様を統一する ×
関連会社から購入する ×
複数業者で競争入札する ×

かんばん方式が決めているのは、主にどの業者から買うかではなく、生産工程でいつ・どれだけ必要とするかです。

どんな場面で使う?

たとえば、組立工程で部品Aを使っているとします。

部品Aを前工程で大量に作り置きすると、組立工程との間に在庫が増えます。

そこで、組立工程で10個使ったら、その必要量を前工程へ伝え、前工程が10個分を補充するようにします。

後工程で10個使用
      ↓
10個必要と伝える
      ↓
前工程が10個補充

こうすることで、必要以上に部品を作り続けることを抑えやすくなります。

よくある誤解・混同

かんばん方式は部品を標準化する方式

違います。

部品の標準化と、必要量を後工程から引き取るかんばん方式は別の考え方です。

関連会社から仕入れることがかんばん方式

違います。

仕入先が関連会社かどうかは本質ではありません。

かんばん方式は品質の高い業者を競争入札で選ぶ方式

これも違います。

競争入札は調達先を選ぶ方法です。かんばん方式は、生産工程における必要量とタイミングに注目します。

JITとかんばん方式は同じ言葉

完全に同じ意味として覚えない方が安全です。

JIT
→ 必要なものを必要なときに必要な量だけ、という考え方

かんばん方式
→ その考え方を実現するための代表的な仕組み

FEでは、この関係を押さえておけば十分判断しやすくなります。

まとめ(試験直前用)

  • かんばん方式は後工程が前工程から必要な分だけ引き取る
  • 前工程から押し出すのではなく、後工程から引っ張るプル型
  • JITの「必要なものを、必要なときに、必要な量だけ」を実現する仕組みとして整理する
  • 中間在庫や作りすぎを抑える方向に働く
  • 「標準化」「関連会社から調達」「競争入札」は別の話

「後工程」「必要な分だけ」「中間在庫を減らす」が出たら、かんばん方式。

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