最終更新日:2026年9月8日
fe fe-strategy business-strategy marketing
まず結論
取引先ごとの営業方針を考えるときは、「相手企業が全体としてどれだけ買う力があるか」と「そのうち自社からどれだけ買っているか」を分けて見るのがポイントです。
基本情報技術者試験では、2軸のグラフを見て、どの顧客に営業を強化すべきかを判断する問題として出ることがあります。
相手の購買規模が大きい
+
自社との取引が小さい
→ 未開拓余地が大きい
→ 営業強化を検討
相手の購買規模が大きい
+
自社との取引も大きい
→ 重要顧客
→ 関係維持が重要
試験では、「市場の大きさ」と「自社の取り分」を混同しないことが最重要です。
直感的な説明
たとえば、ある会社が年間1,000万円の商品を購入しているとします。
その会社が自社から100万円しか買っていないなら、残りの多くは他社から買っている可能性があります。
年間購買規模:大きい
自社取引額:小さい
→ まだ自社が取れていない部分が大きい
この取引先は、営業を強化することで自社との取引を増やせる可能性があります。
一方、年間購買規模が1,000万円で、自社から900万円買っているなら、すでに大部分を自社が取り込んでいる状態です。
年間購買規模:大きい
自社取引額:大きい
→ すでに重要顧客
→ 維持・関係強化が重要
つまり、「たくさん買う会社か?」だけでなく、「その会社の購買のうち、自社がどれだけ取れているか?」を見るのがコツです。
定義・仕組み
顧客ポートフォリオ分析では、顧客を複数の指標で分類し、営業資源の配分や顧客ごとの方針を考えます。
FEの問題では、次のような2軸で整理されることがあります。
縦軸
→ 取引先企業の年間購買推定金額
→ 相手企業の購買規模
横軸
→ 自社との年間取引実績金額
→ 自社が実際に取れている売上
この2軸を「大・小」で分けると、4つの領域に整理できます。
| 購買規模 | 自社取引実績 | 状態 | 営業上の考え方 |
|---|---|---|---|
| 大 | 小 | 未開拓余地が大きい | 営業強化を検討 |
| 大 | 大 | 重要顧客 | 維持・関係強化 |
| 小 | 小 | 規模も取引も小さい | 優先度を慎重に判断 |
| 小 | 大 | 自社への集中度が高い | 大幅な上積み余地は小さめ |
ここで大切なのは、縦軸と横軸が別の意味を持っていることです。
縦軸が大きい
→ 相手企業には購買力がある
横軸が大きい
→ 自社との取引が多い
したがって、縦軸が大きく横軸が小さい領域は、営業余地が大きいと判断できます。
このテーマは基本情報技術者試験のストラテジ系・経営戦略に関係します。公式の出題範囲やシラバスは、IPA:基本情報技術者試験 から確認できます。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、2軸グラフを示して「どの顧客に営業を強化すべきか」「どの領域が重要顧客か」と問われることがあります。
まず縦軸を見る
購買推定金額が大きい
→ その顧客には大きな購買需要がある
次に横軸を見る
自社取引実績が小さい
→ 自社はまだ十分に取り込めていない
自社取引実績が大きい
→ すでに自社との取引が多い
営業強化候補を探す
購買規模:大
自社取引:小
↓
未開拓余地が大きい
↓
営業強化候補
重要顧客を探す
購買規模:大
自社取引:大
↓
すでに大口取引
↓
維持・関係強化
試験中は、「相手は買っているのに、自社からは買っていない」顧客を探すと、営業強化候補を見つけやすくなります。
どんな場面で使う?
このような分析は、限られた営業人員や時間をどこに配分するかを考えるときに役立ちます。
たとえば、営業担当者が100社を担当している場合、全ての顧客に同じだけ時間を使うのは効率的ではありません。
未開拓余地が大きい顧客
→ 新規提案・訪問を増やす
すでに大口の重要顧客
→ 関係維持・離反防止
購買規模自体が小さい顧客
→ 営業コストとのバランスを見る
このように、顧客の状態に応じて営業方針を変える考え方です。
ただし、実務では購買規模と取引額だけで全てを決めるわけではありません。利益率、成長性、取引リスク、将来性などもあわせて判断します。
よくある誤解・混同
誤解1:購買推定金額が大きければ、すでに自社の大口顧客である
違います。
購買推定金額は、その企業全体の購買規模です。
自社の大口顧客かどうかは、自社との取引実績も見なければ判断できません。
購買規模が大きい
≠ 自社との取引が大きい
誤解2:自社取引額が大きい顧客ほど、必ず営業を強化すべき
必ずしもそうではありません。
すでに相手企業の購買の大部分を自社が占めている場合、追加の取引拡大余地は小さいことがあります。
自社取引額が大きい
→ まず「まだ伸びしろがあるか」を確認
誤解3:購買規模が小さくても、自社取引が小さければ営業強化すべき
購買規模そのものが小さい場合、大口顧客になる余地も小さくなります。
限られた営業資源を考えるなら、通常は購買規模が大きく、自社取引がまだ小さい顧客の優先度が高くなります。
誤解4:2軸グラフでは右上が必ず最優先
右上は「購買規模も自社取引も大きい重要顧客」です。
新たな取引拡大という観点では、左上の「購買規模は大きいが、自社取引は小さい」領域の方が営業余地が大きい場合があります。
まとめ(試験直前用)
縦軸
→ 相手企業の購買規模
横軸
→ 自社との取引実績
判断は次の4パターンです。
購買規模:大 × 自社取引:小
→ 未開拓余地が大きい
→ 営業強化
購買規模:大 × 自社取引:大
→ 重要顧客
→ 維持・関係強化
購買規模:小 × 自社取引:小
→ 優先度は低め
購買規模:小 × 自社取引:大
→ すでに取り込み済み
→ 大幅な上積み余地は小さめ
試験では、「相手はたくさん買っているのに、自社からはあまり買っていない」=営業余地ありと判断できれば十分です。