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まず結論

不正アクセス禁止法では、他人のID・パスワードをどう扱ったかによって、禁止される行為が分かれます。

SG試験では、次のように動詞で切り分けるのが一番分かりやすいです。

動詞 判断する行為 該当する禁止行為
入手する・取得する 他人のID・パスワードを手に入れる 不正取得
提供する・教える 他人のID・パスワードを第三者に渡す 助長行為
保管する・保存する 不正に入手したID・パスワードを持っておく 不正保管
入力させる・要求する 偽サイトなどでID・パスワードを入力させる 不正要求

つまり、問題文を読んだら、まず 「何をしたか」 を見ます。


直感的な説明

この違いは、鍵の扱いで考えると分かりやすいです。

行為 鍵でたとえると
不正取得 他人の鍵をこっそり手に入れる
助長行為 他人の鍵を別の人に渡す
不正保管 手に入れた鍵を隠し持つ
不正要求 偽の受付で鍵番号を書かせる

どれも不正アクセスにつながる危険な行為ですが、やっていることは少しずつ違います

試験では、この違いを細かく聞いてきます。


定義・仕組み

不正アクセス禁止法では、不正アクセス行為そのものだけでなく、関連する行為も禁止されています。

特に混同しやすいのが、次の4つです。

条文 禁止行為 内容
4条 他人の識別符号を不正に取得する行為 不正アクセス目的で、他人のID・パスワードなどを取得する
5条 不正アクセス行為を助長する行為 正当な理由なく、他人のID・パスワードなどを第三者に提供する
6条 他人の識別符号を不正に保管する行為 不正アクセス目的で、不正に取得したID・パスワードなどを保管する
7条 識別符号の入力を不正に要求する行為 フィッシングサイトなどでID・パスワードを入力させる

ここでいう識別符号は、利用者を識別するための情報です。

試験では、難しく考えすぎず、まずは ID・パスワードなどの認証情報 と読み替えると理解しやすいです。


どんな場面で使う?

この違いは、次のような問題でよく使います。

  • 不正アクセス禁止法の規制対象を問う問題
  • フィッシングと不正取得の違いを問う問題
  • ID・パスワードを第三者に教える行為を問う問題
  • 不正に入手した認証情報を保存する行為を問う問題
  • 不正ログイン前の準備行為を問う問題

特に、選択肢に次の言葉が出てきたら注意します。

  • 入手する
  • 取得する
  • 提供する
  • 教える
  • 保管する
  • 保存する
  • 入力させる
  • 要求する

SG試験では、法律の条文番号を丸暗記するよりも、行為の違いを判断できることが重要です。


不正取得とは?

不正取得は、他人のID・パスワードなどを不正に手に入れる行為です。

たとえば、次のようなケースです。

  • 他人のパスワードを盗み見る
  • 不正アクセス目的でID・パスワードを入手する
  • 漏えいしたアカウント情報を手に入れる

ポイントは、まだログインしていなくても、取得した時点で問題になることです。

試験での見分け方

問題文に、次のような表現があれば不正取得を疑います。

  • 入手する
  • 取得する
  • 手に入れる
  • 盗み取る

つまり、手に入れる動きが中心です。


助長行為とは?

助長行為は、他人が不正アクセスしやすいように手助けする行為です。

代表例は、正当な理由なく、他人のID・パスワードを第三者に提供することです。

たとえば、次のようなケースです。

  • 他人のID・パスワードを別の人に教える
  • 不正ログインできる認証情報を第三者に渡す
  • アカウント情報を掲示板やチャットに投稿する

ポイントは、自分がログインするかどうかではなく、第三者に渡していることです。

試験での見分け方

問題文に、次のような表現があれば助長行為を疑います。

  • 提供する
  • 教える
  • 渡す
  • 第三者に知らせる

つまり、他人へ渡す動きが中心です。


不正保管とは?

不正保管は、不正に取得したID・パスワードなどを保存して持っておく行為です。

たとえば、次のようなケースです。

  • 不正に入手したID・パスワードをPCに保存する
  • 盗んだ認証情報をメモアプリに残す
  • 不正アクセス目的でアカウント一覧を保管する

ポイントは、使っていなくても、保管しているだけで規制対象になり得ることです。

試験での見分け方

問題文に、次のような表現があれば不正保管を疑います。

  • 保管する
  • 保存する
  • 記録する
  • 持っておく

つまり、手元に残す動きが中心です。


不正要求とは?

不正要求は、フィッシングサイトなどを使って、ID・パスワードを入力させる行為です。

たとえば、次のようなケースです。

  • 銀行を装った偽サイトにID・パスワードを入力させる
  • 管理者を装って認証情報の入力を求める
  • 偽メールから偽ログインページに誘導する

ポイントは、相手に入力させようとしていることです。

試験での見分け方

問題文に、次のような表現があれば不正要求を疑います。

  • 入力させる
  • 要求する
  • フィッシングサイトを開設する
  • 偽サイトに誘導する

つまり、相手から聞き出す動きが中心です。


よくある誤解・混同

誤解1:ID・パスワードを入手したら、すべて不正アクセスである

これは誤解です。

他人のID・パスワードを入手しただけでは、まだ「不正アクセス行為そのもの」とは限りません。

ただし、不正アクセス目的で取得していれば、不正取得として問題になります。


誤解2:第三者に教える行為は、不正取得である

第三者に教える行為は、取得ではなく、助長行為として整理します。

取得は「手に入れること」、助長は「渡すこと」です。


誤解3:フィッシングサイトは助長行為である

フィッシングサイトでID・パスワードを入力させる行為は、助長行為ではなく、不正要求です。

助長行為は、すでにある認証情報を第三者に提供するイメージです。


誤解4:保管しているだけなら規制対象ではない

不正アクセス目的で不正に取得したID・パスワードを保管する行為は、不正保管として規制されます。

「まだ使っていないから問題ない」とは判断しません。


SG試験での切り分け手順

選択肢で迷ったら、次の順番で確認します。

1. 実際にログインしたか

ログインしているなら、まず不正アクセス行為そのものを疑います。

2. 手に入れたのか

「入手」「取得」とあれば、不正取得です。

3. 渡したのか

「提供」「教える」「第三者に渡す」とあれば、助長行為です。

4. 保存したのか

「保管」「保存」とあれば、不正保管です。

5. 入力させたのか

「フィッシング」「入力させる」「要求する」とあれば、不正要求です。


まとめ(試験直前用)

不正アクセス禁止法の関連行為は、動詞で見ると整理しやすくなります。

試験直前は、次の3点を押さえておきましょう。

  • 入手するなら、不正取得
  • 第三者に渡すなら、助長行為
  • 保管するなら不正保管、入力させるなら不正要求

最後に、選択肢を切るための対応表です。

問題文の表現 選ぶべき考え方
ID・パスワードを不正に入手する 不正取得
ID・パスワードを第三者に提供する 助長行為
不正に入手したID・パスワードをPCに保管する 不正保管
偽サイトでID・パスワードを入力させる 不正要求

この表を覚えるというより、取得・提供・保管・要求の動きの違いで判断できるようにしておくと、ひっかけ問題に強くなります。


確認問題

不正アクセス禁止法における禁止行為の説明として、最も適切なものはどれか。

ア. 他人のID・パスワードを不正に入手する行為は、不正アクセス行為を助長する行為である。
イ. 他人のID・パスワードを第三者に提供する行為は、不正アクセス行為を助長する行為に当たることがある。
ウ. フィッシングサイトでID・パスワードを入力させる行為は、不正保管である。
エ. 不正に入手したID・パスワードをPCに保存する行為は、不正取得である。

回答と解説 正解は、**イ**です。 他人のID・パスワードを第三者に提供する行為は、第三者による不正アクセスを助ける行為なので、**不正アクセス行為を助長する行為**に当たります。 アは、入手する行為なので**不正取得**です。 ウは、入力させる行為なので**不正要求**です。 エは、保存する行為なので**不正保管**です。 選択肢を読むときは、次の動詞に注目します。 - 入手する → 不正取得 - 提供する → 助長行為 - 保存する → 不正保管 - 入力させる → 不正要求

参考

  • e-Gov法令検索「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」
    • https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000128